特定非営利活動法人 総社商店街筋の古民家を活用する会 ブログ

総社商店街筋や総社市内に残る古民家などの保存及び活用について、さまざまな切り口からアプローチしていきたいと思っています。

「堀家住宅の利用を考える会」の歴史 (朧堂)

2009-11-09 21:15:04 | 町並み

2004年の総社宮での「みにこん祭」から「れとろーど」かわり、現在に至る流れをちゃんとした形でアップしてゆきたいと思っています。

同じく「宮筋文化堂」においても、5年に渡る「堀家住宅の利用を考える会」との関わり、学生達が自らの意思でリフォームをし、調度品を揃え、コミュニティーカフェに仕上げて営業にこぎ付けた記録なども同時にアップして行く予定です。

これは、最近よくありがちな行政頼みの町角再生とかではなく、学生達が主体となり、自らの意思で造り上げていったという事が素晴らしいのです。
そしてそれに惜しみなく応援をしてこられた「堀家住宅の利用を考える会」の皆様にもエールを送ります。(残念ながら私は「宮筋文化堂」プロジェクトに協力出来ませんでした。残念!)

という訳で
ゆきさん、宜しく!



活動の歴史その2・・・堀家住宅現況調査の記録 (2003年5月)

2009-11-09 18:38:28 | 活動史
会として活動を始め利用方法を討議していくなかで、堀家の建物としての現状はどうなのか知りたいという要望があり、建築家グループに協力をお願いして現況調査をしてもらおうということになりました。

2003年5月6日、「森と住まい手と建築技術者の会」(http://ww71.tiki.ne.jp/~morinokai/)のメンバー4名が参加して現況調査が行われました。
5月25日にいただいた調査結果の報告(一部省略)を以下に掲載します。


「堀家住宅の現況調査の報告」

はじめに

2003年5月6日、総社市の堀家住宅の調査を行った。調査の目的は、堀家の保存状態を知るためであり、調査の性格は概略的な調査というべきものである。

調査の概要

1.調査は時間的制約があり、主屋のみについておこなった。実施した調査目的は次のとうりである。

(1)主屋平面図の作成
(2)建物傾斜程度の測定
(3)建物不同沈下の測定
(4)シロアリ等害虫による被害状況の把握

2.調査結果

(1)主屋平面図
 略
(2)建物の傾斜程度
 下図に示すとうりである。
 数値は柱1mあたりの傾きの量を示している。図の数値を見ると傾斜が極めて大きい数値を示している。

(3)建物の不同沈下
 下図に示すとうりである。
 図の数値を見ると、場所により沈下量が異なり、かなりの不同沈下をおこしている。

(4)害虫その他による被害
 建物西側の畳床部分の一部につき、畳および下地板を取り、床下の状況を調べた。畳の下地板は新しく直されていた。床下の部材は古いがしっかりしたものが残っているとの印象である。畳が新しいことから考えて、畳を新しくしたとき床下の点検修理が施されたと思われる。ただし、床下をのぞいた感触では床下の湿度は高いとみられ、床下通気が十分でないと思われる。
建物東側の部分の床下は調査出来なかったが、特に道路より奥まった部分は1階床が老朽化しており、害虫、腐朽による被害が予想される。また1階柱、桁につきシロアリの被害が見られた。

(5)耐震性能
 ここでは一応の耐震性能の目安を得る目的で建築基準法の壁量計算を行い耐震チェックを行う。
 その際こまい土壁については基準法壁倍率0.5とされているが、最近の研究により両面壁塗りされたものは1.5とすることが可能と思われるので、ここではこまい土壁の壁倍率1.5として計算する。
 計算の結果、こまい土壁が期待される耐震性能を発揮するとした場合、奥行き方向(南北方向)はほぼ必要壁量を満足しているが、間口側(東西方向)は必要壁量の30%あまりしか確保出来ていないのが実情である。
 さらに現況建物は屋根が本瓦土葺きであること、外壁が大壁土塗りであること、軒も土で塗られていることなど、基準法の壁量計算が想定する重量より重いと考えられ、その場合地震の際は計算結果より不利側に働くことになる。
 近年の鳥取西部地震、広島の地震の際、瓦が落ちるなどの被害がなかったと思われる点は安心材料と言えるかもしれないが、現行法規の求める耐震性能からみれば、間口側が決定的に不足しているのが実情である。

(6)その他
 道路に面する2階軒先がかなり垂れ下がっている点は注意が必要である。大地震時には瓦の落下の危険性がないとは言えない。

診断

1.行政による調査実施の必要性

 保存状態についてのより正確な情報を得るため、所有者である総社市による調査を求めたい。

調査項目として予想されるもの
(1)建物現況基礎資料の作成
(2)構造体の保存状況の調査
  ・シロアリ、腐朽菌等被害状況
  ・柱、梁接合部の傷みの状況
  ・こまい土壁の保存状況
  ・その他

