いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

ニシシマドジョウ 斑紋いろいろ

2020年01月20日 | 魚類












4年ほど飼育しているニシシマドジョウたち。全長は8~10cmぐらい。すべて同じ場所で採集したが、体側・背部の斑紋やラインの形状に違いがあり、それぞれの個性となっている。

ニシシマドジョウは日本固有種。太平洋側では私の住む静岡県が分布の東限となっていて、県内西部・中部に広く分布する(静岡県の在来種)。私が飼育している個体は、県内中部の河川で採集したものである。子供のとき、この川で魚とりをよく楽しんだ。オイカワやフナ、ミナミメダカ、ドジョウを採集したのを覚えてる。しかし、当時、シマドジョウをこの川で見たことは一度もなく、かつては生息していなかったと思う。ここ何十年の間に移入したものと思われる。

ところで、かつてはシマドジョウとひとくくりにされていた、いわゆるシマドジョウ種群は、「中島ほか(2012) 日本産シマドジョウ属魚類の標準和名の提唱」によりオオシマドジョウとニシシマドジョウ、ヒガシシマドジョウ、トサシマドジョウに分類された。2019年版の静岡県版レッドリスト/レッドデータブックはそれに従い、2004年版ではひとくくりにしていた「シマドジョウ」を「ニシシマドジョウ」と「ヒガシシマドジョウ」に分けて記述している。ちなみに、静岡県版レッドデータブック(2019)ではヒガシシマドジョウに関して、日本固有種であり静岡県にも生息していて太平洋側の分布西限となっている、といった旨の内容が記述されている。ただ、ヒガシシマドジョウが県内在来種なのかどうかは、書籍「日本のドジョウ」などを見ると明らかになっていないようだ。県内産ヒガシシマドジョウに関する公開情報は、決して多くない。ニシシマドジョウに比べて採集しづらいのが、大きな理由の1つなのだろう。県内のヒガシシマドジョウは未知の部分が多く、観察・調査対象として非常におもしろいと思う。



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