まるくんの旅は青空 ~徒然なる幸福手帳~

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メゾン ド グラシアニ 神戸北野 旧グラシアニ邸 北野異人館のフレンチレストラン

2015年10月04日 09時39分36秒 | Weblog
メゾン ド グラシアニ 神戸北野 旧グラシアニ邸 北野異人館のフレンチレストラン

箱・サービス・しつらえ・料理・酒・雰囲気、これらすべての欲望を満たすフランス料理店は東京にも大阪にも絶対ありえないと確信している。
日本では唯一神戸、あの空気のなかでしか味わえないのものなのだ、フランス料理は、絶対に。
「そんなんこだわらんでもえんでないん?」
「あほかっ!!フランス料理食べに行くゆうたら滅多にないハレの日ってきまっとるんぞ!料理だけが美味しくてもだめ!に決まっとろわい。掃除がゆきとどいているか、店の雰囲気はええか、接客はきっちりできているか、客側もマナーが守られとるか、全部良うなかったらいかんにきまっとろわい」
「ふ~ん、滅多にないハレの日にねぇ?まぁしょっちゅうハレの日があるお人ですこと。おめでたいナントカ男って君のためにあるんかいね;オホホホホッ(笑)」
「うるさいわっ。だいたいフレンチなんてほんまのホンマは別に美味しいもんでなかろわい。ハンバーグやトンカツやカレー、から揚げ、ナポリタンのほうがよっぽど美味いやろ」
「・・・・・・・・・・」




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――――2012年2月ある晩のこと。
夕食中、テレビのニュースで神戸北野にある旧グラシアニ邸の火災が報じられていた。
不審火らしい。ほぼ全焼に近いという。
「おいおいっ!フレンチレストランも東京、大阪、京都はだいたい行きたいとこはめどついたんやけど、一番はじめ一緒に行った『ジャン・ムーラン』って覚えとるか?」
「なにそれ?」
「・・・・・・・・・・・やっぱりほうか。神戸のレストラン一回行ったことあろわい?」
「神戸?ああ神戸ね?みのりんちゃん、父さんはねぇ、おねえちゃんたちまだ小さいのにほったらかして、ひとりでケニア行ったんよ。ひどいでしょ」
「なんで急にそんな話なん?」
「はぁ?何言いよんよ。黄熱病の予防接種せないかんけん、私まで仕事休ませて行った神戸検疫所のついでのときのことでしょ」
「あっ、そうそう(笑)でな、そのジャンムーランて今でもワシにとってはナンバーワンのフレンチレストランなんやけど、まぁ心あるひとはみんな同じ意見じゃ思うけど、その名店は2001年にいきなり店閉じたやん。美木剛いう天才シェフは隠居して、マダムがフランスでパンでも作って余生過ごすんじゃと、かっこえかろ?」
「ほんで、それがなんなん?真似したいとか言わんとってよ###」
「いやな、ジャンムーランみたいな店をもう一度探すためにフレンチ巡りしてきたようなもんじゃけど、北浜のようけ行ったレストラン、ここは料理は凌駕しとる」
「北浜?なにそれ」
「じゃけん、ユニッソンデクールよ!あほか“なんべんも連れていってやったろわい。7回も行っとんぞ」
「あ、ライオンの橋のとこね。そんなに行ったっけぇ?」
「・・・・・・・・・・・あっ!4回ぐらいかいの?あんた行ってないのも回数いれとったわ(笑)」
「はぁ?・・・・・・・・・・・・誰と行ったんだろか?」
「まぁまぁええから、ほんでな、料理はえんじゃけど、こうなんか足らまい?神戸だったら彼のDNAとまで言わんけど、意思や腕を引き継ぐような料理人おるはずやん。けっこう弟子がおったはずじゃけん。ほんでも、ル・フェドラ、ジャンティ・オジェ、ペ・ルージュ、シェ・ローズ、ペルシエとかあるんやけどな、いまひとつピンとこん」
「その暗記力もっとほかに役立つことに活かすことできんの?」
「うるさいわっ。ほんでソムリエだったひとがおるオルフェと、美木さんがたまに帰国したら足繁く通うらしい御影ジュエンヌを選んでルミナリエのとき、わんわんとねずみと行ったけど、やっぱもの足らんのよ。一軒は店の箱はまぁまぁやけど味が悲惨(笑)。もう1軒は、味は申し分ないんやけど、なにもかもが喫茶店みたいな店なんよ」
「そんなんこだわらんでもえんでないん?」
「あほかっ!!フランス料理食べに行くゆうたら滅多にないハレの日ってきまっとるんぞ!料理だけが美味しくてもだめ!に決まっとろわい。掃除がゆきとどいているか、店の雰囲気はええか、接客はきっちりできているか、全部良うなかったらいかんにきまっとろわい」
「・・・・・・・・・ふ~ん、滅多にないハレの日にねぇ?まぁしょっちゅうハレの日がある人ですこと。おめでたい男って君のためにあるんかいね(笑)」
「うるさいわっ。だいたいフレンチなんてほんまのホンマは美味しいもんでなかろわい。ハンバーグやトンカツやカレー、から揚げ、ナポリタンのほうがよっぽど美味いやろ」
「自分のおこちゃま好みいうてど~するんよ(笑)」
「それはええとして神戸でなんとか思い出を彷彿させるような店ないかの?ほんであったんよ。北野のジャンムーランのすぐ近くに。燈台もと暗しやったわ」
「で、それどこなん?」
「今ニュースでやりよりよるわ・・・・・・・・・・・・」
「えっ火事になったここ?」
「そうじゃ・・・・・・・・・・・あ~~~あ・・・・・・・・・・・」



