ティーカッププードルについての考察

ティーカッププードル、一時期話題を引っさらった極小のプードルですね。
名前の通り、ティーカップに入っちゃうぐらい小さなプードル。
武富士かなんかで使われてたチワワのかわいさに触発され、小型犬ブームが到来し、（し？）
それに連鎖する形で付加価値の高い犬として、非常に高価な値段で売買されてる。
価格は大きさによって決まるらしく、小さければ小さいほど高い。
確かにぬいぐるみみたいにちっちゃくてかわいいね。


でもね、ここで問題がある。

それは、

実際問題、ティーカッププードルなんて犬種は存在しない。（知らなかった）


調べたところによると、犬の血統を発行する機関で認めてるプードルは、スタンダード、ミニチュア、トイだけ。

じゃあなんでこんなティーカッププードルなんてことが、まことしやかに言われるようになったかというと、
もちろんちっちゃい犬の流行が背景ってのがあるんだけども、消費者心理として

　　「高いものは無条件でよいもの」

ということがあるから。

んで、不良ブリーダーとかショップとかがそれに付込んで、
無理やり極小のプードルを交配で生み出し、（特に小さいトイ同士を掛け合わせる）
消費者にとって魅力的なネーミングをつけた。
それがティーカッププードル。と理解してる。
時には単なる未熟児だったりするらしい。
因みに血統書には、ＰＴ（＝本当はＰｏｏｄｌｅ　Ｔｏｙ、無理やりＰｏｏｄｌｅ　Ｔｅａｃｕｐ）と表示されてるみたいね。


でね、このティーカッププードルなんだけど、こういった無理な交配とか、
知らず実は未熟児だったとかいうことがあって、トラブルが発生しまくってるらしい。
例えば、極端なまでの虚弱体質、足の骨が発達しないが故の歩行困難＝度重なる手術。
遺伝性疾患などなど。


う～ん。
ぱっと思うのは、未熟児を別にして、やっぱり自然を不自然な形で曲げちゃいけないよね。
ティーカッププードルって、実は人間のエゴの具現化みたいな存在なんじゃないか・・？



でもさ、“自然を不自然な形で曲げちゃいけない”なんて、一見正論そうな論調を振りかざしても、

　　　『元ある自然の形を改造する』

　　　『良かれと思うようにある形を変形せざるを得ない』


というのが、人間の“自然”である、というならばどうもならん。
よく考えてみれば、そうして今まで世の中成り立ってきたんだしなぁ。
今の生活を振り返ってみても、元ある自然形のものをまんま使ってるなんて、ほとんどないんじゃないか？
石油しかり、鉱石しかり、木しかり。
なにかしら便利なように、いい感じになるよう変形させてる。
それが生命という枠組み、しかも娯楽というカテゴリーであるという辺りで、
このティーカッププードルは確かに問題だろうけど。


でも、今回の場合は、“娯楽”の為の改良結果として虚弱体質になってしまった、ってあたりが特に問題なんでしょ？
交配は神のみぞ許されるという宗教の話は別にして。
ブリーダーとか悪徳ショップとかが、ティーカッププードルと偽って不当利得を得るということは確かに間違ってるが、
実はそれが丈夫な犬種、つまりティーカッププードルとして成り立ってたら、
そこまで声高に「悪徳に注意！」とかいわれないんじゃないかな？分かんないけど。
少なくとも一般消費者からは言われないような気がする。
でも実際にはすごく（く？）問題になってる訳で・・。


と、ここまで考えたところで、ふと疑問があがる。
改良した結果、虚弱体質になってしまったってあたりが特に問題であるとすると、


じゃあブルドックは？ウェルシュコーギーは？？


同じく意図的な交配によって、しかもこの場合は人間の“娯楽”の為に改良されたんじゃない？？
なのに現在広く世の中に受け入れられてるよね？？血統もついてる。
ティーカッププードルが問題になってるのはただ単に、言い方は非常に悪いけど改良に失敗したから？？
上記２犬種みたいな無理のない交配なら行ってもいいのか？？あくまでも経緯を別にした結果論として。



混乱。



なんだか分からなくなってきた。
実はよく分かってもいないし。（なら言うな）

とりあえず、ティーカッププードルと名のつく犬は飼わないよ。
極小のプードルも飼わない。