いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

2018年に観察したトンボたち

2018年12月31日 | 昆虫類

2018年に観察したトンボたちを振り返ってみた。
(表紙画像は今年最初のトンボとなった「アサヒナカワトンボ」, 2018/04/02)



ホソミオツネントンボ 交尾, 2018.05
交尾、産卵(単独・連結)を初めて見ることができた。また、8月には林内で複数の越冬前個体を見つけた。



アオイトトンボ 産卵, 2018.10
アオイトトンボは初見。



オオアオイトトンボ 交尾, 2018.11
交尾を初めて見ることができた。産卵も見たかったが、叶わず。



アサヒナカワトンボ 真夏の交尾, 2018.08
今春は気温が高かったため、出現が昨年より1週間程早かった(2018/04/02に初確認)。湧泉地では4~12月まで出現するが、8月の交尾を初めて見た。また、今年は12月下旬まで観察することができた。アサヒナカワトンボが今年最初かつ今年最後に観察したトンボとなった。



アオハダトンボ ♂, 2018.06
昨年は5~10月の間、毎月会うことができた。しかし、今年は5~7月しか確認できず、数も少なく、交尾・産卵を見ることができなかった。数が少なかったのは、産卵基質となるミクリ類の成長が昨年と比べて著しく悪く、別の場所(上流側)でコロニーを形成したためと思われる。



ミヤマカワトンボ 交尾, 2018.07
遠くてよく観察できなかったが、初めて交尾に遭遇した。
今年も産卵は見られず。しばらくは狙いにはいかず、運に任せるので仕方がない。



ハグロトンボ 産卵, 2018.10
6月中旬から11月上旬まで会うことができた。ただ、今年も交尾を見ることができず。オスが交尾に誘うが、メスにサラリとかわされ交尾には至らない場面を何度も見た。



モノサシトンボ ♀, 2018.08
初見。帰り際にようやく見つかったため、じっくり観察することができなかった。来年はもう少し早い時期に見に行きたい。



アオモンイトトンボ 交尾, 2018.07



アジアイトトンボ 交尾, 2018.08
あまり縁がないトンボだが、今年はそこそこ会うことができ、交尾・産卵を見ることができた。また、連結中のベニイトトンボに攻撃する様子を目撃した。攻撃は嫉妬からなのだろうか?静岡県東部の平地では未だ会ったことがない。



ホソミイトトンボ@越冬型 連結産卵, 2018.05
初めて越冬型に会うことができた。オスが歩哨姿勢をとりながらの連結産卵を見ることができ、感動した。また、10月には越冬前個体にも会うことができた。越冬中の個体に会ってみたいが、今冬も寒さに負けて探しに行かないと思う、、。



ホソミイトトンボ@夏型 ♂, 2018.07
夏型は1頭だけ会えた。この池で羽化したのではなく、飛来してきたものと思われる。



クロイトトンボ 未成熟♂, 2018.05



セスジイトトンボ 交尾, 2018.06
池の周辺の草むらに多数のメスが集まる時期があることがわかった。



ムスジイトトンボ ♂, 2018.06
今年はメスに会えず、交尾・産卵を見ることができなかった。その代わりにセスジイト♀と連結し、すぐに連結を解く場面に遭遇した。



キイトトンボ 交尾, 2018.06
今年は200頭ぐらいに会った。



ベニイトトンボ ♂, 2018.10
初見。100頭以上に会え、交尾や連結産卵を観察することができた。しかし、真夏の撮影では露出を上手く調整することができず、撮影した写真はほとんどがNGだった。来年は対策して撮影にのぞみたい。



モートンイトトンボ ♂(上)と未成熟♀(下), 2018.06
今年は交尾を見られず。産卵を初めて見るために、来年は午前中に観察に行きたい。



コシボソヤンマ ♂, 2018.08
ぶら下がり個体や産卵場所を探すメスを観察したり、夜に道路照明の下にいたオスを手で捕まえたりと、今夏はコシボソヤンマに楽しませてもらった。一番興奮したのは、だらだらと狭い範囲を往復飛翔していたオスが、飛んできたメスに気づくと、そのチャンスを逃すまいと一気にトップギアに入り、メスを素早く掴まえ、交尾態になる瞬間を見れたこと。彼がこの世に生まれてきた理由が凝縮された瞬間だった。来年は産卵中のメスを見てみたい。しかし、現時点ではそのあてはない。



