福岡県古賀市を「福多か県」と福が多い事をコンセプトに街おこし案を考える。                   

古賀市の街おこし案を提案したい。そのコンセプトは「福が多い古賀市」ということで、来た人が幸福になるような市を目指します。

「少年よ、野心を抱け」 イノベーションは実体験から

2020-11-28 05:51:03 | 提案

「ニューノーマルを生きるメッセージ企画」宮本製作所 代表取締役・宮本隆さん

「少年よ、野心を抱け」

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新型コロナウイルスは企業活動に大きな影響をもたらしている。だが、その状況をつぶさに分析すると、都市部と地方部とで、大企業と中小企業とで、様相を異にしている部分もある。茨城県古河市を拠点にマグネシウム(Mg)の特性を生かした生活用品の開発・販売などを手がける宮本製作所は「ニューノーマル(新常態)」と今、どう向き合っているのか。宮本製作所代表取締役の宮本隆さんに聞いた。

マグネシウムの特性生かす これまでにない商品考案

――コロナ禍は、事業にどのような影響を与えていますか。

おかげさまで、影響はほとんどありません。当社の売り上げは現在、マグネシウムを利用した洗濯洗浄補助剤「洗たくマグちゃん」が主体です。発売から約8年ですが、まだ目新しい商材と捉えられており、小さなお子さんがいるお母さんを中心にご購入いただいています。月次単位で見ても、売り上げはコロナ禍以前と変わりません。

創業社長だった父の死後、私は社長に就任しました。マグネシウムは軽金属としての側面と、人間が生きていく上で欠かせない必須ミネラルという栄養素としての役目を合わせ持っています。父の時代には、マグネシウムなどを加工し自動車用部品を製造する仕事が中心でした。ある日、マグネシウムの削りかすを入れ野ざらしにしていたドラム缶を見ると、雨水が入っても澄んだままであることに気がついたのです。同じく野ざらしにしていた鉄かすが入ったドラム缶は赤茶色に濁っていました。そしてマグネシウムのドラム缶の水に手を入れたら、油汚れもよく落ちたのです。その実体験を基に、後に私が考案したのが「洗たくマグちゃん」で、特許も取得しています。

高純度のマグネシウムの粒をメッシュの袋に入れた商品ですが、これを水の中でかくはんすると、弱アルカリイオン水が生成され、洗浄力を帯びた水に変化するのです。発売開始以来、「洗たくマグちゃん」シリーズは累計600万個を突破したのは、これまでにない画期的商品であることに加え、人々の健康や地球環境にも配慮した商品だとお客様に認識いただいているおかげだと思っています。

イノベーションは実体験から
リモートワークとの兼ね合い考える

――コロナ禍で社員の働き方への影響はいかがでしょうか。

コロナ感染者が五桁の数に上っている東京と違い、茨城はまだそこまでいっていません。古河の本社で働く社員は、コロナ禍前と変わらず出社しています。ただ、東京支社の社員に関しては、さすがにそうはいきません。急遽、リモートワークの体制を整え、現在も継続しています。ただ、私はイノベーションというものは、実体験から生まれてくる部分が大きいと思っています。ですから、リモートワークとの兼ね合いを考えながら、イノベーションが生まれやすい環境をつくっていきたいですね。

<picture><source srcset="img/miyamoto/img_01_lg.jpg" media="(min-width: 768px)" />「SDGs」12番目は「つくる責任 つかう責任」。「洗たくマグちゃん」での洗濯排水を農業に役立てる計画を進行中 </picture>「SDGs」12番目は「つくる責任 つかう責任」。「洗たくマグちゃん」での洗濯排水を農業に役立てる計画を進行中

子や孫の未来のため、「ニューノーマル」より原点回帰

――「ニューノーマル」といわれる世の中ですが、これから先の展望や宮本製作所の立ち位置について、どうご覧になっていますか。

コロナウイルスは突如現れ、猛威を振るっているように見えますが、人類の歴史を遡れば、過去にもペストなどの危機に何度も見舞われてきたわけです。その原因を自分なりに探ってみると、人々の生活に起因する部分がかなりの比重を占めるのではないかと感じます。コロナ対策として、マスクをしたり、3密を回避したりしていますが、一番の防御は免疫力を高めることではないかと思っています。自分の健康は自分で守る。そのための努力が大切です。

17ある国連の持続可能な開発目標(SDGs)の12番目に「つくる責任 つかう責任」があります。その目標から逸脱しないよう、人々はもっと自分の健康や地球環境問題などにしっかりと目を向けるべきではないでしょうか。今回のコロナ禍は、そのきっかけを与えてくれているように感じてなりません。「ニューノーマル」といわれますが、むしろ原点回帰だと思います。便利さや経済効率ばかり追い求めるのではなく、自分たちの生活をもう一度見つめ直す。今、求められているのは、その基本に立ち返ることと人々の連帯感の醸成ではないでしょうか。

私には孫が3人います。かわいくて仕方ありませんが、世のすべての子どもや孫たちにも幸せになってもらいたい。「洗たくマグちゃん」を使った洗濯排水を農業に役立てる計画を現在、進めているのも、子や孫の未来が少しでも良い方向へと変わっていけるよう願っているからで、そのための努力を会社としては粛々と重ねていくつもりです。

夢を見つける一番の近道は、好奇心を持つこと

――最後に次代を生きる若い人たちへのメッセージをお願いします。

札幌農学校(現北海道大)を開いたクラーク博士の有名な言葉に「Boys,be ambitious」があります。「少年よ、大志を抱け」と一般に訳されていますが、私は「少年よ、野心を抱け」と伝えたい。世の中を少しでも良くするために自分は生きるのだという気概を持ち、何をすれば貢献できるかを考える人間であってほしい。そう願っています。そうした人たちが増えれば、きっと支え合いの社会にシフトしていくはずです。何事も計算づくで、お金でしか価値を図れないというのではあまりに悲しすぎます。

それから夢を持つこと。夢を持ち続けていると人生が変わります。「執念ある者は可能性から発想する。執念なき者は困難から発想する」。松下幸之助さんの言葉です。私は誰よりもマグネシウムを愛しています。だから、マグネシウムならもっといいものができる、もっと改善できる、その信念で試行錯誤を重ね、「洗たくマグちゃん」などマグネシウムの特性を生かした商品開発にこぎつけることができました。若い人の間で「夢が持てない」という声を聞くことがありますが、それは想像力や先見性に欠けているからではないでしょうか。まず何事に対しても好奇心を持つ。夢を持つための、それが一番の近道だと私は信じています。

宮本 隆さん

プロフィル

宮本製作所 代表取締役

宮本 隆さん

1949年東京都生まれ。5歳の時、埼玉県川口市内に転居。同県内の公立高校を卒業後、父親が営む宮本製作所に入社し、家業を手伝う。父の死に伴い2003年から社長。「誰よりもマグネシウムを愛する男」と自称する。


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