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肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝炎友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。

03 脂肪肝

2007年01月21日 | 肝臓病スライド
今日は講演会資料の脂肪肝についてです。

脂肪肝ってなんだろう。肝臓に脂肪がついた状態というと、なんだかわかったような気がしますが、皮下脂肪のように肝臓を取り囲むような脂肪の付き方ではありません。肝臓の細胞のなかに脂肪が蓄積して、全体に脂肪分の多くなった肝臓の状態を言います。フォアグラはガチョウやカモの脂肪肝を食べているのです。

脂肪肝は、食べすぎ、運動不足、肥満、アルコールなど体に栄養が多い状態になりやすいと言われます。その他薬の副作用などでもなることがあったり、ほかの肝臓病のなり始めだったりします。しかし、経過を見て普通の脂肪肝と診断できるものは、生活習慣病の一因となる生活習慣を持っている方に起こりやすく、食事療法や運動の改善を試みて、糖尿病や高血圧などのメタボリックシンドロームに移行しないよう努力する必要があります。

症状はほとんど無く、健診などで肝機能障害やエコー検査で指摘されることで見つかることが多いです。

健診などで脂肪肝といわれたら、まず食べすぎ、アルコールを休み、体重が減るように努力してみてください。ここで大切なのは偏った食生活はかえって脂肪がつきやすくなることがあるので要注意です。バランスよく減らすようにしてください。そして、肝機能の状態やほかの病気が隠れていないかを受診してチェックしてもらいましょう。

脂肪肝自体は肝不全になるような病態ではなく、肝癌の発生もほとんどありません。あとで出てくるナッシュといわれる脂肪肝炎はそうではないので注意が必要です。肝炎が疑われる場合は、腹腔鏡検査や肝生検が必要となる場合があります。
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02 肝ガン検診

2007年01月14日 | 肝臓病スライド
2004年まで、肝ガン検診という検診がありました。これは、北海道での検診活動で、
北海道肝炎友の会、北海道難病連との協力のもと、ボランティアの検診団を中心に
行ってきたものでした。検診団の中心であった稲積公園病院が保健医療機関取り消し
の処分を受けたことなど、種々の事情で肝ガン検診が行われなくなってしまいました。

わたし自身は、肝ガン検診に参加する中で、患者会や地域の医療状況などを知ること
ができ、肝臓病に悩む人たちの声や病院にかかっていない方々の病気に対する意識など
を知る機会でもあり、大変勉強させられたものでした。

肝ガン検診は、問診、採血、エコー,肝臓専門医による療養相談から成り立っており、
エコーによる肝癌の発見率は、人間ドックの10倍以上というとても効率的な検診で
した。また、この検診を通し肝炎友の会の活動を知ってもらい、患者会の運動を広げる
ことにも役立っていました。

このスライドは、20年間の検診結果をまとめたときのものですが、道内各地を周り
実人数で13000人の方の検診を行ってきたことを示すものです。そして、その中で肝癌の
患者さんを171名発見し治療に結びつけてきました。1980年にはエコーの機械を運んで
検診をすることはとても困難なことでしたがそれをやり遂げたという偉業も評価に値する
ものでした。

道内には受診している病院に消化器の先生はいても肝臓の専門医がいない地区がたくさん
あったり、ほかの専門医に治療方針を聞いて自分の治療が間違いないと確認したいと思う
気持ちに要望に応える(今で言うセカンドオピニオンの性格)ことのできる検診でもあり、
非常に意義深いものがありました。
これが、26年前から行われていたと言うことも、患者の側にたつ医療を目指していた人
たちによって行われていた検診だからこそと言えると思われます。

再度、肝ガン検診を行えるようになれれば、患者さんの不安を少しでも多く取り除いて、
前向きになれる話を直接して、少しでも元気になって欲しい。そんな思いが強くなってる
自分がいます。
今は、肝ガン検診ができないため、医療講演をして、全道を回っていますが、それも、
そんな不安を持った患者さん家族の方の力になれればと言う気持からのものです。
肝炎友の会に是非参加して、医療を身近なものにしていきましょう。
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01 健康になるために

2007年01月13日 | 肝臓病スライド
講演会で使用したスライドを配付資料として作ったのがありますので、
それを少し載せてみたいと思います。

健康になるために

まず、自分がなりたい姿を想像してみてください。
楽しく食事をしているところ、家族で楽しく旅行したり、温泉に入っていたり、
趣味をしていたり、仕事で褒められていたり、生きていてよかったあって実感していたり、
いろんなことがありますよね。
お子さんやお孫さんがいる人であれば子供たちが喜んでる姿をみて幸せになる気持とか。
そして、そう言うことをしたい、そうなりたいと思ってください。

こういった、自分がそうなりたいと思う姿を想像するだけで、生きる力や免疫力があがって
くるんです。まだまだ、解明されてきていませんが、わたし自身奇跡的な患者さんの回復を
何度も目にしてきているので、是非やってみて欲しいことの一つです。

そして、さらに大切なことは、なりたい姿を想像したときに、否定をしないこと。
どうせ、病気だから無理だけどとか、邪魔する人がいるからできないだとか、せっかくいい
気持ちで想像したものを否定する気持があるとそのマイナスの気持に引っ張られてしまいます。
自己暗示というとわかりやすいかもしれませんが、どうせ自己暗示にかかるなら、
楽しい理想的ないい暗示にかかりましょ?

病気や悩みのことって悪いことばかり考えてしまいますよね?
そして、悪いことが起こる。
どうせ考えるなら、病気が良くなるってことを考えましょう。

病気を知ることは大切です。しかし、病気で死ぬことばかり考えることはマイナスです。
病気が良くなることがあるということを励みにしないで、誰しもが死に向かっていること
なのに病気でもっと早く死ぬんだと思うことは死の方向を早める結果を生みます。
わたしは癌になって死ぬんだ。
肝臓病は癌ができやすいし肝臓癌ができたらもうおしまいだ。
だれしも、頭をよぎることがあると思います。

しかし、その後に治って、天寿を全うできる人がいるんだから自分もそこに入ろう。
そう思えることがとても大切になってきます。
言うのは簡単ですが実際にするのは難しい方もいるかもしれません。
しかし、是非チャレンジしてほしいと思います。きっと、前が見えてきます。
こんな風な話も講演会ではしています。
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