コスモス

追い着けない季節の匂いが
僕の鼻先をかすめてまわる

君との思い出は透き通っていて
永遠という言葉がよく似合う

僕の思い過ごしかな・・・

いつでも確かでないものが
心を支配しているようで

僕はまたひとつ歳をとった・・・

寄り添って揺れるコスモス
また会えたなら
青空に向かってそっと呟こう

手を振るように
そっと揺れながら

夕暮れの岸辺

トタンの青

蛍光灯と秋空

夕立

閃光が西の空を
切り裂いて

夕立がすべてを
呑み込んでゆく


僕達はどうして出逢ったのだろう・・・


心の何処かに
置き忘れたもの

夢みた理想の
欠片も今は無い


あれから何度目の夏なのだろう・・・


そしてまた
感動も失望も
出逢いは連れて来る


夏の終りに

僕等は・・・