家に向かって田んぼ道を歩く。オレンジ色に光る飛行機雲。どこからか聞こえる鐘の音。逢魔が時に当たってしまった。ランニング中の中学生とすれ違う。「こんにちわ」と挨拶された。少し照れる。あんな頃も有ったのだろうか。
私は生粋のモンゴロイドである。突然変異した「酒に弱い」という遺伝子を引き継いでいる。ボジョレー・ヌーボーなど妖怪の名前だと思っていた。でも、甘いデザートワインは少し飲む。詳しい訳ではないが、これは一口飲んで感激した。
『すかいらーく』でアルバイトをしていた時の事である。ある社員が「単三(電池)買ってきて」とアルバイトの女性に頼んだそうだ。暫くして「買ってきましたぁ」との声が。見ると、手には炭酸水が数本。転げ回りながら大笑いしたとか・・・。という話を休憩中にしたら、目の前の女性がその人であった。
先日、森町へ行った時に買ってきた『梅衣(うめごろも)』。梅の蜜に漬けた紫蘇の葉を、こし餡の餅に巻いたお菓子である。梅酸っぱい蜜、紫蘇の風味。素朴な餡。ハーモニーが絶妙だ。う~ん・・・・。お菓子って、甘いだけでは美味しくないんですね。
この家は、ちょっとした高台にある。晴れた日は景色が良い。遠くに浜名湖が煌めいて見える。でも、荒れた日は家が揺れる。風の音も凄い。見晴らしと風当たり。上に建つとは難しいものであるらしい。
旅の必需品、それは愛用の「耳掻き」である。風呂から上がった時、耳の中が痒くなったら・・・。寝ている時、耳の中が痒くなって目を覚ましたら・・・。そこに「耳掻き」が無ければ、悶え苦しんでしまう。まさしく至高の一品である。自らの痒い所を自らの手で掻ける、これに勝る安らぎは無い。
今日は少し冷たい。こんな日は温泉に入りたくなる。それも露天風呂。雄大な景色を眺めながら、ひっそりと浸かる。顔は寒いが、体は暖かい。甘露、甘露・・・。温泉だけで幸せになるとは、貧乏?も少しは良いものかもしれない。
いよいよ秋である。これから徐々に寒さが増していく。このような移り変わりの季節は、心が落ち着かない。春に比べて秋は寂しい。この寂しさを埋めてくれるものは無いのだろうか・・・有った。食欲である。秋の味覚、それは、夏の神様が残してくれた「思いやり」なのかもしれない。
街を歩くと、木犀の香りが漂う。そういえば『モクセイの花』(デューク・エイセス)という懐かしのCMソングがある。人と人との触れ合いが歌われていて、とっても郷愁を誘う(歌詞バージョンは幾つか有るらしい)。「チヨちゃん」という女性も登場する。初恋の甘酸っぱい思い出は、大切なものなのだ。
深川で『深川めし』(炊き込みご飯に、アサリを混ぜ込んだもの)を食べた。出しが効いていて美味しいのだか、薄味で物足りない。ご飯を引き立てる、おかずが欲しい。貝のご飯なのに、合わせが足りない。 ※写真は、清澄庭園