お母さん 僕の机の
ひき出しの中にできた
湖を
のぞかないで下さい
日本一短い手紙 受賞作より
人は誰でも
心の中に
美しい湖を湛えて
生まれるのだと思う
湖は
美しいままにおきたい
でもお金は欲しい
目立ちもしたい
権勢も欲しい
葛藤のさなかでも
湖の深奥から
プクプクと
浮き上がる泡
はじけた泡から
言葉が生まれ
音が生まれる
それを愛おしむのか
ないがしろにするのか
は
私しだい
私の湖は
決して人には見せない
が
プクリプクリ
と浮き上がる泡は
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銀河星雲の
見知らぬ星達に
泡の 響きを
通信している
今夜も