イーマは健康で明るく、生き生きとした社会づくりに貢献します。

トータルヘルスケア実現のNPO法人イーマに属する会員のコミュニケーションの場です。

第119回セミナー「超高齢化社会における生き方死に方」石飛幸三先生

2014年06月09日 | 医療

早や真夏日を迎えたこの頃ですが、お変りありませんか。

7月セミナーでは超高齢者社会を迎えた我が国の高齢者が現代医療で無理やり生かされる単なる延命の状況から、いかに人生を充実して生き切る長寿で生きるにはどうするか、平穏死のすすめで我が国で最も著名な石飛幸三先生にご講話をいただきます。

高齢者だけでなく、介護者・保護者の皆様にも是非ご参加いただきたいと願っています。

 テーマ:「超高齢化社会における生き方死に方」

       ~死と向き合った時、生きる力が湧いてくる~

 日時:平成26年7月24日(木) 18:00~20:30

 会場:四谷地域センター 11階 集会室2・3

 お申し込みは(FAX:03-5225-1522 または Mail honbu@ihma.or.jp まで)


8周年を迎えて

2008年09月06日 | 医療
NPOイーマはお蔭様で8周年を迎えたことを機に
更なる発展を目指し、皆様にお役に立つ健康・
予防・治療・介護等をご提供してゆくことに致しました。


当会の誇る優れた顧問の先生方に最新の情報を
ご提供いただき、適宜皆様にお届けする予定でおります。


顧問の先生方は様々な分野で活躍されていらっしゃる
プロ中のプロですので、必ず皆様の生活のヒントにして
いただけることが詰まっていると思います。

まずは次回のブログから開始させていただく井上先生のご紹介
をさせていただきます。


井上敬先生                    
【プロフィール】
1973年京都生まれ。京都大学医学部を卒業後、大阪赤十字病院に救急医として勤務。
約1万人の急病患者を診察した結果、治療ではなく予防が医療の本質であると気付き、
2005年に健康方程式を、2006年にThe Health Equationを出版。

また、人体を分割・細分化する生命科学ではなく、人間を総合・包括的に捉える倫理
を普及するため2006年に生命哲学研究所を設立し、講演・執筆による一次予防に加えて、
健診および産業医を通じた二次予防を行う。

座右の銘は、「信念を持った異端が世界を支える。」
尊敬する人物は、B.スピノザ、安藤昌益、C・ゲバラ、加藤周一。
将来の夢は、医学と娯楽が融合した健康管理施設を作ること。
ブログ:Welcome to Institute of Biophilosophy


ご期待ください。


健康NPO法人イーマ
次回の健康セミナーは、9月18日(木)18:00~20:00。
テーマ:
「ガンの末期には手をつくしてはいけない~逝き方上手は生き方上手~」

講師:
金重哲三先生 特定医療法人鴻仁会理事長

新しい時代の病院経営「活性化戦略・戦術」~設備投資編(後半)~

2008年08月19日 | 医療

機能を最大限に発揮させる建物設備のリニューアルとは

【建物・設備の戦略的リニューアル】

昨今の厳しい経営環境下、建物・設備がまだ耐用年数を残しているにもかかわらず大胆なスクラップ・アンド・ビルドが行われるような時代は終焉した。

これからは大きな投資を伴った建物設備を大切に使い、活かすことが肝要である。

そのための建物設備の増改築や改修に対する経営面でのポイントを挙げてみよう。


(1)収益増大戦略


①診療科目の見直しと再編成

マーケットリサーチによる患者動向の把握、不採算科目の採算科目への転換、医療機器や設備の導入、さらには臓器別から疾患別への診療科目の転換、また点滴室、内視鏡室、オンコロジー、処置室など。

急性期では検査部門、画像診断、治療器としては超音波治療器、リニアック、放射線照射装置などの導入、リニューアルを考える。


②手術室関連

急性期病院では平均在院日数短縮を目標に手術件数を増加し、手術室の利用率向上に向けたシステム導入を図る。

また慢性期等では手術部門の縮小やスペースの他用途への転換が考えられる。


③予防医療の重視

健康に対する自己責任強化の一環として特定健診・特定保健指導の導入、そのための相談指導室やトレーニングマシンの導入、予防リハビリ施設の併設なども考えられる。

またそれに伴って人間ドックに対する需要も増える傾向にある。


④初診患者問診室

初診患者は診察・診療にどうしても時間を取られるため、そのしわ寄せが”3時間待ち3分診療”のようなかたちで再来患者に及ぶ。

病院に対する不満の大半は待ち時間である。

そこで初診患者さんの悩みや不安を診療室に入る前にベテランの看護師が医師に代わって充分に聞き、問診をすることにより、医師の長時間の問診時間を減らすといったことが考えられる。



