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織の記録

織布のどちらを選ぶか

2024-02-12 16:10:08 | トートバック・小物類

写真は同じ組織図で織った布の、表を使った小クッションと裏を使ったポーチです。

写真下

たて糸:手紡ぎ綿(ツワブキ 媒染AL) 手紡ぎ未熟綿(茶)

よこ糸:たて糸同じ

筬:4/㎝(一部二本揃え)

機:リジット機

参考資料:アヴリル社 暮らすように 織りを楽しむ

写真上

たて糸:紡績綿1g/2.8m 手紡ぎ茶綿双糸

よこ糸:たて糸同じ

筬:5/㎝(一部二本揃え)

機:ろくろ機

リジット機の組織図を参考に、タイアップを考えました。

遊びのつもりの試し織りでしたが

どちらを表とするのか、裏とするか

使用目的も考えて… 

それでもどちらも捨て難くて…

おもしろいです。


二重織り

2024-02-09 14:21:39 | さまざまな織と技法

ご無沙汰しています。

久々の投稿、二重織りのお話をしたいと思います。

二重織り、名のごとく二枚の布が重なった織物です。

平織が一般的ですが、多綜絖なら綾織もできます。

広い意味では風通絣、昼夜織り、そしてヤノフ村の絵織物も二重織りです。

上の写真のように片端を開けると、マーガレットを織ることができ、

両端を閉じて織ると、縫い目なしの巾着などを作ることができます。

アルパカブークレとスラブ羊毛で作ったマーガレットです。

依頼品なので、現在手元にありませんが、冬になると肩掛けとして重宝していると喜んで下さってます。

図はろくろ機のタイアップです。

踏み木1、2で表布、

踏み木3,4で裏布を織ります。

筒状にしたいときは、両端のよこ糸を交差します。

表裏同色のよこ糸を使う時は、交差する必要はなくそのまま筒状になります。

同色よこ糸で、片開きにしたいときは、

踏み木を1,3,4,2の順で踏むと片端が開きます。

いろいろ、試してみて下さい。

多綜絖を使うと、さらに面白い二重織りができます。

参考資料:ホームスパンテクニック


織り機カバー

2024-01-12 15:13:44 | のれん、タペストリーなど

自分の高機をはじめて持った時(最大織り巾60㎝、8枚綜絖、10本踏み木)

いのいちばんに織りたかったものの中に「織り機カバー」がありました。

織りの本には、初心者でも織ることができる織り機カバーの他に、

大判のひざ掛け、ソファー掛け、タペストリーも紹介されていて、

こちらの織り心をくすぐります。

たて糸:紡績綿 1g/8.5m

よこ糸:紡績綿 1g/2.8m

筬:6/㎝(引き込み2本)

綜絖:8枚

踏み木:8本

参考資料:8-SHAFT PATTERNS

仕上げ後:巾56㎝ 長さ170㎝

ずいぶん前に織ったカバーです。

この時の機は知人に譲り、今は90㎝幅のジャッキ機を使っています。

カバーは引き続いて使っていますが、

織り上がった時よりも色目が落ち着いてきています。

 

「どうしても織りたかった、」

今思い返しても、

なぜあんなにこだわったのでしょう。

 

あの頃のような、強い思いが今の自分にはあるだろうかと

ふと、思うこのごろです。

 

 

 

 


網代織りと崩し縞

2024-01-07 17:14:07 | さまざまな織と技法

網代(あじろ)織りです。

網代とは竹や草で編んだカゴの編み模様のことを指します。

たしかにカゴの網目に似ています。

平織だけで織るこの織物は見る者を不思議と魅了します。

殆どの織り本に紹介されている組織図です。

順通しで平織、色の配色だけでできる模様ですが、

素材を変えることで敷物から服地まで幅広く使われています。

左貫 伊(さぬきたすく)氏の「続木綿伝承」には

古い縞本帳とともに、いくつかその技法を紹介しています。

縞と聞くと縦縞を思い浮かべますが、

ここでは崩し縞と呼ばれる特異な縞柄も紹介されていてます。

その中から一例を織ってみました。

たて糸、よこ糸:紡績綿19/4

筬:6/㎝(引き込み2本)

ろくろ機使用

実際にはもっと細い糸で織られていたと思うのですが、

縞帳には今に利用されているパターンも多くあります。

先人の探求心には敬意を感じます。

この布、夫の水筒袋になりました。


ファイルを作る

2023-12-27 14:37:47 | 徒然に

自分流で機織りを始めたころは、何もわからないままメモノートに適当に記録していました。

とにかくそんなに長く続けようとは思っていなかったのです。

ところが思いのほかその面白さの深みにはまってしまい、このままでは進歩はないと思って、

ネットで探し当てた当時数少ない機織り教室に通うようになりました。そのころ教室の生徒は私を含めて二人だけ。

先に入った方も、私より2~3カ月ほど前だそうで、二人とも殆ど素人でした。

そこで織りの基礎からそのデーターの保存方法までを教えていただき、今に至ります。

この間に本棚はデータファイルと関連資料等でいっぱいになりましたが

ここで一つ問題が…

以前の作品を参照しようとしても、すぐにファイルが見つからないことが最近度々あるのです。

記憶力も頼りなくて、探すことの方に時間を費やすことが多くなってきました 

そこで、このブログを利用して、カテゴリー別のファイルを新たに作りました。

ブログを印刷し、作品のデータファイルのナンバーを手書きで入れてリンクさせています。

ただ、時に思うのです。

こんなことこの先どれほど役に立つのかしらと…

時間をかけて古い記憶をたどった方が良いのかも などと