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肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝炎友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。

16 タバコと肝臓

2007年07月22日 | 肝臓病スライド
タバコというと体に悪いのは知ってるんだけどという方がたくさんいます。
でも、吸ってしまう、吸いたくなってしまう。
肝臓に対してタバコは何が悪いのか、発癌物質のせいで、肝癌ができやすくなる、毒物がたくさん混じっているので肝臓の無毒化の力を借りることになって肝臓に負担がかかる。ってな感じで、悪い話をしていけばきりがないのです。

食後の一服は、肝臓にいく門脈の血流を減らしてしまい、肝臓が本来果たすべき役割を果たしづらくすることも知られています。

しかし、体に悪いと言うことを国が知っていて、タバコをたくさん売ってきた事実は、国民の健康を犠牲にして国の収入として考えてきたことといっても過言ではないので、そのために医療費が上がっていると言うことを無視して医療費を削減していく。なんとも、本末転倒です。

タバコを吸うという行為は依存症の一つで、自分の力だけで辞めると言うことはとても難しい。できる人はいますが、普通はそうそう簡単に辞められない。
少なくても、子供たちがタバコを吸いたくなくなるように教育だけはしていって欲しい。
吸い始めたら、国が責任を持って対応して欲しい、そう思う今日この頃です。
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15-2 アルコールとのつき合い方

2007年04月30日 | 肝臓病スライド
上手なつき合い方と書くと いろいろなつき合い方があるかもしれませんが、肝臓病がない方についてのことで、肝臓病がある人はもっと量が減ったほうがいいと言うこと、医師によって考え方は色々です。

私は、
ビールであれば大ビン2本までか
日本酒なら2合までか
ウイスキーならダブルで2杯まで のひと種類というのをよく使っています。
飲み始めるとこの量で済みませんというかたは、非常に危ない素質を持っていますので
アルコールから遠ざかることが必要です。

そして、休肝日(アルコールをとらない日)が次の日だからと前日にその日の分を飲む方がいたりするので気をつけてください。必ず一日の量だと、貸し借りはなしと思って気をつけてください。

これからも誘惑が多い季節、気をつけてくださいねえ。
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15 アルコールを飲みたい人は

2007年04月29日 | 肝臓病スライド
肝臓病と言うとアルコールだろうと思われる方が多いので、ウイルス性肝炎の方は非常に肩身の狭い思いをすることが多いです。肝癌の原因のほとんど9割以上はウイルス性であり、肝癌の方にアルコールのせいだと言うのは、ほとんど間違いなので気をつけてください。

そうはいっても、アルコールが肝臓に良くないというのは、国際的には常識となっているところです。どうしても飲みたいときに守っていただきたいことがあるので、日常生活の注意点として覚えていただければと思います。

まず一つは、眠れないときに飲むことはしないこと
これは、よく寝れないからアルコールを使うというかたが多いので、大変注意が必要です。アルコールは最初の寝付くところは良くなってきますので、よく眠れるとおもうひとが多いのですが、アルコールで眠るようになると、途中で目が覚めるようになります。決して自然の眠りではありません。だんだんと量が増える原因にもなりますので、安定剤や睡眠剤の方が体に良いという場合がほとんどですので、気をつけてください。

もう一つは、2日以上は続けて飲まない日を作ると言うこと
肝臓は48時間アルコールが無い状態が作れると、回復が非常に良くなると言われています。もちろん、多量に飲んでしまっては一気に肝臓が壊れることがあり、2日で足りないことがあることは想像できると思います。逆に量が少なければ問題がありませんが、習慣として2日以上の休肝日をつくることはからだにいい習慣と言えるでしょう。
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14 肝癌の経皮的治療 難しい部位 横隔膜そばなど

2007年03月25日 | 肝臓病スライド
肝臓は、横隔膜や腸管などいろいろな臓器と隣り合わせになっている臓器でもあります。肝癌の治療をするときこういった隣にある臓器に影響を及ぼすことが予想される場合それを最小限にする工夫がされます。
腹腔鏡で空間を作りながら、胆嚢のそばや、肝表面の腹膜横隔膜が熱での影響を受けないようにラジオ波やマイクロ波治療をしたりするものそう言った工夫の一つです。

