肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝炎友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。

肝臓専門病院って インターフェロン中の患者さん 肝臓病の患者さん

2007年01月31日 | 患者さんとの関わり
イラストは、職員に作ってもらった、肝臓の形をした木をイメージにイラストにしてもらったものです。肝臓は体の中に根を張って栄養を吸収していろんな働きをしている木に見立てられることから、このイラストを作ってもらいました。

今日は、回診をしていて、患者さんに言われた一言を紹介したいと思います。
インターフェロン中の患者さんで、体の調子が悪くなり入院、何でも一人で頑張らないと、張り詰めていた気持だったようです。調子を整えるために入院して、気持を持ち直してもらおうと入院を勧めてみたのです。
そしたら、インターフェロンをしてる仲間がいて、励ましてくれる。こんなにうれしいことはないと。良かったですねと話してきました。

当院で入院治療する肝臓病は、ウイルス肝炎がほとんどです。ウイルス肝炎は、いまだに社会の偏見があり、地方に行くほど、近所づきあいを断られたり、地元の病院にかかると病気がわかってしまうと、わざわざ札幌まで来る方がいる病気です。また、ウイルス性の肝炎は、肝癌や肝硬変で亡くなっていくということが約束されているかのような、時限爆弾のような病気という面がいまだにぬぐえません。それを少しでも減らせるよう、インターフェロン療法などの辛い治療を頑張って受けていかなければならない。それでも、ウイルスが消失した人はラッキーですが、消失しなければ、ずっと病院と関わる必要があります。

私の勤めている病院は肝臓の患者さんが9割以上を占める内科病院、いわゆる肝臓専門病院です。私が全国初の肝臓専門病院としてできた稲積公園病院に参加したのは1995年それから、10年以上がたちました。今は経営が代わって稲積記念病院となっていますが、肝臓専門病院として、患者さん方がお互いに励まし合って療養している姿をみると専門病院として継続できたことに感謝しています。同じ病気を治療を苦労や苦痛を共感できる仲間がいるということは、健康なときには全く理解できなかった、癒しの効果があります。そして、より良い生活を目指す気持につながります。

もちろん、悪くなっていく場合には自分がその時期に入ってきたなと覚悟を自然と受け止めていけるという面もあります。専門病院として一番良かったと思うのは本当に患者さん、スタッフが気持を一つにしていける環境が整いやすいと言うことでしょうか。専門病院でなければ、えられない満足感や癒しがあります。もちろん、専門であるが故にできないこともあります。患者さんのニーズに合わせて、病院を選べるためにも当院のような専門病院は、必ず必要だと自負しています。

まだまだ、医者も含めてスタッフも成長過程ではありますが、日本一の肝臓専門病院になるんだと気合いは誰にも負けないと思っています。今日はなんだか、語ってしまいました。また、明日からがんばりますー。
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薬害、予防接種、肝炎ウイルス B型 C型

2007年01月30日 | 医療講演
フジテレビの報道でニュースJapanってのがあるのは、皆さんご存じかと思います。稲積公園病院も美馬院長と共にテレビ取材に協力したものでした。私もちょこっと後ろ姿のってたり。国の対策などがなぜ求められるかがわかりやすく書いていますので是非読んでみて下さい。
News Japan 公式サイト時代のカルテ 肝炎

動画は、腹腔鏡検査の風景を撮影したもので画面の左のあおい術衣を着たのが私で、手袋をはめた手が私の手です。慢性肝炎や肝硬変症、肝癌の動画が使われていて理解しやすい内容でした。
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医療講演の予定 江別 千歳 小樽 など

2007年01月30日 | 医療講演
現在決まっている医療講演は
江別市民健康フォーラム
日時 平成19年2月21日(水) 18:30~20:00
場所 コミュニティープラザ あおい 2階 「シティーホール」
住所 : 江別市野幌町41ー5 (国道12号線 イトーヨーカドー向かい) 
電話 :011-385-1211

千歳市民健康フォーラム
日時 平成19年2月24日(土) 14:00~15:30 
場所 千歳市民文化センター 3階 「中会議室2」 
住所 : 千歳市北栄2丁目2ー11 電話 :0123ー26ー1151

小樽市民健康フォーラム
日時 平成19年2月28日(水) 18:30~20:00
場所 小樽グランドホテル  4階 「グランドホール」
住所 : 小樽市稲穂1ー4ー1 電話 :0134ー25ー1515

現在準備が進行中なのは、北見が3月10日と遠軽が3月11日
日程が固まっていないが進行中は、由仁、北広島、室蘭、静内などです。

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千歳医療講演 決まりましたー

2007年01月30日 | 医療講演
千歳市民健康フォーラム
日時 平成19年2月24日(土) 14:00~15:30 
場所 千歳市民文化センター 3階 「中会議室2」 
住所 : 千歳市北栄2丁目2ー11 電話 :0123ー26ー1151

