まるくんの旅は青空 ~徒然なる幸福手帳~

いまは遺産OCNカフェとgooブログの合作です。

オノウエ onohoue 大阪市 フレンチレストラン 坂本充治氏の新展開

2017年05月28日 07時04分31秒 | Weblog

12月12日、のぞみ111号、11号車E11番座席にてすわ旅へ
なんと語呂合わせがよいことか。
宝くじが当たる前触れのようなドキドキ・プリキュア♪な高揚感。
♪キラめいてエブリデイッ ドキドキ! プリキュア―――
でも・・・・・・・・・・・・それはきっと大いなる勘違いに違いない。 
一路京都へ―――。
京都着8時20分、すぐに京都駅から京都線に乗り換え4駅目の長岡京。
長岡京西出口から阪急バス20.22系統で旭ケ丘ホーム前。
徒歩5分もかからず本日一番目にめざす光明寺である。
地元ではモミジの寺として有名で、最近では全国的にも知られるようになってきた。
秋は、広大な境内を数百本のモミジが紅に染め、参道の石畳もモミジで埋め尽くされる。ゆるやかな坂道のもみじ参道は、ドラマチックで華やかな紅色のトンネルになる。
もちろん、12月も第2週目となれば散紅葉も紅葉も中途半端ではあったがそこそこ楽しめた。
何より、人影がないもみじ参道は格別だ。アタシだけの世界だ。
あらかじめバス亭で調べておいた9時49分発に乗り、東台経由で長岡天神駅前。
阪急線で梅田まで。準急で茨木市駅まで行き、特急に乗り換え、淀川を渡る前に地上に出た赤茶紫色の電車は穏やかな冬空の下の大阪の街へ滑り込む。
街はクリスマス前のソワソワした活気があった。
アタシにはいつも無縁の世界のように思える。
阪急梅田駅から三番街、ホワイティうめだを少しだけうろつきクリスマスのおこぼれをもらい、観覧車のヘップ・ファイヴビルに向かうが11時開店でまだ閉まったまま。
再び地下にもぐりいつも迷いに迷うアタシ的日本一の難関鬼門梅田駅大阪駅ターミナルを東梅田駅をめざす。谷町筋線に乗りたいのに、路線ではなく、東梅田駅→とか西梅田駅←とかの表示に変わり迷うではないか、でもなんとかスムーズに東梅田駅=谷町筋線に乗れた。
谷町4丁目駅で周辺地図を慎重に見て4番出口。大阪城がすぐ近くとわかりちょっと寄り道をしてみた。
♪あたらしい服を着て はじめての道歩く
トキメク景色に おハロー! ハローハロ―――
途中、府庁舎もあるようだ。本町通の角、ニュースの北朝鮮でみかけるようなシンプルにして奇抜で異様な威圧的なビルは大阪府警本部庁舎。
上町筋沿いの街路樹や堀側の立ち木が邪魔をして太閤さんの大阪城天守閣が一向に見えてこない。府庁舎前からだけは天守閣が垣間見えた、ああ、現代でも「お上という幻想」があるのかとうんざりさせられる。
因みに被災から復興した大阪城は実は徳川幕府時代のもので本物の大阪城は地下7mに眠っているという大阪人が聞いたら卒倒しそうな事実をブラタモリで知る。
大阪城の堀と別れを告げ、再び谷町筋に戻ってきたのはいいが、なんと天満橋駅がそこにあった。一駅分余計に歩いてしまった、慌てて谷町筋を北へ戻る。
めざす三菱UFJ銀行の看板がある角を曲がり、エステムプラザ大手前エヴァース、大きなマンションの地下手前は広い空洞になっており、1階のエントランスに胡蝶蘭など花々がわんさか並ぶ。
♪曲がり角 花の色 今日のラッキーカラー ―――
この花たちが消えたとき、通りすがりのひとはこの場所を見向きもしないであろう。
銅製の看板が階段前にひっそり立つのみ。
ここがめざす本日のメインイベント「onohoue」レストラン・オノウエである。