2.今回調査にもとずく診断

主屋部分は構造の上からみると道路に面する東西棟(A棟とする)、A棟の西奥の南北棟(B棟とする)、A棟の東奥の南北棟(C棟とする)の三つの部分に分けることが出来る。

(1)再利用の可能性
今回調査の段階での判断としては、A棟、B棟は再利用可能と思われる。C棟は相対的に老朽化が大きく進んでいるが、再利用可能と思う。ただしシロアリの被害状況、梁柱の接合部の痛み状況等のより詳細な調査結果に基づいて最終判断してほしい。

(2)修復の程度
再利用するとすれば、どの程度の修復になるだろうか。
堀家の現状からみると、仕上げを変えたり、建具を変えたり、痛んだ部分を一部修理したりするという軽微なものではなく「構造的な修復にまで及ばざるを得ない」と思われる。

(3)予想される構造的修復工事の内容
・屋根は葺き替えることを前提に、屋根瓦を降ろし葺き土を撤去する。
・屋根を降ろしこまい土壁を残した状態で構造体の傾きや不同沈下を出来るだけ修正する。
・必要な耐震補強を施す。
・屋根は下地、垂木が傷んでいる場合はやりかえ、瓦は耐震工法のものとする。

*******

(*)この調査報告は、「堀家住宅の利用を考える会」から総社市に提出されています。

(記 吉井)



出口和弘木彫と木版作品展

2009-11-09 18:02:49 | 活動日誌


「きび工房 結」にて、
堀家住宅利用を考える会の出口和弘さんの展示が行われています。


         

今月のギャラリーは、総社の れとロード の水あめおじさま
「出口 和弘さん」の手彫りのお盆、版画展です。

はじめての個展を、12月で定年を迎えるにあたり、 現役のうちにという、
新たなはじまりの作品展です。
「結」の一周年記念の月にふさわしいものになりそうです。
ぜひいらしてください。

   {結サイトより転載}

         


蔦文様の鏡と給仕盆。


古いラヂオの上の笹文様の給仕盆。

夕凪彫という技法から派生した「みの彫」という彫り方だそうです。
彫らない部分を残すことで、上に載せるものが安定するのがこの彫り方の特徴だそうです。
美しくも機能的なのですね。

一番上の写真の木版画は、年賀状用にはがきサイズ、おめでたい絵柄です。
こちらは販売もいたしております。
多色刷り木版で200円!(安い。。。)
売り切れそうですので、お早めに

展示期間は11月の 
14(土) 
21(土) 22(日) 
28(土) 29(日)

営業時間 : 11:00-18:00

結のコーヒー、紅茶(ジンジャーシロップ)何れも300円
米粉のプチホットケーキ  300円
お家ごはんランチ 500円 (限定10食)
とともにお楽しみください。

11月14日(土)15時からザ十二ヶ郷・陽水ライブもあるそうですよ。
1,000円(ワンドリンク付)ですって。


しかし、初日(8日)に行けばなぜか、あとからあとから堀家メンバーが・・・



結マダムのサザエさんとbenさんはともかくとして、
栢原さんが来たとおもったらユキサンが来て、吉井さんまで。。。

ユキサン曰く「ブレーメンの音楽隊」だそうですが。。。



              (石本・写真 時実・筆及び写真加工)

活動の歴史その1・・・「堀家住宅の利用を考える会」発足!(2003年3月)

2009-11-09 17:23:01 | 活動史
堀家住宅は、岡山県内洋画の先駆者堀和平の生家であり、江戸時代の後期には廻船問屋や両替商を営んでいた豪商でした。当時の面影を残す建物が岡山県総社市の商店街(通称宮筋)に残されており、2002年に和平の孫にあたる堀堅三氏(故人・当時東京在住)より「地域文化の発展に役立ててほしい」と地元総社市に寄付されたものです。
寄付された後利用方法は決まらず空き家になったままでした。

2003年3月21日、「こんな立派な建物が空き家のまま放置されてるなんてもったいない、なんとか利用出来んの?」と考えた市民有志が声を掛け合い堀家を見学、意見交換をしました。
・商店街の活性化も視野に入れたい。
・県立大学の学生が自由に表現出来る場として若者であふれる環境に。
・市民グループの活動拠点にしたい。
などの意見が出されていました。

その場で「堀家住宅の利用を考える会」発足
定期的に会合を開き、具体的な活用法などをまとめ、市に提言することをめざす。
代表・林 正美

(記 吉井)