またその工夫の一つとして、横隔膜の近くの肝癌の治療では、腹水や胸水の注入後の経皮的治療がおこなわれたりしています。腹水胸水を用いないでもできる工夫として、今回のスライドのようにCTアシスト(CTで針先を確認する)での経皮的治療があります。エコーで見づらいときなどに、腫瘍と針位置のずれを最小限にして、副作用を最小限にする工夫です。横隔膜や心臓に近い肝癌については、針の位置がずれると肺や心臓に損傷を与えることがあるため、エコー見づらい腫瘍については、エコーで安全に針を差し込める部分を確認しつつ(腫瘍が見えなくても横隔膜や心臓などはしっかりと見えるのでこういうことができます)、CTで腫瘍との位置関係を把握しています。

このCTアシスト下の治療は、CT室を占有するため、病院内の協力によるところが大きいです。そして、工夫で必ず治療が完了するといいきれない場合もあります。

最後に、こういった工夫をしていく際には、経験豊かな医師が担当する必要性があることは言うまでもありません。
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13肝癌の治療だけなら 経皮的または腹腔鏡的治療

2007年03月18日 | 肝臓病スライド
内科的治療で、経皮的治療や腹腔鏡的な治療をするために必要とする日数は、一回で治療が済む場合は3日ほどの入院で終了することがあります。十分な治療をするために肝癌の回りにガンが含まれていない部分を作ることが治癒として必要なため、2回以上の治療を行うことがあり、エタノールでは、その回数が3~5回となることがあります。腹腔鏡で行う治療も1回で終了となる場合は早ければ30分いないに終了となります。

どうしてもという患者さんは、翌日帰ったりもしますが、これは、お勧めではありません。副作用が後から出ることもあり、3日間くらいは入院していた方が、より術後の体調も整うと思われます。
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12 C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎に対してのインターフェロン療法

2007年03月04日 | 肝臓病スライド
C型肝炎治療ガイドラインをスライドにしたものです、はじめてインターフェロン治療をする際には、このガイドラインを参考に治療を検討します。インターフェロンの効きにくいとされる、ジェノタイプ1でウイルス量が多い方にはペグイントロンとレベトールの併用療法の48週間が望ましいとされていますが、リバビリンが使えない場合にはインターフェロン単独での2年間投与や比較的ウイルス量が少ない場合は、ペグインターフェロンのペガシスの単独投与48週間という選択肢もあります。期間は一応の目安です。現在、血中のウイルス消失が3ヶ月以上かかった場合は72週間と延長する場合があります。

インターフェロン療法が効きやすいとされる100k未満のウイルス量の方の場合は、半年から1年以内の投与法が検討されます。まだ、初めてのインターフェロン投与において、ジェノタイプ2でウイルス量のすくない人へのリバビリン併用がガイドラインにのってこないのは、単独療法と差がないからということですが、選択枝としては個人的にはあっていいと思います。

どちらにしてもコペガスが併用療法に入ってきた時点で再度、ガイドラインが修正となることは間違いないので、その際には再度スライドを変更したいと思います。
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11 インターフェロン療法 genotype1b 高ウイルス量に対して

2007年03月01日 | 肝臓病スライド
このスライドは、インターフェロン療法が効きづらいと言われる、genotype1bのウイルスが多いタイプでの、インターフェロンの種類や治療法別のウイルスの消失率です。左から右へ、SVR率という、ウイルスが消えている人の割合が増えていきます。これは、インターフェロン療法の進歩を表していると言えます。

しかし、逆にまだ50%弱の人には、ウイルスが残るということが言えます。投与期間も6ヶ月から1年になり、患者さんの副作用も長期になるなど、簡単な治療とは言えない状況があります。辛い時期をいかに乗り切るか、いろんな人の経験を聞きながら頑張ることも一つの作戦でもあります。そういう意味では患者同士の体験談は非常に支えとなるものです。いくら医師が、聞いたことで説明したとしても、本当に辛かった人の体験談は伝わるものだなあと思います。
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10 高齢者のインターフェロン療法

2007年02月18日 | 肝臓病スライド
高齢者のインターフェロン療法については、合併症がないことなどを前提に勧めるかどうかが議論されています。治験ではすでに75歳まで参加が可能となってきているなど、10年前には考えられなかった年代への治療が検討されるようになってきました。

私の経験では、スライドにしている患者さんが一番高齢でした。84歳の女性の方で、年齢や合併症があることからインターフェロンはできるだけしないで様子を見ましょうと話していた方でした。
しかし、ASTやALTが高いことから、このまま経過をすれば肝硬変症や肝癌となる可能性があり、心配で仕方がないと不安をいつも訴えていました。この当時、週一回投与のペグインターフェロンであるペガシスが70代の方で少量であれば副作用が少なかったことを経験していたため、副作用が少しでも出たら中止をすることと合併症の危険性を何回も説明したのち、本人がどうしてもチャレンジしてみたいとのことで、量を半分として投与間隔を2週に一回と4分の一の量から開始しました。