彼彼女たちとお会いしたのが1ケ月ほど前。
最愛のレストラン「ユニッソン・デ・クール」が、ここ糸屋町というビジネス街とも繁華街とも縁遠い界隈でひっそり12月1日リニューアル・オープンを果した。
コンクリートの長い階段を、クリスマスの月という浮ついた気分をもって、ゆっくりかみ締めるように降りる。
降り立つと、そこは真上からも確認できたとおり、人工芝が敷き詰められ、樅の木の植木鉢や花壇が並び、西欧風の庭園のようだ。
天井までありそうな大きな木の2枚戸は意外にも自動扉だった。
扉がスーッと開くと同時にいつもの見慣れたはちきれんばかりの美しい笑顔と見慣れぬ可憐な笑顔にでくわした。
♪世界を変える ハッピーラブ!―――
店内はブラウン系の色合いで統一され、シックでアンティークな調度品が簡素に配置され、フランスの片田舎、たとえばアルルのおばあちゃん家に夏のバカンス中食事に招かれました――そんなイメージを受けた。
いつものように咄嗟にカメラを構え、満面の笑みにピントを合わせ、いつものようにアタシ流の優雅な午餐の開演だ。
アルルおばあちゃんのとびっきりのご馳走と目がクラクラしそうな健康的な美貌光線がここではまっている。
そして、今日あらたにお二人の素敵すぎる女性陣、接客業が天性のようなとびっきりの笑顔の持ち主と、アルルおばあちゃんのお孫さんのようなつつましやかで清楚な笑顔に出会う。
♪ツイてるあたしに ぜんぶおまかせ!-――
今日の食事おもに食材(雷鳥・トリュフ・鯖・ノドグロなど)をリクエストしたときから今日空けるワインはなんとなく事前に選んでいた。
庭に面した一番奥のいかした席に案内され、ほどなくリストをもらいお目当てのページを開けると希望とドンピシャなワインがリストされていた。
Vosne Romanee 1er Cru Aux Brulees 2011 (Michel Gros)ヴォーヌ・ロマネ・オーブリュレ2011年 ドメーヌ・ミッシェル・グロ。
ヴォーヌ・ロマネの名門ドメーヌ“ジャン・グロ”の後を継いだのが息子のミシェル・グロ。ワインのスタイルは、やや武骨ながら非常にエレガントな味わいを持っている。安定した品質で、ブルゴーニュワインの一つの指標になる堅実なワインを造っている。
赤系果実を主体に、花束、森の木の香り、スパイス、ややスモーキーなニュアンスも感じられ、複雑で気品のある香り。 果実味は程よい厚みでイキイキとしており、純粋なタンニンは熟していながらもやや硬く、綺麗な酸がしなやかさを与えている。 どちらかと言うと古典的な造りであり、豊富な味わい要素のバランスが取れ飲み頃となるには、少なくとも3年から4年ほどは時間が必要。
彼女たちの美しい瞳に乾杯だ。
アタシには心を解き放つ「とき」と「ところ」がある。
一口飲んですぐわかる。素晴らしい仕上がり。そして飲み頃。
そして、これから約1時間、刻々と変化した顔をみせてくれることも予感させられる。
刻々と変わるもの―――。
それは、ひとも、ひとの営みも同じこと。
今日、あらたな出会いの喜びと思わぬ別れの告知があった。
別れは唐突で無防備で残念至極ではあるが、愛おしい彼女の門出を祝福しようと努めることに一生懸命気持ちを切り替えた。
♪トモダチだったら 困ってる時は 力になりたい それが普通でしょ?―――
意外や意外、鯖という食材でブーケの香りを解き放ったワインは最後のメインディツシュ、雷鳥をいただくときには鉄のようなニュアンスに変化していた。
ああ、、、♪世界はまるでメリーゴーランド!――――

