だんだんウネリが大きくなってきて
水平線からやってくるセットの波は
まるで山のように見える。
すると心の中のもう一人の自分が囁き始める…。
「最近、サーフィンしてなかったな」
「昨晩はちょっと飲み過ぎて、それも寝不足だ」
「ボードが短すぎたかも」
「絶対に一番いい波を乗ってやる」
「最初の波はパーリング、今日は調子が悪いぞ」
このコラムでは何度となく「インナーサーフィン」という
心の持ち方による「自然上達方」を提案してきました。
まるで幼児が無邪気に楽しみながら「歩き方」を習得するように
純粋にサーフィンを楽しむことこそが、
最も早く上達する方法だと信じています。
そして純粋に楽しもうとする自分(セルフ1)を邪魔するのが、
上記のような心の囁き(セルフ2)なのです。
初心者、中級者、上級者に関わらず
セルフ2はさまざまなタイプがあるようです。
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タイプ1=先生
いつも「ヒザはうするべきだ!」「今ターンしろ!」と
自分に対してなにかを指導しようとする。
セルフ1の実力を否定して、つねにイニシャティブを取ろうとする。
タイプ2=生徒
自分はヘタクソで何もできないと思っているタイプ。
上達するためには上級者からのアドバイスが不可欠だと信じている。
ワイプアウトすると反省して、なかなか沖までパドルしてこない。
タイプ3=見栄っ張り
いつも誰かに自分のサーフィンを見てもらいたいタイプ。
常に自分の実力より「上手い」と評価されることを望んでいる。
ライディング中は波より自分を見ている人を捜している。
タイプ4=競争者
必ず自分と誰かを比較したがるタイプ。
「俺の方がいい波に乗った」
「俺の方がサーフィン歴が長い」
などと人と自分を比べている。
タイプ5=臆病
パドルアウトできなかったり
ワイプアウトすることを極端に恐れている。
挑戦する前に「ダメ、もう無理」と諦めてしまう。
タイプ6=無謀
常にスリルを追い求めるタイプ。
「もっと大きい波」「もっと奥のポジション」
と自分を追いつめていくことに快感を抱く。
タイプ7=完璧
心に描く「理想のサーフィン」が高いタイプ。
どんなに上手くターンができても
「そんなことはない」と、どこか欠点を探している。
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さて、アナタのセルフ2は、どのタイプですか?
誰もが持っている「自然上達」する力をフルに発揮するには
それを邪魔するセルフ2の存在を認識するのも大切なことなのです。
***Behind the Story***
ちなみに僕のセルフ2は、
間違いなくタイプ6=無謀でしょう。
こんな写真を見るだけで、ゾクゾクしてしまいます。
「ワイメアの大波を前にアドレナリンが耳からボタボタと垂れた」
という伝説のビッグウェーバー、グレッグ・ノールの言葉が大好き!
水平線が見えなくなるセットも好き、ボトムにある岩も好き!
と、かなり強烈なタイプ6です。
だからサーフィンが上手くならないのかも…。