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 そんなわけで、落胆の色は隠せない。
まぁなんともタイミングのよい、いや悪いか?大変な落ち込みようであった。
箱・サービス・しつらえ・料理・酒・雰囲気、これらすべての欲望を満たすフランス料理店は東京にも大阪にも絶対ありえないと確信している。
日本では唯一神戸、あの空気のなかでしか味わえないのものなのだ、フランス料理は、絶対に。
ハニーとの20周年を祝う第一弾はどうしても神戸をはずせなかったのだが、やや地理的にはずれた芦屋のメゾン・ド・ジル芦屋を選んだ。
邸宅一軒屋の屋内テラス席貸切で新進気鋭の若きシェフの料理は見た目も美しく無難で美味しかった。
でも、芦屋フレンチなのだ、どこがどう違うかといえば明確にわかる。あれはマダム御用達フレンチなのだ。漢には不向きなフレンチだった。

 今回の神戸行、みのりんもけっこうフレンチレストラン同伴してきたので、そろそろ彼女も「食べるデビュー」を果たそうかな、と調べてみると、なんとグラシアニ邸が半焼だったため焼け残った材を使い、国や市の補助を受け2013年に元のすぐ近くに再建されたというではないか。しかも、今度のシェフはラ・ベ出身者。
食べつくした感のある最近、タシのなかのキーワードはネオ・クラシック。
ドンピシャリではないかっ(ウキウキ♪)。
以前、2階は区画の分かれた個室だったが、今回は広いダイニングとなり6人用個室1室のみ。これはすぐ予約せねば。
これまで「フレンチレストランへ行く」ために飛行機の予約やホテルの手配をしていたが、一昨年あたりから趣が変わった。ホテルを選んでから交通機関、料理屋を選ぶという優先順位が変わったのだ。
5月の連休明け。
テンヤワンヤの京都珍道中を終えたばかりの日。
「7月19,20日空けとけよ」
「父ちゃん、19日は松山でN饗コンサートチケット買うとる日よ」
「げげげっ・・・・・・変更せないかんな、、、、ホテルもレストランも。ほんなら8月1、2日は?」
「○○の結婚式、1日ですけど・・・」
そんわけで、日程はころころ変わったけど、ハーバーランドの宿とこのレストランはどうしてもはずしたくなかった。はずせかせませんっ。
みのりんがいるため個室利用になる。
料理もこと細かく注文つけている。

ラ・メゾン・ドゥ・グラシアニ北野
ただいま姫路より新神戸駅に到着。
いよいよ開演です―――。
「父ちゃん・・・・・・・・・駅から600メートル言いよったのにまだなん?」
「うるさいっ。え~~からはよ歩けっ」


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