ウイルス量も少なく、インターフェロンの効果は十分期待できる方でもあったため、毎回診察をしつつ、慎重に経過を見ていました。
結果、2週目でウイルス量が5k未満となり4週目で陰性化していました。8週目の4回目の投与後、他の病気で入院をすることになり、無理をしないで、経過を見ましょうと中止しました。

ところが、その後もずっとウイルスが陰性化し、著効となったのでした。

インターフェロンが少量でしかも短期間で効果がある場合があることは、知られていますが、事前に予測ができないことが今はとても残念です。でも、この方のように幸運なパターンの方がいるということは、IFNをする人にとってとても心強いと思いました。

高齢者のインターフェロン療法については、適応とすべきかどうか一般的なガイドラインはありません。個々の患者さんに応じて検討していくしかないと思われます。

スライドは本人の了承を得て、患者さんの励みになればと公開を快諾してくれました。
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09 腹腔鏡検査(ラパロ) 肝臓のカメラ

2007年02月17日 | 肝臓病スライド
腹腔鏡検査(ラパロ)―肝臓のカメラー

腹腔鏡検査とは、肝臓の病気の診断をする肝臓のカメラという存在です。胃カメラのように先端から光を出して、暗がりを見る仕組みをつかっています。胃カメラのようにふにゃふにゃするものではなく、硬い筒状のカメラです。ちょっと斜めを見るようになっているので、使い慣れるには時間がかかりますが、当院では肝表面のガンの治療にも使えるほど汎用性のある検査法です。

肝臓の状態をしっかり診断するにはいまだに必要とされる検査で、肝臓病の進行が早いか遅いか、今後どうなっていくことが予想されるかなど、得られる情報は血液検査の比ではありません。また、肝硬変か慢性肝炎かをしっかり診断するためにも必要な場合があります。血液検査では、肝硬変だと思っていた患者さんが慢性肝炎ということもあります。このように患者さんの診断を覆すこともある重要な検査です。

手術室に準じた部屋が必要となること、医師二人で行うことが望ましいため、現在はできる施設が限られてきているのが現状です。当院はそのための設備があるため必要時に行うことができる恵まれた環境にあります。

どのように、行っているかですが。
1.まず、手術台に体をのせて、台が動いても、落ちないように固定します。
2.お腹の部分を消毒して、綺麗な布をかぶせます。
3.局所麻酔を空気(炭酸ガス)を入れる部分に行い、腹腔鏡が入るように1cmくらいお腹を切ります。
4.気腹といってお腹に空気を3リットルくらい入れて肝臓の回りに隙間を作ります。
5.空気がお腹にたまったら、筒状の器具を用いてカメラが通るトンネルを作ります。
6.カメラを筒の中に挿入して、観察、肝生検を行います。
7.肝生検の部分の止血状態を確認して空気を抜いてきます。
8.気腹の部分を糸で縫って、終了です。

局所麻酔からカメラを抜くまでは20分くらいで終了します。
お腹に空気が入るとき苦しいですが、女性の型は出産の経験があるとそんなに辛くないという方もいらっしゃいます。苦痛の大きさは個人差の多い検査とも言えます。

合併症については、胃カメラや大腸カメラよりも少なく、辛い検査の割には安全な検査と言えます。もちろん、合併症がないように最善を尽くしていることは言うまでもありません。
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02 肝癌検診で見つかった肝癌の方の治療内容

2007年02月12日 | 肝臓病スライド
このスライドは、肝癌検診20年間で見つかった肝臓ガンの患者さんの治療の内容です。
最初の頃の10年間が左で、後半の10年間が右です。前半は、外科手術やIVRといって血管造影による治療が多く、後半は、内科的治療とされる、アルコール注入療法で(PEIT)やマイクロ波凝固術(PMCT)、2000年に入ってからはラジオ波焼灼術(PRFA)が主体となっていいています。逆に外科手術の比率が少なくなっているのが分かると思います。

これは、エコーの機械の進歩やエコー検査を見る医師や技師の上達も関係あると思われます。もちろん、見つかるガンの大きさが小さくなってきていることや、内科的治療の成績が良くなってきたことも要因でしょう。

赤いところは、肝癌に対しての治療は特にしていない患者さんです。肝臓の機能を守る治療を主体としていたり、本人の希望で治療をしなかった人が含まれています。この部分は、昔も今もあまりかわっていませんでした。
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08 インターフェロン療法の変遷 C型肝炎ウイルス