【医療講演】14:00~15:00
『最新の慢性肝炎・肝がん治療 ーインターフェロン ラジオ波治療を中心にー』
  講師 稲積記念病院 診療部長  肝臓内科  川西 輝明 先生
【医療相談】15:00~15:30 無料です。
 定員 70名 (予約の必要はございません)
お問い合わせ先 シェリング・プラウ(株) 電話 : 011-221-3230  担当:仙石
主催/ シェリング・プラウ(株) 
後援/ 財団法人北海道難病連  北海道肝炎友の会

今後の医療講演ではやっと少しデータが出てきたのでこの間のインターフェロン療法の
当院での結果や治療の副作用の軽減の工夫などくわえてお話ししたいと思います。
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ペグインターフェロン

2007年01月30日 | 学会 研究会報告
ペグインターフェロンは、今回承認された、コペガスとペガシスの併用がこれからどうなっていくか。現時点では、ペグイントロンとレベトールが主流となっています。体重によっての増減があるのがペグイントロンの特徴で、同じインターフェロンでも投与の量の決め方が異なります。体格の小さい日本人にはこちらが向いていると言うことでしたが。実際は、両方を体験してみた人にしかわからないというところでしょうか。
ペグイントロンの会社のシェリングのページはこちら
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05アルコール性肝障害

2007年01月29日 | 肝臓病スライド
アルコール性肝障害は、そのまま、アルコールの飲み過ぎでなる病気。しかし、日本人は、欧米とくらべて、飲む量は少ないのになるんです。アメリカではウイスキーボトル1本なんて、へでも無い人がたくさんいるのに、日本人は4人に一人は飲めない体質なんです。日本酒3合10年でなると言ってたりもしました。

アルコール性肝障害で、問題となるのは依存症となる場合、社会的にも問題となっている場合が多く、まじめな人ほどなりやすいと言われたりもします。アルコール依存症は、アル中といわれたりもしていましたが、中毒というより依存があるという意味で慢性的な病気です。自分の意思でお酒がやめられるとか、仕事ができるからということで依存症でないという診断にはならず、体をこわす状態であるのに、休むことができないということで診断がされます。専門医にかかり、少しでもあるコールから遠ざかる生活を心がけなければ、命に関わることが多い病気です。

眠れないからと、アルコールを飲むことはアルコール依存症への第一歩となることも多いため、寝る前の寝酒はやめるべきで、どうしても眠れないときは、睡眠剤を飲む方が体にはいいとも言えるのです。
アルコールを用いて寝るクセをつけていくと、最初は眠れるようでも夜中に目が覚めるようになってきます。この症状がある時は、アルコールの量を増やすことでさらに途中で目が覚めるようになり、眠れなくなっていきますので、きちんと受診して睡眠薬をもらうことをお勧めします。

たばこと同様、アルコールも体に害のある食品として認識されてきています。

写真は、アルコール性肝硬変の患者さんの腹腔鏡写真です。肝臓がでこぼこが強くなり、壊れては治りを繰り返している肝臓です。肝表面に白く見える線状の変化は線維化といって肝臓が硬くなる変化を起こしている部分です。
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04NASH

2007年01月29日 | 肝臓病スライド
最近、脂肪肝といってたものの中に、進行性の肝炎があることがわかってきました。1980年のアメリカの病理学者が命名した報告をよく引用しています。アルコールを飲まなくてもこのような肝炎が起こると言うことは原因などの病態ははっきりとしていませんが、生活改善により良くなることが報告されるなど、生活習慣病としての側面が強調されています。

非アルコール性脂肪肝炎と日本語では訳しています。メタボリックシンドロームとからめて、色々と治療法を検討してきているのが現状ですが、基本的には、糖尿病の方の運動や食事療法、薬物療法が参考になっている側面が強いです。
日本でも患者が数が増えてきていて、学会などでも取り上げられ、最近はガイドラインが作られるなど対策が強化されてきてます。
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友の会コーナー

2007年01月29日 | 患者会
私の勤めている病院では、肝炎友の会のコーナーがあります。週何回か来てくれて、会員さん達の話し相手や入会、会費納入、署名活動など、いろいろなことをしてくれています。ボランテアの精神がなければできない面でもありますし、自分たちの病気を理解してもらう活動としても、非常にがんばっています。こういう方々がいてくれるから、病気と共に生きることがしのぎやすくなる。そう言った面を最大限に活用しあって、医療や福祉はさらに良くなっていく、そう私は信じています。

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雪の結晶

2007年01月28日 | その他
今日は、スキーにテイネオリンピアに行ってきました。子供たちといってきたのですが、娘とリフトに乗ってるとき、娘がなんだか雪の結晶見たいのが見えるんだけど何だろうって、見ると雪の結晶、あれー、結晶ってこんなに大きかったっけとしばらく見たことがないかのように感動していました。

山だからだねえって言っていたら、家に帰ってきて、あ、こっちも雪の結晶だよって娘が、今思うと、自分も子供の頃そうやって見てたなあと思い出されます。大人になって雪は細かい雪のかたまりで、結晶なんて崩れてると思い込んでいたなあって。

忘れてたことが一つ思い出せました。
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署名運動 肝癌検診 前に進むには

