つきなみな備忘録

個人的な備忘録です

もしドラを読んだ

2011-02-27 08:56:38 | 
今更ながら「もしドラ」を読んだ。

高校野球部の新人マネージャーが、マネージャーを務めるにあたり、100年前に書かれたドラッカーの『マネジメント』という経営書を読んだ。そして、感動し、それに従って野球部を見直した結果、弱小野球部が甲子園に進めるまでに強くなったという話。

ベタな展開だけど、面白かった。その面白さは、ドラッカーの理論に従うことで組織が強くなっていくというくだりが、科学的で現実的に思われるからだと思う。

何らかの組織に属している人には面白く思えるんじゃないかな。

さっそくドラッカーの『マネジメント』を買ってしまった。ダイヤモンド社の思うつぼだな。






岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社 2009.12)

加納朋子『モノレールねこ』を読んだ

2011-02-27 08:17:28 | 
8編の短編集

基本的には、けなげな主人公が、異質なものにプライバシーをかき乱され、振り回され、不愉快な状態に落ち込まされる。でもやがて、異質なものの真意が明らかになり、心温まる、という構図。

表題の「モノレールねこ」
ふらりとやってきた不細工な猫を伝書鳩のようにして交流を楽しんでいた子ども二人が、猫の死とともに疎遠になってしまったが、10年の歳月を経て再会する、さわやかなお話。



加納朋子『モノレールねこ』(文春文庫 2009.6)

よしもとばなな『どんぐり姉妹』を読んだ

2011-02-12 14:39:00 | 
小学生の時、両親を交通事故で亡くしたどん子とぐり子の二人の姉妹は、いくつか親戚を回った後、父方の祖父のもとに落ち着く。おじいさんとの関わる距離感がちょうどよかったのだろう。

おじいさんが亡くなった後、メールのボランティアをするという姉のアイディアに妹のぐり子は賛同する。悩んで相談してくる人に、たわいもない返事を書いてあげるのだ。

夫に事故で死なれた奥さんからのメールを受け取ったせいでか、ぐり子は中学校の時に好きだった麦くんが死んだ夢を見る。中学校の時の友達に安否を尋ねたところ、麦くんは半年前にバイク事故で亡くなっていた。

麦くんの冥福を祈りに逗子を訪れたところ、偶然行き会った人は夢で見覚えのある人で、麦くんのお母さんだった。

麦くんに感謝される夢を見るところにも再び現実を強く生きていく姿は感じられるのだが、より印象づけられるのは、姉とともに訪れる、沖縄の陶器市の場面だ。

夢と現実と時々重なったり接触したりするこの広い海を、一分でも一秒でも長く生きることを楽しむ。それが人生なんでしょうね。


よしもとばなな『どんぐり姉妹』(新潮社 2010.11.30)