どこまでも・・・

バカン・・・！
車の衝突実験のような音。
パトカー、救急車、消防車の音。
ちょっとヤバそうと思い家を出た。直ぐ近くの交差点に人だかりができてる。
破損した2台の車。
白い車の運転手がストレッチャーで運ばれるとこだった。
黒の車の人はパニクったように、警察に説明してる。
オレと同じ野次馬が学生は大丈夫かしらと話している。
学生？
巻き込まれたんだなぁと思いつつSの事を思い出す。
退いてください！と救急隊員。
話に夢中になって動こうとしない野次馬。
人のことは言えない。オレも野次馬のひとり。
凄くいい天気だったのに。
人の運命なんてわからないもんだな。
一昨日出逢った彼の事を考える。
素晴らしい世界を纏っていた。
胸が熱くなる。
オレも、オレもと心が叫ぶ。
仕事なんか手につかない。
歳取りすぎたかな？
心の奥底で怪しい火種が見える。