風野耕平 その優雅な日々
朝起きて、日課の血圧を測る。 (今日も少し高目だ!)
ウィスキーを1杯、そしてタバコを1本吸う。
「酒はともかくタバコは止めた方がいいですよ。」
医者からは、そう言われている。
正直、ウィスキーもタバコも、そして葉巻も、味の違いなど、どうにも分からない。
そのくせ、止めない、というか、止められない。
パイプも吸っているのだが、これが、なかなかうまくいかない。
シャーロックホームズとは大違いだ。
途中で火が消えてしまわないように、バイブを吸うのが難しい。
いやはや、これもそれも暇なせいか、それともただの惰性なのか?
なかなか止まらない。
仕事が無い、・・・暇つぶしというのも結構大変なことだ。
いつも思う。
こんな生活を続けていって何になるというのだろう?
もう先も知れている。
耕平も、すでに70歳を超えた。
120歳まで生きるとしても、残りは、たった50年ほどしか無いのだ。
それまでにパイプの似合う男になれるのかどうか・・・。
ここまで生きてきて、未だに人生の楽しみ方というのが分からない。
何となく、そこらをうろつき回るだけで、いつの間にか日が暮れてしまう。
「もっと有意義な生活をしたら・・・。」と人は言う。
耕平自身もそうは思う。
耕平としては、たった一度の人生なのだ。
ぼぉーっとして、時間に流されていくだけでは、何とも、もったいない話だ。
もっと有意義に生きていきたいと思う。
が、考えてみると、有意義な生き方というが、私は、これまで70年間、生きてきたにも関わらず、それがどんな生き方を言うのかが、未だによく分からない。
私は、これからどうやって生きていったらいいのだろうか?
まずは健康であり続ける。 → 健康を取りもどす。
やり残した事に再挑戦してみる。
成果はともかく、私は今、何でもやってみることだけなら出来る。
自分の力を過小評価するな。
私は幸せになる権利がある。
私は出来るのだ!!
私には、今、その力と時間がある。
耕平はそう思う。
う~~~ん・・・?