IMONI ART PROJECT ~アートセラピーによる震災ケア in 福島~

小野町に避難された広野町のみなさんとのアートセラピーによる交流の様子をお伝えしていきます。

本当に本当に八幡屋さんでの最後の朝

2011-08-10 20:47:43 | 被災地アートセラピー支援
※「いもにあーとプロジェクト」の趣意書はコチラをご覧ください。 趣意書
※発足までの現場での様子はコチラをご覧ください。さぶの被災地からのアートセラピーレポート

この活動は、日本財団の助成及び皆様のご寄付で運営されています。


*****************************************
いよいよ最後の朝。ラジオ体操と散歩が始まります。


・・と、この朝を迎える前。
真夜中。
福島県震源地で、震度5強を記録した
地震がありました。

もちろん、私たちのところも揺れて・・
地響きのような、地鳴りのような音と
ぐらぐらぐら・と揺れ、警報が鳴り響き。

その朝のことでした。

いつもの場所へ着いて準備をしてると、
昨日お会いした皆さん、そして今日はじめてお会いする皆さん
(私にとって)が集まってきます。

やはり一言目は・・
「地震大丈夫だった?」
「怖かったねえ。」
「あたしは怖くて、すぐに廊下にでちゃったわよ。
そしたら誰も、出てないの(笑)」

きっと、
私が感じる怖さと、
また違う、怖さ。

余震も多かったこの何ヶ月ですから、
もしかしたら、すこし
慣れた部分があって、
昨夜の地震はそんなに驚いていないのでは・・
なんて、頭のどこかで考えていたんです。

でも、違いました。

申し訳なく思いました。

もしかしたら、どこかで
なれる部分はあるのかもしれませんが、、
だからどうだっていうんでしょう。
恐怖は程度の差こそあれ、それ自体に・・

自分の勝手な思い込み、予想、
ひとりひとりの感じ方は違います。
ましてや、人々が抱えるこの
目の前のことは、
私が予測できる以上のことなんですから。

改めて・・

そんな会話をしながらも、

昨日の今日、の仲のはずなのに、
なぜか、皆さんの顔をみると
ほっ
とする自分がいました。

うれしくなります。

丸くなって、ラジオ体操。
さぶちゃんのリードと、
一人ひとりのリズムでの体操。

心地よい時間でした。
朝のスタート、しゃっきりと目覚めます。

お手玉キャッチボール。

さすが!
慣れている人は違います!
リズムよくペア同士で、
ぽんぽんぽんぽん!

私もコツを教えてもらいながら、
おいしょっこらっしょ!

なかなか楽しい。

そして、私たちは、
昨日と同じように、
山の鳥居の散歩道をみんなで歩きます。

昨日より少し増えて、ゆっくりと
おしゃべりをしながら、紅い鳥居をくぐって。
社を目指して。

上まで着くと、
順番におまいりしました。

「何お願いするの?」
「・・あたしはね・・・」
「ふふふ」
「お願いごとはないわよーもうたくさんよー」

朝のすこやかな空気の中の
気取らない会話。

あっという間に帰り道。
一段一段降りて・・

ラジオ体操の場所に戻ると。

さぶちゃんが、待ってます。

表彰式です。

用意してあった、賞状を
さぶちゃんが読み上げ、一人ひとり手渡していきました。



この一瞬のやりとりの中に、
たくさんの気持ちと、言葉がありました。



そうそう、心地よいBGMが流れていたんです。

ブルースハープ。
ハーモニカの音色です。

朝の7時前、、
浴衣を着た
おじさんが、
ハーモニカを奏でて。
とても綺麗、空気にまじって
とけいる音色です。

そのBGMの中、一人ひとりに読み上げ、
渡した賞状。

まさに、ギフト、の時間でした。



うれしそう。
そして、みんな笑顔。


最後だけど、
完了ではあるけど、最後、という感じではない、
続きがあるかのような、終わりです。


ラジオ体操と散歩の時間はここで完了だけれど、
続きがある。
そんな気がしました。

きっと、なんらかの形で、
みなが顔を合わせ、
気持ちが続いていくんでしょう。
つながりは、途切れずに。

私はそう、願います。

そして、
完了を終えた私たちは、
大切な大切な、感謝の意をこめた
最後の大まとめの儀式(的な、あの日常でもワークでも大切な最後の大仕事です)
に向かいます。

あるご婦人とも話しました。
その方は
避難先でのこと、
自分で生活をしたく、ここへ戻ってきたこと、
自立の大切さ、働くことの意義、
そして、やりがい を見つける大切さ
たくさん話してくれました。

手元には、美しい大きな編み物。
出来上がりが楽しみです。


そのあと。

念願のあぶくま洞へも行き。
その帰り、おいしいそばを食べながら
振り返りを行いました。

「自分の失ったかけらを探していたような・・
それが見つかった、ような。」

はっとしました。

人間が生物として持つ、本能。

誰かが、何かを求めてているとき、
人間の物質的な枠を超えて、
訴え、
それを感じ、そこに向かうのでしょうか。

きっと、少なからず
私もそれを感じていたのだと思います。
ですが、ここまで、
なんだかんだ理由をつけて、
動けなかった。

動こうとすることさえ、抑えていました。
そんな個人的な思いはいいとして、

そのサインを感じることに敏感でありたいし、
その欲求に素直でありたい、と改めて思いました。

続けていくこと。

忘れないこと。

今も、動いていること。

少し距離が離れた私たちができること。

善とか悪とか、偽善とか、どうでもよくて、
生き物が持つ生命としての訴えを
受け止め、そこに反応する強さを持ちたい、
本当にそう思います。

まずは、身近な人に、
自分が感じたことを訴えて。

そこから広げていきます。
そして行動を。

本当に、本当に、
出遅れてしまいましたが、
この「いもにアートプロジェクト」に
こういった形で参加することが出来て光栄に思います。
私自身が、再考する機会を得、
感謝を感じ、人の温かさを感じ、
明るさ、楽しさを味わい、
贅沢な時間でした。

ここがスタートになるはずです。

この先も何か形として、
行動していこう、
そう決めた日でした。

今、
であった人たちの顔が
ふっと、笑顔になっていることを
心から祈って。

一つの安心から。

ありがとうございました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