ねぐら 2020-01-07 12:31:45 | 詩 ねぐらから出て働きに行きねぐらに帰らずそのまま遊び疲れ果ててねぐらに帰ってくるねぐらの中で一日を反芻しつつ何となくその日を終える次の日もその又次の日もねぐらを出てはねぐらに帰ってくるもしもねぐらが無かったら私の日常はどうなっちまうんだろか有る日 私はねぐらを捨てた年月が過ぎて結局もとのもくあみだ何処にでもねぐらは有ってねぐらの中で私は過去を反芻しているだけだ
札束ひとつ 2020-01-07 12:29:51 | 詩 母が死んで札束になった母は病気になってから語らぬ人形だったがそれでも最後に言葉は吐いただが札束は言葉すら吐かない手の中で握りしめる札束の軽さその冷たさそんな札束よりも母が恋しいか?今更どちらもいらないなこんな札束なんか有っても無くてもいいあばよと一言通帳にほおりこんだそんな金使う気になれないいつか私が果てた時葬式代ぐらいにはなるだろうそれだけの価値しかない札束だ
忘却の丘 2020-01-07 12:18:49 | 詩 忘却の丘が有ると言うそこに行けば忘れたいことだけ忘れられると言う忘れたいことだけ忘れられるなら良いが忘れたくないことばかりになれば私の心は空っぽになって忘れたいことでも忘れないでいたいだろう今まで良いことが有ったかね一つや二つ有ったかも知れないねけどそいつらは何処に行っちまったんだろうね何処かで落っことしちまったようだもしかしたら忘却の丘に拾われて私を待っていてくれてるのかもしれないそれは無いと思うけど生きているうちにそこにたどり着きたいものだかって愛した人が 私と同じ思いでそこで私を待っていてくれるなんてそんな希望は持てないけど持ちたくもなるよ行きたくもなるよ
影 2020-01-07 12:15:49 | 詩 影が無くなって久しい私にまとわりついて離れないので私は影を捨てた影はしばらく私の後を見え隠れしながらついてきたがいつかどこかへ行ってしまったその影が今何処で何をしているか知らないが帰ってきてほしいと今頃思うお前が私を支えてきてくれていたなんて知らなかった今私は一人で私と影の二役をしているいそがしくて切なくて誰もいないところで声を殺して泣いてばかりだ泣き疲れると寝てしまう現実より夢の世界のほうがいいなんて時として思ってしまうが現実は影がいなければどうにもならないと今更悔やんでもしかたがないけど夢の世界はてんででたらめで影なんか無くてもやってゆけるが目覚めると夢そのものが泡のようにはじけて再び還らない寝るたびに夢を見て明日は明日の夢を見るどんな夢にめぐり合えるかわからないのが困り者だいい夢ばかり見られるなら現実なんか捨てられるが嫌な夢ばかりでてくるたぶん影を捨ててしまったつけがきてるんだ
旅人 2020-01-07 12:13:46 | 詩 私は時の狭間で行き暮れている帰るすべのない旅人たどり着くところも無く飛び立つこともできず地にもぐりこむこともできず流す涙も枯れ語る言葉も失ってしまった心の中で君を思いその思いも褪せてゆく旅人でなくなった旅人だ