ミルンヤンマ 産卵, 2018.10
今年は多数のぶら下がり個体に会うことができた。また、産卵中のメスに2度遭遇した。



ヤブヤンマ 産卵, 2018.07
初見。イメージしていたよりも大きかった。産卵するメスと池の水際をホバリングしながら低くゆっくりと飛ぶオスを見ることができた。



オオルリボシヤンマ 産卵, 2018.09
来年は飛翔するルリ色のオスを撮影したい。



クロスジギンヤンマ 産卵, 2018.06
樹林に囲まれた池でウシガエルを撮影していたら、そのすぐ横でクロスジギンヤンマが産卵していることに気づいた。絶好の撮影チャンスと思い、ものにしようとしたら、今まで撮影していたウシガエルが産卵中のクロスジギンヤンマに襲いかかり、逃げられてしまった。こんなコントみたいなこともあったが、今年ようやくまともな写真を撮影することができた。来年は飛翔しているオスを撮影したい。



ギンヤンマ ♂, 2018.08
オスの単独静止個体は初撮影。



ウチワヤンマ ♀, 2018.08
初めてメスを撮影できた。交尾・産卵シーンもいずれ撮りたい。



タイワンウチワヤンマ ♂, 2018.07
この写真を見ると、今夏の「命にかかわる暑さ(災害級の暑さ)」を思い出す。来年はあの暑さ、勘弁して~。



コオニヤンマ ♂, 2018.07
今年は多数のコオニヤンマに会えた。オスに比べると圧倒的に少ないが、メスにもそこそこ会え、産卵場面にも遭遇した。



オナガサナエ ♀, 2018.08
今年は♂1頭、♀2頭に会った。もっと会える生息場所を探しているのだが、見つからない。



ダビドサナエ 未成熟♂, 2018.04
今春は気温が高かったため、4月上旬に未成熟個体を10頭程見かけた。また、今年は全体的にも多数に会うことができた。



ヒメサナエ ♂, 2018.07
初見。オジロサナエ同様、幼虫は川を下って下流で羽化し、成虫になると川を遡っていく。
ヒメサナエとオジロサナエは好きなサナエトンボ。好きな理由の1つは生息場所。綺麗な水の流れが気持ちよく、人に会うことがあまりない河川上流部に生息し、そこではくつろぎながらトンボを観察できるから。このサナエトンボ2種は小さくキュートで、警戒心があまり強くないのも自分好みだ。まだ会ったことがないクロサナエやヒメクロサナエも同様の環境に生息するので、好きなサナエトンボになると思う。
運次第であるが、来年は産卵を見てみたい。オジロサナエよりは高い可能性を感じている。



オジロサナエ ♂, 2018.07
初めて近くで観察することができた。また、羽化して間もない個体だったが、メスを初めて見た。このトンボ、ハズキルーペよりも大好きだ。



ヤマサナエ ♀, 2018.06
今春は気温が高かったため、初認は4月上旬だった。また、5月上旬には河川周辺に集まっている若いオスたちを見つけた。オスほど多くはないが、今年はメスにもそこそこ会うことができた。



オニヤンマ ♂, 2018.07
メスの静止個体を撮影したかったが、遭遇しなかった。



オオヤマトンボ, 2018.06
こんな写真しか撮影できず(苦笑)。来年はもう少しがんばります。



コヤマトンボ 産卵, 2018.05
河川上流で縄張り飛翔する複数のオスにも会えた。こちらの撮影も来年はもう少しがんばる。



ナツアカネ ♂, 2018.10
9月頃から見かけるトンボといった印象があったが、今年は7月上旬に最初の個体(未成熟)に会った。



アキアカネ 未成熟♀, 2018.06
今年は12月中旬まで会うことができた。



ネキトンボ ♂, 2018.09
初見。今年最初の赤とんぼがネキトンボだった(6月上旬)。その後は秋(9-10月)に何故か渓流沿いで2頭に会った。確実に会える場所は知らない。



ミヤマアカネ 未成熟♂, 2018.06



マユタテアカネ ♂, 2018.10



ヒメアカネ ♂, 2018.10
今年は多数のヒメアカネ♂に会えた。マユタテアカネ♀との識別に自信がなく、ヒメアカネ♀にどれだけ会えたのかは不明。オスがメスをつかまえ、交尾に至る場面に遭遇したが、そのまま草むらに入り込んでしまい撮影できなかった。



ノシメトンボ ♂, 2018.10
コノシメトンボはよく見かけるが、ノシメトンボは見たことがなく、今年はたまたま会うことができた。ノシメトンボの生息に適した環境が減ったこと、コノシメトンボほどの環境適応能力がないことが、身近なトンボではない理由のようだ。