2007年01月28日 | 患者会
昨日の血流動態研究会で、よく相談したりお世話になってる先生方に、署名運動どうですかと聞いてみたところ、大きな病院の先生はあまり知らないようで、これ知らなかった、協力できるならと何枚か持って行ってくれた先生もいました。
マスコミでもあまり、取り上げられていない感じでしょうかね。何かいい手があるといいなと思いました。

自治医科大学の肝臓の先生がもっていってくれました。

あと、肝癌検診を復活したいと話してみたら、協力しますヨーって言ってくれた先生方もいました。なんとか形をつくりたい。
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第13回 肝血流動態イメージ研究会 in横浜

2007年01月27日 | 学会 研究会報告
今日は、パシフィコ横浜で肝血流動態イメージ研究会というのがあります。肝臓の腫瘍の画像検査の特色ある所見や珍しい診断などいろんな勉強ができる研究会で、全国各地から集まってきます。
いろんな先生に会う機会でもあり、いろんなことを勉強してきます。

血管腫の珍しいタイプ、結節性過形成など日常は早々目にしないデータを見て来れました。肝癌と区別しきれず手術となったりもすることがあるので、できるだけ、診断が確実につくようみんな頑張ってるというのがよくわかりました。また一つ賢くなったかなと。
それにしても1000人入る会場で立ち見も出ていてすごい研究会だなとつくづく思いました。
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C型肝炎のインターフェロン療法に関する治験

2007年01月27日 | 学会 研究会報告
現在いろんな病院で、たくさんの薬の候補を用いて治験がされています。
私の所属する稲積記念病院では、C型肝炎に対する治験、販売後の治験に準じる臨床試験が行われています。
治験は薬の候補となるものの有効性や安全性の確認のための試験で、当院で行っているのは人に対しての安全性が確認された後のたくさんの人たちでの有効性安全性確認のための試験(第三相試験という時期の治験)、販売後の試験は、普通の薬として投与されている薬をつかって、販売後に治験の際には症例数が少なかったり実際に現場でつかってみての効果や副作用のさらなる確認をしていくものです。

肝硬変の方のインターフェロン療法も現在治験中です。肝硬変であれば誰でも参加できるというものではないので、希望される方は是非治験実施医療機関に相談されることを勧めます。当院ではペガシスとコペガスの肝硬変への効果を確認するための治験を行っています。

市販後の試験としては、慢性肝炎(C型)でgenotype1bで高ウイルス量以外の患者さんへのペガシス単独投与が行われているのと、肝硬変の方のフェロンというインターフェロンの試験が予定されています。

通院に伴う費用などの協力費がえられるので、普通に治療を受けるより費用負担は軽減されます。採血検査もそれほど増えるものではありませんが、薬の血中濃度などの測定のある場合は、入院が必要であったりするので、説明を受けて納得したうえでの参加が義務づけられています。患者さん本人が試験を受けなかったからと言って不利益を受けることはありませんので、話だけでも聞いてみたいかたは、主治医に相談の上受診してみてはいかがでしょうか。

治験のQ&Aがあちこちでのっています。
ペガシスの中外製薬の治験の説明ページはこちら
グラクソの治験の説明はこちらも参考までに
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リバビリン コペガス 承認 2007.1.26

2007年01月27日 | 学会 研究会報告
昨日、ペガシスと言う週一回のインターフェロンに併用できるリバビリンである、コペガスが承認されました。いままでリバビリンはレベトールしか無く、併用もイントロンやペグイントロンという週一回タイプのインターフェロンだけが併用療法が可能でしたが、これからはペガシスも併用療法が可能です。

当院も治験に参加していました。
治験のデータでは、過去にインターフェロンをしていて効果がなかった人たちにも従来よりも効果があったというデータがあり、期待が持てそうです。しかし、実際に何回どういったインターフェロンにして効果があるかは、個人差もあるためやってみないとわからないと言うこともあります。

海外では、ペグイントロンよりペガシスの方がシェアは大きいそうです。

当院の経験では、副作用はペグイントロンレベトールより軽い印象がありました。北海道の患者さんには向いているのかもしれないなあと思っています。

ペグイントロンとレベトール併用でウイルス消失がえられなかった人たちには次のインターフェロン療法として頑張ってみましょうと話しています。いままでウイルスが消失できなかった人たちでも新しい治療で少しずつでもウイルスがいなくなる人たちがでてくるので、すべての人のウイルスが消えてくれる時代が来てほしい。

肝臓学会に発表された中味はこちら
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由仁の医療講演

2007年01月26日 | 患者会
延期になるかもしれません。決定となったら、再度掲示しますので、ご了承ください。
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北見 遠軽 医療講演、予定になりましたー

2007年01月25日 | 医療講演
3月10日北見、3月11日遠軽で、医療講演が予定となりました。北見はいつもの会場ですとのことです。詳細が決まりましたらのせますので、参加希望の方は是非来てください。(2月18日由仁が未定になりました)

もし、自分の地区で、話を聞いてみたいという方がいましたら、予定をつくって回りたいと思っています。要望があれば、コメントにでも書き込んでいただければ、個人情報ののっているものは公開しませんので、よろしくお願いいたします。2ヶ月くらい準備期間が必要ですが、予定がつく限り必ず行きたいと思います。

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