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報道の自由度2015フリーダムハウス

2015-05-08 12:52:19 | 評論
世界の“報道の自由”、この10年で最悪に転落
日本は41位 “Freedom of the Press 2015”



 国際的な人権団体、“Freedom House”は、世界の“報道の自由”について独自に調査した報告書、“Freedom of the Press 2015”を公表した。
報告書によると、世界の“報道の自由”は2014年、急激に悪化し、この10年で最悪になり、世界各国のジャーナリストは、生命の危険にさらされるなど、深刻な危機に直面しているとしている。
 また、報道の自由が確保されている世界の人々はわずか14%に(人口比率)過ぎない。この地域だけが政治ニュースが自由に報道され、ジャーナリスの安全が確保され、政府のメディアへの介入や法的な規制、経済的な圧力がほとんどないとしている。
 2014年、世界の“報道の自由”のスコアは、この10年で最も急激に下落した。199ヵ国の国と地域の内、63ヵ国(32%)が“自由”、71ヵ国(36%)が“部分的に自由”、65ヵ国(32%)が“自由ではない”という結果が出た。
 “報道の自由”がこの5年間で顕著に悪化した国と地域は、タイ、エクアドル、トルコ、香港、ホンジュラス、ハンガリーであるとしている。
 最悪に転落した原因として、「政府のメディア規制の増大」、「ジャーナリストへのテロ攻撃や取材拒否エリアの増加」、「メディアの経営者への圧力」、「プロパガンダの氾濫」などを上げている。
 2015年の“報道の自由”のランクのベスト10は、第一位がノルウェイ、スエーデン、以下ベルギー、フィンランド、オランダ、デンマーク、ルクセンブルグ、アンドラ、スイス、リヒテンシュタインで、ワースト10は、最悪が北朝鮮、以下ウズベキスタン、トルクメニスタン、エリトリア、クリミア、ベラルーシ、キューバ、シリア、イラン、赤道ギニア。
 ちなみにドイツは22位、米国は31位、英国は38位、中国は186位、そして日本は41位(昨年は42位)だった。


■ フリーダムハウス(Freedom House)
フリーダムハウスは“報道の自由”を1980年から監視している組織である。報道の自由は民主主義の維持を通して、政治や経済の健全な発展に重要な役割を果たしている。最も重要なポイントは、メディアへの規制は世界の民主主義国家への侵略につながる懸念があることだ。
(“Freedom House”ホームページ)

■ Rank 2015

(Best 10)
1 Norway
  Sweden
3 Belgium
  Finland
  Netherlands
6 Denmark
  Luxembourg
8 Andorra
  Switzerland
10 Liechtenstein

(注目国・地域)
22 Canada
 Germany
  Portugal
26 New Zealand
31 Australia
Austria
USA
35 France
38 Slovakia
 UK
  Uruguay
41 Cyprus
 Dominica
 Japan
 Slovenia
 Lithunia
 Vanuatu
48 Taiwan
52 Spain
64 Italy
67 South Korea
80 India
83 Hong Kong
97 Indonesia

(Worst)
186 China
  Vietnam
188 Azerbaijan
  Bahrain

190 Equatorial Guinea
   Iran
   Syria
193 Cuba
194 Belarus
195 Crimea
   Eritrea
197 Turkmenistan
   Uzbekistan
199 North Korea


Freedom of the Press


■ 参考
報道の自由「世界で悪化」 日本、二つ下げ61位 国際NGO

 国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は12日、「報道の自由度ランキング」を発表し、世界中で状況が悪化していると強調した。対テロの名のもとに進む盗聴などにも警鐘を鳴らした。上位はフィンランド、ノルウェー、デンマークの順。下位は北朝鮮(179位)、シリア(177位)、中国(176位)など。
 過激派組織「イスラム国」をめぐっては、米国人ジャーナリストの殺害などを例に挙げ、「敵とみなした記者らを容赦なく排除する」と批判した。一方で、対テロの名のもとにフランスが個人の監視手続きを簡単にしたり、英国が記者らの個人情報を収集したりしたことにも懸念を示した。
 日本は二つ順位を下げて61位。昨年12月に施行された「特定秘密保護法」をとりあげ、「『不当に』情報を得た記者らも懲役刑の対象となった」と指摘した。
(出典 朝日新聞 2015年2月13日)


2015年5月8日
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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
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