いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

ヒメサナエ 交尾

2019年06月20日 | 昆虫類
川沿いの遊歩道を散策していた。すると、小型サナエトンボの交尾態が水辺からこちらに飛んできた。今の時期、この川ではヒメサナエとダビドサナエの縄張り占有が見られる。「高い樹上ではなく、撮影しやすい場所にとまってくれ!」と祈りながら、その行く先を目を凝らして追った。すると、遊歩道のすぐ横の斜面に生えた低木にとまった。これなら撮影できる。今度は「ヒメサナエでありますように!」と祈りながら近づいた。少し離れた位置からデジカメのファインダー越しに確認すると、メスの首根っこを掴むオスの上付属器が、白く「ハ」の字状に開いていた。ヒメサナエである。



とりあえず急いで証拠写真を撮る。その後は「少し近づいては撮影」を繰り返した。最終的に50cmぐらいの距離から撮影できる位置まで近づけた。



ヒメサナエのペアは全く逃げる気配もなく、交尾は1時間以上続いた。
交尾中、オスが翅を時々動かす。





トンボの交尾時間について - 掲示板アーカイブ:神戸のトンボ広場によると、この翅の動きは「精子置換」を行っているためとのこと。


トンボの交尾時間について - 掲示板アーカイブ:神戸のトンボ広場
カワトンボの一種を使った研究で,交尾しているオスは,単に精子を送り込むだけでなく,それ以前に交尾したオスが送り込んだ交尾嚢や受精嚢の中の精子を掻き出しているということが分かりました.つまり,一番最後に交尾したオスの精子だけが,交尾嚢や受精嚢に中に存在することになるということです.このような現象を「精子置換」と呼んでいます.


また、ヒメサナエの交尾時間が長い理由は、オスが丁寧に「精子置換」を行っているためのようだ。
なるほど。
神戸のトンボさん、実に素晴らしいトンボ情報サイトである。何故、私は今までこのサイトを活用していなかったのだ???

交尾開始から1時間半経過したところで休憩をとることにした。水を飲みながら少し離れたところから交尾の様子を眺める。しかし、少し目を離した隙に交尾態の姿は消えていた。交尾が解かれて飛んで行ったのか、交尾態のまま移動したのかが気になる。残念。

交尾の途中、別の交尾態が飛んできて近くにとまった。少し強い風が吹き、とまっている葉が大きく揺れると、こちらのペアは交尾態のまますぐに移動してしまった。

今年の目標の一つに「ヒメサナエの交尾・産卵の観察、できれば撮影」があった。これでこの目標を達成することができた。今月に目標を達成できなければ、7月も引き続きヒメサナエと心中するつもりだった。7月は多種のトンボに会える時期で、できるだけ多くのトンボに会って撮影するのが楽しい、と思っていたので安心した。



@参考
トンボの交尾時間について - 掲示板アーカイブ:神戸のトンボ広場

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ヒメサナエ 産卵 - いきもの散歩



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