(2)病床転換や稼げるスペースの創出

2006年の健康保険法改正により療養病床の再編成と在宅介護へのシフトが決定された。

いかにコストをかけずに転換するかがカギとなる。完全型の既存療養病床の場合、転換は建築的には金もかからず容易と思われるが、完全型以外の既存病床の場合はアメニティ等での競争に勝てまい。

①介護療養病床を医療療養病床へ、または一般病床へ転換

②病床を介護療養型老人保健施設へ転換

③リハビリ病棟への転換

④病院を診療所に、病床は終末期のナーシングホームに転換


(3)生産性 効率性戦略

フロア構成を見直し、稼げるスペース順に家賃換算で高いフロアに従って1階から2階、3階へと配置換えをする。

また薬局の院外化、給食や売店の外注化、省エネや省力化などが考えられる。

(4)安全 安心戦略

耐震や防災への配慮と避難設備、バリアフリー対策、院内・院外感染の防止、外部侵入者に対する防犯対策等が挙げられる。

(5)アメニティー戦略

建物設備のアメニティーに対し、子供、女性、ビジネスマン、お年寄り、ガン患者、妊婦など患者によってそれぞれのニーズは異なる。

受付・待合・検査・診察室などの各室、食堂、病室など患者中心をアメニティーには十分配慮したい。

特に最も不潔と見られるトイレのアメニティは重要である。


(6)設計者・監理者の選定

経営が大変厳しい今日、設計者の選定は重要である。

病院建築の経験豊富で建物デザインや機能が優れていることは必要条件であるが、それに加えて経営的な視点を十分理解していることが絶対条件となる。

また、設計を専業の設計事務所ではなく、ゼネコン等の業者に設計施工をセット依頼する病院もあるが、一般的には入札ではなく特定の業者に対する特命で施工まで発注するので競争が働かず、”高い買い物”となる恐れが多い。

使用する材料や設備機器等のグレードや仕様についても病院側ではチェックしにくいので、設計施工の場合は設計内容・工事費用等に対してセカンドオピニオンを置くことをおすすめする。

 NPOイーマ理事長 野口哲英

(この記事はフェーズ・スリー2008年7月号に掲載されました)



新しい時代の病院経営「活性化戦略・戦術」~設備投資編(前半)~

2008年08月19日 | 医療

財政支出の抑制を中心に据えた医療行政により、補助金削減や収益逓減のため病院経営は設備投資に対しても厳しい計画と管理が求められている。

そのせいか数年前までの安易な増床や建物・設備のスクラップ・アンド・ビルドの考え方はすっかり影を潜めてしまった。

たとえば、かつて一般病床の期限付き療養病床への移行をアメとムチで誘導しておきながら、今日一転して医療療養病床の削減と介護療養病床の廃止へと強引に誘導する医療政策に対し、多くの病院は羹(あつもの)に懲りてなますを吹くといういった状況にある。

しかし、勝ち組として生き延びるためには手をこまねいてタイミングを逸してはならない。


自院の特徴、経営環境の変化も踏まえた機能選択を


【病院機能選択への決断】

今日、自民党と民主党を中心とした政争で医療行政も政策の細目や施行が遅れてはいるものの、少子高齢化による国家財政、健保財政等、大きな目で見れば欧米先進国並みをめざした病床削減や在院日数短縮を進めざるを得まい。

国は、今後4年間で療養病床の削減と廃止を皮切りに金のかかる老人医療、介護は在宅へシフト、さらには生活習慣病予防をテーマとした健診・指導へと着々と手を打っており、後戻りは期待できず、それに向けた取り組みが個々の病院には求められている。

200床以下の中小一般病院が総合的な医療設備、技術人財競争で大病院に勝るのは難しい。

地域における二次医療機関として救急を行い、臓器別医療から疾患別の特徴を持ち亜急性期や医療療養病床として生き残る道が考えられる。

地域連携を強化した開放病院としての行き方もあろう。

100床以下の小規模病院は専門特化して病病、病診連携で勝ち残りをねらい、専門科目の層を常に厚くし、技術のプランアップを図っていかなければならない。

大病院との連携を強化し、医療療養病床や回復期リハビリ病床への転換も考えられよう。

【設備投資の留意点】

(1)事業収支・採算計画を綿密に立てよう

急性期病院は総合的でいくか専門的でいくかにかかわらず、高度な技術(感染対策も含む)と設備が必要となり、建物・機器にも高い機能が求められる。

建物では第一に職員、患者の動線をより機能的・効率的に考えることがポイントとなる。

次に、亜急性期、慢性期は患者だけでなく職員にとって快適さも必要となる。

入院が中長期にわたるため患者さんの居住性やくつろぎ、アメニティーが重要だ。

投資額も大きくなることから、技術の変化や患者動向の変化も激しいので省力・省エネも含め事業の収支、採算計画を綿密に立て、徹底的な無駄の排除が求められる。

(2)建物・設備の寿命を延ばす

建物の寿命には

①物理的耐用年数 ②法的耐用年数 ③機能的耐用年数 の3つのとらえ方がある。

新築をする場合、あらかじめそれらへの対応策を講じなければならない。

1つは、外来と病棟の分離が望ましい。

特に急性期では外来や検査機能の変化が激しく、外来部門が病棟の下にあると柱スパンや耐震壁の位置、天井高等が病棟で決まるので改装の自由度が制限されたり、工事中の騒音や振動、ホコリなどが病棟に影響を与える。