2007年02月11日 | 肝臓病スライド
C型肝炎ウイルスに対してのインターフェロン療法は、私が医学部の学生だった頃治験がされていたのでしょうね。卒業してすぐ、保険適応になり、抗ガン剤として認識されていたインターフェロンが肝炎の治療に使われると、びっくりしたものでした。インターフェロン自体は、体で作られる物質の一つであり、インフルエンザなどのウイルスにかかったとき体がたくさん作り発熱などを起こしてウイルスを排除するものなんですよね。それが、C型肝炎ウイルスはうまい具合に体にインターフェロンを作らせずに住み着くことができる。だから、体の外からインターフェロンを投与して、C型肝炎ウイルスを排除するって考え方でできた治療法なんです。

1992年2月 インターフェロン療法の6ヶ月投与が始まりました、これは筋肉注射です。静脈注射のタイプは6週から8週という投与期間でした。全国的には一生のうちで1度だけのものというしばりで行われていたため、複数回の治療は原則認められないというものでした。自治体によっては、複数回の治療ができたこともあり、可能な限りウイルスを排除することが努力されました。
静脈注射タイプの場合は、一日2回に分けた方が効果があるなど、今から思えば苦しい戦いでしたが、みんながどうやるといいかと頑張っていました。
このころは、まだウイルスのタイプなどが分かっていなかったので、IFNが効きやすい人たちを集めた場合と、効きにくい人を集めた場合で効果が全然違ったものでした。その後ウイルスの型や量によって効果が違うことが分かるようになりました。

2001年12月には、やっと、リバビリンの併用療法(イントロンとレベトール)が保険適応となり、それまで、高ウイルス量の場合には1割に満たなかった効果が、3割弱になりました。しかし、その分副作用は強くなっていたと言えます。

2002年2月 インターフェロンの単独療法の6ヶ月縛りがなくなりました。これにより、長期間インターフェロン療法を行うことが可能となりました。ネオファーゲンのように、炎症を抑えることを目的にしたり、発癌を抑制することを目的としてインターフェロンを投与する可能性がでてきたことは、画期的なことでした。

2003年12月 週一回投与のペガシスが承認、48週投与が基本となりました。この間週3回投与だったインターフェロンが週一回で済むようになったと喜ばれました。しかし、血小板減少が予想以上にでることがあり、採血によるチェックが義務づけられました。これが、足かせになっている場合もありますが、副作用も週3回のときよりは少ない感じで、少量長期投与向きと言えるインターフェロンの出現でした。

2004年12月 レベトールのあいかたのイントロンのペグ化をしたペグイントロンが承認。半年投与だった併用療法が48週投与が基本となり、ウイルス除去率もはじめて治療を受けるセロタイプ1の人では、5割前後となりました。

2005年4月 インターフェロンの自己注射が承認されました。これにより、通院困難な方へのインターフェロン療法のチャンスが増えました。しかし、自己注射はなれるまでは、患者さんにとっては辛いものです。

2006年4月 ウイルスが消える可能性の高い一部の肝硬変の人に、フェロンというインターフェロンが適応になりました。

このように時代と共に進歩してきています。肝硬変へのインターフェロンの併用療法も治験が進んでいます。肝癌を作らないでいけるようみんなが頑張っているのが、わかります。しかし、世界はもっと先に行っている、日本は負けられないんですよね、ほんとは。
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07 インターフェロンを施行するかどうか?

2007年02月10日 | 肝臓病スライド
インターフェロンをする際には、長期間の通院が必要であり、また、副作用に留意しながら生活することや、仕事、年齢、経済的な問題、肝臓の病気の度合い、病気に対する知識など、いろんな情報を知った上で、選択することが必要です。

インターフェロンをすることは、ウイルスを消失させたり、肝炎を沈静化させたり、肝癌の発生を抑えたりと、効果は確認されていますが、人生においてした方がいいかどうか、結果として、副作用や長期にわたる治療により、人生が暗いものになることもあり得ます。そうならないように、臨床医は細心の注意を払って治療をしていますが、経験によるさじ加減も医師によりさまざまなのもこの治療の特徴です。基本的な治療としての薬の使用量は決まっていますが、副作用に対して、どのように対応するか、副作用が少なく順調に経過している場合は、心配ないことが多いですが、辛い場合には専門医に相談しつつ、治療を行うことが有効な場合があります。

インターフェロンの経験の豊かな先生と連携を取りながら、近くの先生とインターフェロン療法を継続できる環境がどこでもとれるようになるといいのになあと、思いながら、インターフェロン療法を勧めている医師のひとりです。