コノシメトンボ ♀, 2018.09



リスアカネ ♂, 2018.10
初見。オスは樹林に囲まれた池やその周辺でそこそこ会えたが、メスは見かけなかった。



コフキトンボ ♀, 2018.07



ショウジョウトンボ ♀, 2018.07
ショウジョウトンボというと、6月頃から平地の池で真っ赤なオスを見かけるようになり、9月中旬ぐらいまで見られ、メスや未成熟個体はあまり見かけないといった印象があった。しかし、今年は4月下旬に多数の未成熟個体を確認できた。また、5月中旬にはそこそこ標高がある池で10頭ほどの既に真っ赤な成熟♂に会えた。また、池だけではなく渓流沿いの畑などで多数の未成熟個体やメスに会えることがわかった。ショウジョウトンボは、思っていた以上に環境への適応力があるトンボだった。



シオヤトンボ ♂, 2018.05
今年はシオヤトンボの観察時期が遅れてしまった。また、今春は気温が高く、最盛期がやや前倒しになったこともあり、観察した時は個体数が少ない状況で、繁殖行動を見られなかった。ただ、新たな生息場所がいくつか見つかったのは良かった。



シオカラトンボ シオカラ型♀, 2018.07
オスのような色合いをしているが、複眼がオスの青色ではなくメスの緑色であり、腹端の形状(尾毛)からメスである。このタイプのメスは初めて見た。



オオシオカラトンボ 未成熟♀, 2018.07



ハラビロトンボ 半成熟♂, 2018.04
今春は気温が高かったため、昨年より1週間程早く出現を確認した。



ベッコウトンボ ♂, 2018.04
今まで静岡県東部でトンボを観察してきたが、ベッコウトンボを初めて見るために、130km離れた静岡県西部に赴いた。そこまでトンボに「熱い」わけではないので、自分がここまで行動するとは直前まで思っていなかった。ベッコウトンボに無事に会えて良かったし、初めての場所はどんなトンボがどこにいるのかわからないので刺激的だった。また、普段見ているトンボでも、初めての場所で見ると同定に自信がなくなり、何度も確認することがあった。普段、どれだけいい加減に同定しているのかということなのだろう。



ヨツボシトンボ ♀, 2018.04



チョウトンボ 交尾, 2018.08



コシアキトンボ 未成熟♂, 2018.06
今年は池の周辺で、木にとまっていたり、ホバリングして飛んでいたりするメスや未成熟オスをよく見た。



ウスバキトンボ, 2018.10
今年の初認は、こどもの日だった。


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〜 2018年に会ったトンボ 〜
太字は初見。

@アオイトトンボ科(3)
ホソミオツネントンボ、オオアオイトトンボ、アオイトトンボ

@カワトンボ科(4)
アサヒナカワトンボ、アオハダトンボ、ミヤマカワトンボ、ハグロトンボ

@モノサシトンボ科(1)
モノサシトンボ

@イトトンボ科(9)
アオモンイトトンボ、アジアイトトンボ、ホソミイトトンボ(越冬型、夏型)
クロイトトンボ、セスジイトトンボ、ムスジイトトンボ
キイトトンボ、ベニイトトンボ、モートンイトトンボ

@ヤンマ科(6)
コシボソヤンマ、ミルンヤンマ
ヤブヤンマ、オオルリボシヤンマ、クロスジギンヤンマ、ギンヤンマ

@サナエトンボ科(8)
ウチワヤンマ、タイワンウチワヤンマ、コオニヤンマ、オナガサナエ
ダビドサナエ、ヒメサナエ、オジロサナエ
ヤマサナエ

@オニヤンマ科(1)
オニヤンマ

@ヤマトンボ科(2)
オオヤマトンボコヤマトンボ

@トンボ科(20)
ナツアカネ、アキアカネ、ネキトンボ、ミヤマアカネ
マユタテアカネ、ヒメアカネ
ノシメトンボ、コノシメトンボ、リスアカネ
コフキトンボ、ショウジョウトンボ
シオヤトンボ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ハラビロトンボ
ベッコウトンボ、ヨツボシトンボ
チョウトンボ、コシアキトンボ、ウスバキトンボ

2018年@全54種(初見11種)
2017年@全44種(初見11種)

@昨年は会えたのに今年会えなかったトンボ
ルリボシヤンマ
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自分は水辺とその周辺の散策が大好物。トンボ観察はその機会を作ってくれ、時に新たな水辺へ導いてくれる。また、淡水魚を追っている時とは異なる水辺への視点を与えてくれる。
来年もトンボを通した新たな水辺との出会いを計画している。今からトンボシーズンが楽しみだ。

皆様、よい年をお迎えください。


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2017年に観察したトンボたち - いきもの散歩


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