さようならユニッソンデクール  Unisson des Coeurs  ありがとう阪本充治シェフ 人生で最も幸せな食事  

2017年05月20日 19時19分04秒 | Weblog


【さようならユニッソン・デ・クール 大阪市北区西天満 】
本日のBGM the end of the world (世界の終わり) by pet shop boys
―なんと、この曲が収録されているアルバムタイトルが「薔薇の旋律」―
―そして、本日のワインは2011年に預けていた「2001年シャトー・ラフィット・ロートシルト」。15年の時を経て、最高の飲み頃で、バラの香りがたつこと間違いなし―
バラというキーワードではじまる1993年10月の時を経て2016年10月30日の日記
 

「おい、6時30分ぞ、家出るのがでないんぞ、電車が!ぞ」
昨夜の夕食時も明け方も繰り返し言いきかせていたのに、これまで何度も繰り返してきたビデオの再生を観ているようだ。
「えぇぇえぇえ????!?」
「あんたは壊れたビデオテープじゃのっ###あ??あ、じゃのっ#何度同じこと繰り返したら気がすむんぞっ、今度はなんぞぉぉぉぉ?!」
「あれ?ん?あれ?あれ?あれ?」
「じゃけん、なんぞ言いよんのにっ#」
「私の化粧道具知らん?」
「知るかっ、そんなもん、あんたが持っとんかどうかも知らんわっ。したこともないくせにっ###」
「あるはずのところにないんよ」
「のうてもええやいっ。化粧やか全然せんくせにっ。もうええけん行くぞ。あと10分しかないんじゃけどっ###」
「はいはい・・・・・・・・・・あっ、車の鍵忘れとった」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
6時30分の電車に乗るのに自宅を出るのが6時22分、―オンナハジュンビガナニカトヒツヨウナノヨ―なんて方便、彼女には該当しないし、アタシには通用しない。
―ナニカヲナサネバナラヌトキニカギッテ、ホカノコトヲハジメテシマウノヨネ―星人なんだから。
いつものことながらなんとか「恐怖にして神業的に」間に合うんだけど、電車に無事乗り込んでから、ここからがまたヘンテコ・テンヤワンヤだ。
「ほんで、なんでタマゴッチやか持ってきとんぞ?」
「・・・・・・・・・・死んどった・・・・・・・・・・」
「殺すなや(笑)もう犬やか飼えんぞ。みのりんはウサギ飼いたいいよったっけ?」
「そうよ」 
「あんたらには無理じゃの。死んでしまうわ」
「なんでぇ?家で飼うのに大丈夫よ」
「はぁ?家ん中でやか飼えるかっ。あんたうさぎのフン知っとんか?どこばりされるしめちゃくちゃ匂うの知っとんか、この前もすごかったろわ」
「なんのこと?」
「もう忘れたんか、うさぎ島の大久野島よ。この前行ったばかりだろわいっ」
「匂うもんも私匂わんもん」
「鼻の手術したときなんで蓄膿も治さんかったんぞ」
「そういう問題ではないでしょ」
「ほんで鳥そぼろ弁当買うとるけんいうて今しがた食べたばっかりのに、なんでサンドイッチ持ってきとんぞ。ほんでこのビニール袋のなかに烏賊センベイも入っとんですけど?今からご馳走食べに行くのになに考えとん@@?」
「えんよ、まだ8時じゃけん」
―ヒラキナオッタオンナハツヨイ―これは、彼女のための代名詞のようなもんだな。
