連日 マスコミのトップ項目にあげられ 国民の目にはどう映っているのでしょう
凄い カッコ良い とでも思われていますか?
事業仕分け三日目。
政府が掲げる核燃料サイクル政策の要である日本原子力研究開発機構の高速増殖枦「もんじゅ」が仕分け対象になりました。
予算の圧縮を受け、核燃料リサイクル政策も暗礁に乗り上げる可能性が高いのです。
日本は資源がないゆえに、科学技術分野には投資をしていかなければなりません。
科学技術分野での予算カットが目立つ事業仕分けに、疑問を抱かずにはいられないのです。
確かに事業仕分けそのものは非常にいいものだと思います。
全てを否定するわけではありません あくまでも無駄を省くことを前提にするのならです
しかし、事業仕分けがやるものには無駄であるものだけが含まれているわけではなく必要なものもあります。
「もんじゅ」の予算カットは一例に過ぎません。
仮にこの事業が失敗に終わったとしても、それに代わるなんらかの新しい技術を開発しなければなりません。
技術開発は新しいものでなければなりません。
他国が出来ない技術を生み出してこそ、そこに技術大国日本としての地位が約束されるのだと思います。
核燃料のリサイクルには様々な問題点も抱えています。
しかし、資源のない日本にはその壁を乗り越えるための努力が必要です。
それを支えるのは国です。
それすら無駄遣いだと非難されるのであれば問題だと思います。
なにも予算カットは「もんじゅ」に限ったことではありません。
科学技術分野全般で予算縮小の波が起こっています。
予算がなければ新しい技術が開発されにくくなることは誰の目にもわかることです。
そのことが問題なんです。
本当に無駄なのかを見定める力が今の事業仕分けには欠如しているように思えます。
日本は技術水準の高さを失うと諸外国に対して優位性がなくなります。
次世代産業の柱の構築が急務と言われている今日、科学分野でも明確な意味がないままに予算縮小する事は先々の日本の経済成長の首を絞める行為となります。
他に大きく削れる所は見えていますよね。
最近、大手商社が海外メーカーと組んで、自然エネルギーのプラントを受注するという話を立て続けに聞きました、中には第三国での受注もあるそうです。
大変残念に思います。
私は政府が取りまとめ役となって、国内メーカーを束ねて分野毎にチームを作り、海外の大規模プラントを受注できる時代が来ればと思っていたのですが、目先の利益を優先する商社が先に動いてきました。
しかし今の政府では、大きな取り組みを期待するのは難しいかもしれない。
専門家がいないのに脱官僚と騒いでいます。
支援できないのであれば、せめて邪魔はしてほしくない。
しばらくの間は各産業界、大学、会社毎にがんばってもらうしかなさそうです。
長引く不景気で国際競争力の低下が懸念されている今だからこそ、国の協力が欠かせないのだと思います。
国ができる支援は様々あります。
国家プロジェクトとは、民間だけでは難しいものを官民が一体となって取り組むものです。
全てを民に任せてしまうやり方だと、確かに税金の節約ができるかもしれません。
しかし、それが国益に繋がるとは思えません。
税金は国民のためにつかわれるべきものですから、国益になるものでなければならないと思います
「無駄を省く」というのが、本来掲げていた民主党の事業仕分けなのですから、その本文を踏み外すことがないように、「無駄」だと言えるものに対してだけ仕分けしていかなければならないと思います。
国益になる可能性を秘めた事業までを「無駄」だとするのでは、日本の国際競争力を削ぐことにも繋がるのではないかと懸念しています。