また、空間はなるべく無限定空間にする。建物の柱や耐震壁の配置が後々機能変化による間仕切変更などの影響を及ぼさないような設計が求められる。


 NPOイーマ理事長 野口哲英

(この記事はフェーズ・スリー2008年7月号に掲載されました)





新しい時代の病院経営「活性化戦略・戦術」~マーケティング編(後半)~

2008年08月11日 | 医療

③ 業種から業態へ

今日、医療は診療科目が専門化され過ぎたために総合診療や統合医療の必要性が叫ばれているが、その動きは鈍い。

一般企業では個店と言われる業種、たとえば菓子・弁当・文具・洋品店がコンビニエンスストアへ、また野菜・果物・家具・什器店がスーパーマーケットへ、惣菜などがデリカへ、金物・塗装・材木店がDIYへと、いわゆる”物”ではなく、”こと”を売る形態である。

医療に目を転ずれば臓器別の診療科から、がん・糖尿病・メタボ・免疫などの疾患別、あるいは女性・小児・老年などの年齢・性別への転換になろう。



④ 商品戦略:病院の提供する売り物(商品)の構成要素

自院が絞り込んだ患者たちは何をしてほしいのか。

その商品の構成要素ごとの留意すべきポイントは以下のとおり。

・技術: 医師をはじめとしたコ・メディカルの技術を磨き育てる継続的な努力が求められる。

まず検査前によく話を聞くことから始まり、インフォームド・コンセント、手当てなど、心のこもった対応が求められる。

・サービス: 建物や設備のハード面と、コ・メディカル以外の人たちによるソフト面から成る。

機能的に充分対応できるものがあるとともに、患者サービス面では質とコスト、さらにスピードが求められる。

・アメニティ:前二者が必要条件とすれば、これはライバルとの競争において満たされなければならない十分条件と言える。

医療の本質は患者さんを救う、治ることを助ける、手を差しのべることにあり、アメニティはそれを効果ならしめる安心感、信頼感、くつろぎ等を演出する手段である。

それにはハードとソフト両面の快適性、いわゆるホスピタリティが求められる。

・価格:超高齢化・少子化による社会保障制度の破綻への危惧に対し、国の医療政策は医療費・介護費共に大幅な国民負担・患者負担を求める方向にシフトしてきた。

そのために患者側もコスト意識に敏感となり、受診抑制や施設選択という行動をとっている。

特に自由診療、自費の多い関連施設におけるサービスにおいては価格戦略がその成否を決める。


患者とのコミュニケーションなど”商品”以外の要素も重要


⑤ 広報戦略

広報の役割は自院の患者たちへの想いや、それが込められた商品をどのように知ってもらうか、さらには患者たちからの疑問や知りたいことにどう答えるかという、双方の良好なコミュニケーションづくりである。

それは商品を売り込むものではなく、役に立つ正しい情報を提供することにほかならない。

⑥ アフターケア戦略

商品を提供した後のアフターフォローでは、一度関わったお客をどう顧客にするかがポイントになる。

それにはお客の意見や不満を汲み上げ、製品改良につなげてより高い満足を持っていただくことが大切である。

戦術としては院内アンケート、地域アンケートモニターの採用などが挙げられる。

そして、最も重要なことは2,3度来院して中途で来なくなった人たちへの対応である。

一般的に不満を持つ人の90%は不満を言わないまま二度と来なくなる。

それどころか、逆クチコミで一1人の不満が20人ほどに伝わると言われる。

ぜひ、来院を中断した患者へのアンケートを取られることをおすすめしたい。

⑦ 供給戦略

お客は一般的に欲しい商品を好きな時に好きなだけ求めるものであり、自分だけがお客と思うものである。

特に医療ではいつ治るのか、いつまで入院かを知りたがる。あるいは待ち時間が長い、交通や駐車場の便が悪いなどの要求が多い。

昨今、コンジェルジュサービスが流行しているが、それよりも待ち時間対策、特に初診患者に対してベテラン看護師などが事前の十分な問診を行ったり、苦痛の激しい患者を早く診てあげることのほうがより効果的である。

 NPOイーマ理事長 野口哲英

(この記事はフェーズ・スリー2008年6月号に掲載されました)