「あっ、今日のこのお供、ティラノサウルスちゃん♪、鞄に入れとってくれんの♪」
「・・・・・・・・めちゃくちゃデカイんじゃけど?・・・・・・・・・」
「えんよ、最後じゃけん♪華々しいフィナーレにふさわしいじゃろ♪」
御堂筋線で本町駅を降り、中央線で堺筋本町に降りたときに気が付いたようだ。
「あれ?あれれ?わたしのサンドイッチ知らん?あれれ@@?」
「知るかっ###あんた新幹線のお茶台にレジ袋引っかけとらんかった?」
「キャァァア?????ッ、ショックじゃ、ほんまショックじゃ、ええ???っ?」
「・・・・・・・・・いっつもかっつもこうなん、なんとかならんの?」
嗚呼・・・・・・・彼女とはいつもかつもこうして不協和音な【心の融合】だ。
 堺筋本町駅で地上に出た。
レストランでの昼食前、かねてから念願であった北浜、船場界隈のレトロ建築めぐりをするために。
プリントアウトした地図をハニーに渡し、道筋、順路を指示したが3軒目くらいから、何故か大回りコースを主張する始末、おまけに何度もコンビニのトイレに寄る彼女はいちいち飲食物を購入するコストパフォーマンスの悪さ、やれやれ・・・・・・・・。
それでも予定していた15軒を巡り、北浜レトロまで辿り着いた。
堺筋すぐ近くに並行する御堂筋で大阪マラソン大会が開催されており、中之島の大阪市庁舎所近辺がチャレンジこーすのゴールのようで大賑わい。当然、交通規制が敷かれており、土佐堀通りを横切れなく地下道を通らなければならない。
アタシたちが北浜に到着したのが11時30分、マラソンとは別の8.8キロのチャレンジコースはすでに佳境を迎えたようでタイムアウトのランナーたちが大型バスで搬送されていた、カッコワル(笑)。
「あれ?カアコ、なんで5月でないのにバラ咲いとん?」
「トウチャン、バラは5月と10月よ」
そうか、そうだった・・・・・・・・10月のバラ――――?。
中之島のバラ園は10月のバラがちょうど見ごろで、大勢の鑑賞者で賑わっていた。
「中之島へ来るといつも賑やかじゃな」ハニーに笑いかける。
「ほんまじゃな」
若いカップルも多くいて、彼彼女たちに刺激され久方ぶりにハニーの手を握ろうと思ったけど、らしくないかなと思い直しやめにした。
「10月のバラか・・・・・・・・」アタシはひとりごつ。
新婚旅行での劇的に奇跡的に楽しかったギザのピラミッドの大地の袂での結婚パーティーを思い起こす。
――――――エジプトを離れる時間は刻一刻と近づいている。
もうすぐ明け方前のアッザーンが聞こえてくるはずだ。
静かに窓を開いた。闇のなかにポプラの木が浮かんでいる。    
静寂ななかにも激しい音がどこからともなく流れてくる。
寄せては返す波のように。 
今からでも、あの広場に舞い戻りたい激しい衝動にかき立てられた。   
誰かが体を揺り動かすかのように。                  
しかし、そのとき目にしたもので自重した。もう一つの「物語」はいらない。 
目で見やったのは妻が眠っているベッドのシーツだった。
真っ白なシーツの上には、もうすでにしおれかけたバラがあった。    
もうひとつの物語――――――
真っ白なシーツの上には、鮮やかなバラがあった。
「いっつもバラね・・・・・・・」
いつだったか妻が呟いた言葉が蘇った――――――。


