ひゃっかんのひとりごと

日常生活の中で感じた事を、防備録の代わりに徒然に。

Timedomain Mini考察2

2006-12-04 | TIMEDOMAIN
Timedomainの最大の特徴は「楽器と同じ構造」をしている処にある。
楽器と言うのは、振動体(弦であったりリードであったり)を拡声すると言うより
は、楽音にするために考案された構造体である。実際に楽器の音量を増大させるの
は楽器自身ではなく、ホール(器)に依って拡声されるのだ。従って演奏者は如何
に楽器の振動をホールに伝えるかに全神経を集中する訳だが(もちろん音楽的内容
も常に考えている)、良い楽器は楽器自体が「振動しやすいかしにくいか」の違いだ
けだ。
Timedomainのスピーカー構造は、ユニット部分自身が楽器と考えるとわかりやすい。
きちんと振動した物(余分な振動や残響は排して)は空気中を伝わって自然に拡声
されるのだ。従って部屋の環境を受けやすいと言えるだろう。むしろ部屋の環境を
受けない屋外の方がより良い音になるに違いない。

従来オーディオスピーカーは『ツィーターは耳の位置に』と言うのが定説であった
が、Timedomainの場合は『楽器』であるから、低い位置に置いてもキチンと高音は
聴こえてくる。何故なら低音域は床を這い、高音域は上に向かって響くからであ
る。

我々録音屋は、最高の音を求めて高い位置から音を収録する。これは楽器の特性上
一番良い音がするのが楽器より上空だからだ。
同じ事をMiniで検証してみると、全くその通りだ。Miniを最高の音で聴こうと思っ
たら、出来るだけ低い位置で設置するのが良いと思う。何故ならホールで一番良い
音のする場所で聴いているのと同じ事になるのだから。