インターフェロン療法が、もっともっと副作用無く、有効な治療法になってくれればいい。人生を豊かにするような治療となってほしい。そう願いながらいつも治療しています。

今日はペガシスやコペガスの東京での学習会に参加してきますので、情報を提供できればと思います。
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06 B型肝炎の抗ウイルス薬の開始のタイミング

2007年02月06日 | 肝臓病スライド
B型肝炎ウイルスの治療には、現在抗ウイルス薬が大変効果的です。日本では、最初ゼフィックスという薬が開始されて、その後ヘプセラ、そして、最近使えるようになったバラクルードという3種類の薬があります。

最初ゼフィックスしかないときは、B型肝炎によってなった肝硬変や肝癌の人には使えないというなんとも保険適応の悲しい現実がありましたが現在は使えるようになっています。
そして、今回でた、バラクルードは、効果も早く、効きが悪くなる耐性ウイルスの出現も少ないとさらにいい薬として出てきました。難点は、この間ゼフックスやヘプセラを飲んでいる人たちで、耐性ウイルスが出現している人にはバラクルードの耐性ウイルスが出やすいことが言われているため、新規に処方する際にはバラクルード、これまでゼフィックスやヘプセラを飲んでいる人は今までのものを続けることになっています。

しかし、ゼフィックスを飲み始めて3年以内であれば、耐性ウイルスがでている人が少ないのでバラクルードに切り替えるのは可能だという先生もいます。この辺の切り替えの時期を巡っては、まだ、議論が残っていると言えます。
半年から1年以内であればまず大丈夫と私は思っていますが、耐性ウイルスをチェックする採血項目がまだ保険適応となっていないため。確かめて処方できないのが問題と言えます。

これからも、どんどん、新しい展開がありそうで、よりよい治療ができることを期待しています。
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05アルコール性肝障害

2007年01月29日 | 肝臓病スライド
アルコール性肝障害は、そのまま、アルコールの飲み過ぎでなる病気。しかし、日本人は、欧米とくらべて、飲む量は少ないのになるんです。アメリカではウイスキーボトル1本なんて、へでも無い人がたくさんいるのに、日本人は4人に一人は飲めない体質なんです。日本酒3合10年でなると言ってたりもしました。

アルコール性肝障害で、問題となるのは依存症となる場合、社会的にも問題となっている場合が多く、まじめな人ほどなりやすいと言われたりもします。アルコール依存症は、アル中といわれたりもしていましたが、中毒というより依存があるという意味で慢性的な病気です。自分の意思でお酒がやめられるとか、仕事ができるからということで依存症でないという診断にはならず、体をこわす状態であるのに、休むことができないということで診断がされます。専門医にかかり、少しでもあるコールから遠ざかる生活を心がけなければ、命に関わることが多い病気です。

眠れないからと、アルコールを飲むことはアルコール依存症への第一歩となることも多いため、寝る前の寝酒はやめるべきで、どうしても眠れないときは、睡眠剤を飲む方が体にはいいとも言えるのです。
アルコールを用いて寝るクセをつけていくと、最初は眠れるようでも夜中に目が覚めるようになってきます。この症状がある時は、アルコールの量を増やすことでさらに途中で目が覚めるようになり、眠れなくなっていきますので、きちんと受診して睡眠薬をもらうことをお勧めします。

たばこと同様、アルコールも体に害のある食品として認識されてきています。

写真は、アルコール性肝硬変の患者さんの腹腔鏡写真です。肝臓がでこぼこが強くなり、壊れては治りを繰り返している肝臓です。肝表面に白く見える線状の変化は線維化といって肝臓が硬くなる変化を起こしている部分です。
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04NASH

2007年01月29日 | 肝臓病スライド
最近、脂肪肝といってたものの中に、進行性の肝炎があることがわかってきました。1980年のアメリカの病理学者が命名した報告をよく引用しています。アルコールを飲まなくてもこのような肝炎が起こると言うことは原因などの病態ははっきりとしていませんが、生活改善により良くなることが報告されるなど、生活習慣病としての側面が強調されています。

非アルコール性脂肪肝炎と日本語では訳しています。メタボリックシンドロームとからめて、色々と治療法を検討してきているのが現状ですが、基本的には、糖尿病の方の運動や食事療法、薬物療法が参考になっている側面が強いです。
日本でも患者が数が増えてきていて、学会などでも取り上げられ、最近はガイドラインが作られるなど対策が強化されてきてます。
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