 それにしても中之島はいつ来ても素敵なところだ。
パリのエスプリを、セーヌの風を彷彿させられる。
これから向かうユニッソンデクールへ2011年の夏、ふたりで行ったときの会話もなつかしく蘇る。
――――――淀屋橋に到着。
「で、なんでそっちに歩くんぞ」
「あれ、この前は橋のこっちでなかった?」
「・・・・・ああ、違う橋のなっ」
御堂筋沿いの日銀の大阪支店を背景にハニーちゃま記念撮影、はいポーズ。
ああ、くそ暑いけど気分はすっかりセーヌ河畔。
で、なんでハニーちゃま、中之島通ってなにわ橋方面行くのに真逆を歩くかね・・・・・。
「また!全然、方向違うやいっ!喧嘩売りよんかっ!」
「だって前来たときはここでなかった?」
「あんたどこの店のこと言いよんぞ?ところで今日どこ行くんか知っとんか?」
「知らんよ!教えてくれんやんっ!」
「聞かんかいっ!ユニッソンデクール!【心の融合よ!】もうちょっと前向きに心の融合してくれるかいっ!?」
「それ、いつ行ったとこだっけ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ああ、楽しや、心の融合・・・・まもなく開演です・・・・・・・。
大阪市役所を横目に強烈な木漏れ日と緑眩しい遊歩道を行きまもなく大阪府図書館。
「ここすごいだろ?ギリシア神殿みたいやろ?パンテンオンいうて勝手に思うとる。
ほれ、あそこの中央公会堂はプティ・パレ。なにわ橋はアレキサンドル3世橋、淀屋橋はポンヌフ。水晶橋はコンコルド橋。中之島はシテ島。な?ここパリに見えんか?マドリーヌ」
「おかしいひとに見える。セバスチャン」
「・・・・・・・・・・・・・・」――――――。
最初に訪れた2011年5月は中之島祭りの最中で河内音頭がそこかしこで奏でられていて、その音色やリズムはエジプト南部で聴いたスーダンの歌謡曲とそっくりで、スーダンの移民が多いパリをそこでも感じ取っていた。
今日はエジプトとパリの思い出までもが【融合した】大移動祝祭日だ。
あれから、5年、これまで最も多く足繁く通ったレストランにして最強のレストランだ。
 1ケ月前のこと、毎年4月には顧客への案内ハガキが届くのに今年はこないのかなと忘れかけていた9月、いきなり閉店の文字が躍る案内状に仰天した。
あれだけの繁盛店にして「真に美味い!!の殿堂入りの」レストランをあっけなく6年と7ケ月で閉じるとは夢にも思い描かなかった。
大阪の余所で新しい店を開くらしい。
飄々とした風貌ながら、シェフ阪本充治氏はどこかひとを煙に巻くところがあるトリック・スター(曲者師)のような偉大なる表現者なので、らしいといえばらしい。
そして彼は他の多くのシェフが「より高みに」と思い描き「よりシステマチック」な店をめざすわけではないだろうと読んだ。
むしろ、最高級なビストロ志向のほうが彼には似合っている気がしている。
そして、思い出した。
「シャトー・ラフィット・ロートシルト2001年」を預けていることを。
店にはラ・ターシュを筆頭にバタール・モンラッシェ、ムルソー・シャルム、コドリュー・ラドリアーヌ、グラン・エシェゾーなど数多くのワインを送りつけ保管してもらい低額な持ち込み料金で楽しませてもらっていたが、唯一残っていたワインだ。
「まさか店のひとに飲まれたり、紛失してしまうんじゃぁ・・・・・」身勝手タップリな妄想&ドケチ病も手伝って、ハガキを一読した瞬間、即予約電話を入れた。
閉店前日30日の日曜日、その日しか予定が空いてない。幸い予約はとれた。
いよいよその当日、今日は店と阪本氏に感謝の気持ちを込めてハニーと久方ぶりのランチ・デートだ。  
 昨日まで夏日だったのに、今日はすっかり秋風そよぐ、うららかな日曜日の正午前。
バラ園に別れを告げ、いつものお約束で、なにわ橋北詰めのライオン像とハニーをカメラに収め、店がテナントとして入るレンガビルの屋上の大きな看板「肉のダイリキ」を見上げる。
表層と深淵、その落差がこれまた坂本さんらしいとずっと思っていた。
さようならユニッソンデクール、ありがとう阪本充治シェフ。アタシが世界で最も愛してやまなかったレストラン。
今日が人生で最も幸せな食事になることを確信している。
合言葉はユニッソン・デ・クール(心の融合)――――明日2016年10月31日をもって閉店だ。
でも、これで世界が終わりってわけじゃない(It's not the end of the world)。
カモミールなどハーブが植えられた彼が愛した小さな花壇。
その手前の階段を2段上り、ドアを勢いよく開ける。
すると、これまで見たことのない、今日一日大阪中歩き回ってもなかなかお目にかかれないようなすごい美女に笑顔で出迎えられた。
もうびっくり仰天である。
いつもここでは驚かされてばかりだ。最後の最後まで。
ButIt's not the end of the world―――――。