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トータルヘルスケア実現のNPO法人イーマに属する会員のコミュニケーションの場です。

統合医療の診断と処方

2009年07月28日 | 顧問の先生
  ~統合医療の診断と処方~

自分に合うものをどうやって探す?

 昨今「健康に良い」「○○に効く」といわれているものはたくさんあります。
しかし、それが自分自身にも効くかどうかは疑問です。
例えばダイエットに効果ありとされるものはたくさんありますが、
脂肪太りなのか水太りなのか混合太りなのかタイプによって効く
ものは違ってきます。

また肥満の原因が、カロリーのとりすぎなのか運動不足なのか
代謝自体が落ちているのかによっても異なります。

さらにその根本にある身体のメカニズムがホルモンバランスの
乱れなのか自律神経の乱れなのか睡眠不足などからくる内臓の
疲労のせいなのか等によっても改善方法は変わってきます。

思いつきで食事制限をしたり健康食品をとったりしたところで
成功する確率は低いでしょう。

それらを見極め自分に合った最適な方法を選択するには正しい
診断と処方が必要になってきます。



医療法人社団丹伎会 丹羽クリニック院長
1973年 横浜市立大学 医学部卒業 横浜市立大学附属病院 第二外科
1976年 カリフォルニア大学サンディエゴ校外科研究室研究員
     ・膵臓移植、糖尿病を研究
1981年 城西歯科大学(現 明海大学)外科学講座講師
1988年 丹羽クリニック開設
     難治性疾患の治療を目的と史、西洋医学と伝統医学(漢方、正
     體)による統合医療を開始


【著書】
「アトピー全快 汗を出すのが正しい」(プレイブックス)
「ステロイドは使わない アトピーはこうして治す」(長崎出版)

深層心理と自己回復について③

2009年07月03日 | 顧問の先生
・・・「補法(ほほう)」と「瀉法(しゃほう)」について・・・

(前回②の「コリ」と「ハリ」について)「コリ」は急性的、
「ハリ」は慢性的なもので、一般に「コリ」は冷やし、
「ハリ」は温めると効果的です。

 さて表題、「補法」の「補」は補い、「瀉法」の「瀉」は
吐き出すことを意味します。

「瀉法」とは、主として「怒りの感情」を抑圧することで
気滞(きたい・気の滞り・ストレス状態)を起こしている場合に、
そのエネルギーを放出する技法を意味し、その技法の代表例が
「生体エネルギー法」です。
 
「補法」とは、主として「怖れ」や「寂しさ」などの感情を
抑圧することで気滞を起こしている場合に、そこにエネルギーを
補充する技法を意味し、主として「静坐法」や「ハタヨーガ
(ライオンのポーズなどの一部は瀉法)」「吉本式内観法」や
「マッサージ」などがこれに相当します。


クライエントの方をお世話していて、今、この瞬間、「補法」が
必要か、或いは「瀉法」が必要か、瞬時の判断力が求められます。

 また、「瀉法」で対応している内にエネルギーが動いて、瞬時に
「補法」が必要になることがありますし、その逆もあり、
これらが適切に対応できたときに、より大きな効果を生み出す
ことが可能になります。
 

 さて、「岡田式静坐法」を開発した岡田虎二郎先生は49歳で
亡くなっていますが、その直弟子の元日本航空会長・柳田誠二郎
先生は、これを活用して、長寿をまっとうされました(95歳前後)。


 何故このような違いが生じたのか?
それは、「静坐法」は「補法」ですが、岡田先生は、写真から
判断して「瀉法」が必要な方であったために、対処技法に
「ミスマッチ」があったからであると思われます。


一方、柳田先生は東京帝国大学時代、猛勉強の結果、
心身のバランスを欠き、体重40キロになったと著書にあることや、
写真などの総合的な判断で、柳田先生に必要な技法は
「補法」であったがために、同じ技法でも抜群の効果を上げた
ものと思われます。
 

 つまり、この世の中に、「良いもの」や「悪いもの」があるので
はなく、活用次第で「良くにも、悪くにも」なることを意味しています。


「出刃包丁」は、「すばらしい料理の道具」にもなるし、
「凶器」にもなるように。

これを「仏教」では「無分別(むぶんべつ・分別しない)」と言います。



【藤森弘司先生のプロフィール】
自己回復総研 主幹  
30歳の時に精神的・身体的に行き詰まり、以後「交流分析」「サイコシンセシス」
「生体エネルギー法」「坐禅」「ヨーガ」「吉本式内観法」等々の理論や技法を
通して、「自己の身体や精神」への気づきの深化に取り組んで30有余年。
実践的・体験的裏づけを持った総合的な技法を活用する心理学の職人。
「心身症の定義とそのメカニズム」(S59・3)