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賃貸住宅コラム(ビューティフルオーナーズ)第50回 1144

2025-08-09 11:43:55 | 賃貸住宅サービス

委任状や契約書に自筆でサインができるうちに

キーパーズでは、ご遺族から遺品整理だけでなく不動産や車の売却など様々な相談が入ります。

その際に必要になってくるのが、委任状や契約書などの書類です。

依頼者の多くは相続人となる方々からですが、高齢の方が相続人であることも少なくありません。

その時に意識しているのは、手続きを敏速に行うことと同時に、依頼者が申込み時に自分の意志をもって自筆でサインができるかどうかの確認です。

10年くらい前ですが、ご自身が一人で生活をするのが難しくなり、施設に入るので住んでいたマンション売却のお話がありました。

ご依頼後、なかなか買い手が見つからなかったのですが、半年後やっと売り先が決まったのです。

ご本人にすぐに報告しましたら、「やっと売れたのですね。ありがとうございます。」と、とても喜んでくださったのです。

ところが、一週間後に売買契約を開始しようと伺った時には、ご本人の意思表示が不可能になってしまったのです。

高齢の弟様が立ち会ってくださり、一所懸命ご本人に問いかけてくれたのですが、ほぼ反応もなくボクも焦った記憶があります。

この方の場合、ペンを持って字を書くことができなくなっただけでなく、何度も話をしていた私の顔もわからなくなってしまったので、司法書士に依頼して法定後見人を選任してもらう手続きを依頼することになり、予定外の費用と時間がかかってしまったのです。

またある方の場合は、ご遺族の相続人を確定するための調査を弁護士に依頼する際に、相続人からの委任状をもらう必要があったのですが、ご本人が書くのが難しいからと奥様が代筆して送ってこられたのです、はじめは私も気づかなかったのですが、どうも話の流れがおかしいので確認するとご主人に頼まれたので自分が書いたとおっしゃったのです、もちろん再度書き直して頂きましたが余分な時間や郵送などの費用も発生しました。

不動産の売買や登記に関わる場合は、ご本人の意思確認はもちろん、実印と印鑑証明、そして自署サインであることが必須なので、高齢の親や親せきが契約などを行う可能性がある場合は特に注意しておいたほうが良いと思います。

また、ビューティフルオーナーズをお読みになってらっしゃるオーナー様の多くは、賃貸物件を所有しておられ将来、事業承継や相続の問題をかかえてらっしゃることも多いとは思いますが、ご自身が高齢になったときのことを考えておきある程度早い段階から、準備をしておくことはとても重要だと思います。


賃貸住宅コラム(ビューティフルオーナーズ)第49回 1144

2025-06-07 17:46:46 | 賃貸住宅サービス

事前整理を行う理由を明確に

最近、講演会の主催者様からの要望で、家財道具の事前整理(生前の整理)のポイントや時期などのアドバイスになるようなお話もお願いできないでしょうかという要望が多いのです。

たしかに、”終活”という言葉が流行して、死についての準備や話がタブーでなくなったのは良い事だとは思います。

しかし、同居や入所、入院に伴って転居が必要になったので家財を整理するのならともかく、そのまま自宅に住み続けるのに、なぜ家財を片づけないといけないのかが私には理解できません。

ですので、講演では自分がいつ亡くなるか分からないのに、なぜ早々と荷物を片づけなければならないのかをもう一度よく考えてみてくださいとお話するようにしております。

例えば、部屋に荷物があふれていて部屋の衛生状態がよくない場合や、壊れた家電家具の処分、元気なうちに自宅を売却して賃貸住宅に転居したり、高齢者施設に入所したり、子供と同居する為や、足腰が悪くなって階段を上がれなくなったので二階の部屋を整理するため、など具体的な目的が有ればいいのですが、なんとなく「子供に迷惑かけないように」という考えでは、片づけてしまってから後悔する可能性があるので注意してくださいね。

実際、自分の身の回りの物の片づけを誰かにお願いするのは、申し訳ないという気持ちになるのは理解できますので、少しでも手間にならないようにと言う考えからそうなるのでしょうけど、極端に荷物が多いなど特別なことがない限り迷惑だと思わなくても良いのではないでしょうか。

迷惑を掛けるのは良くないことですが、「迷惑」とは、自らがするべき事を忘れてたり怠慢や手抜きなどの理由によって行わず、第三者の手を煩わせたり困らせたりすることですよね。

私を含めて、自分の死後に自らの遺品整理が出来る人は世の中に存在していないので、死後の事務処理のすべては誰かにやってもらうのが当たり前で、みんな順番で誰かのお手伝いをするものだと思いませんか?

家財を整理することよりも、死後お世話になるだろう人をちゃんと決めておき、自分の希望をしっかりとした形で死後事務委任契約や、公正証書遺言を書面にて記しておき、その時にかかる費用などで迷惑かけないようにしておいたほうが良いと思います。

また、不動産は故人の登記名義のままでは売買が出来ないので、遺族を探し確定したり、遺産分割協議をして相続登記を行うなど、時間と費用が掛かることも多いので、元気なうちに売却するなどの事前整理(生前整理)のほうが重要だと思います。


賃貸住宅コラム(ビューティフルオーナーズ)第48回 1144

2025-04-05 18:27:39 | 賃貸住宅サービス

滋賀県を通る鯖街道の「鯖寿司」

遺品整理サービスを始めて23年が経過しましたが、有難いことに全国の自治体や社会福祉団体などからお声掛けいただき、『遺品整理の現場から学ぶ「地域社会から孤立しないように」』という講演会を行ってきました。

一昨年は、滋賀県の高島市役所に招いて頂いたのですが、私はこのお話があった時に"やった!!"と心の中で呟いたのを覚えています。

なぜなら、高島市の朽木栃生(くつきとちゅう)という場所に、私の大好きな食べ物の中のベスト3に入る「鯖寿司」の店があるからで、約30年間ほぼ毎年購入させてもらっている店があるからなのです。

実は、この時期に長男がぺルテス病という病気になってしまい、滋賀県の守山市にある滋賀県立小児医療センターに一年以上入院していた時期があったのですが、ずっとベットでの生活で歩くことができなかったので毎週大阪から車で病院に行き月に何度かは車に乗せて滋賀県中をドライブしていた時期があったのです。

ある日琵琶湖大橋をわたり栃生を抜ける鯖街道を通って若狭湾に向かっていた時に偶然この店の前を通り店を見た途端、絶対ここは美味いだろうと”ビビビッ”っときたので伺ったのが始まりでした。

私は複数あるお店の中でも「栃尾梅竹(とちううめたけ)」という店でしか購入しないのですが、その店の鯖は肉厚で脂がのっていて、すし飯の相性がとてもよく絶品なのです。

昔、板前だった私がびっくりするくらいの旨さで、自分が作るよりもはるかに美味しいと思うのです。

必ず、注文が入ってから作るので、鯖の身が寿司酢でやけて白くなることがなく刺身に近い状態で食べられます。

行った時には奮発して、他では味わえない一番高い極上の鯖寿司を二本以上買い、一本はお店併設のイートインコーナーでお茶をいただきながら食べて、あとは持ち帰るのが私の至福となっているのです。

大阪まで帰ってきたも問題なく美味しいのですが、時間が経ちすぎると酢が回ってしまい身が固くなってしまうので、せっかくなので翌日まで残さず当日中に食べてもらいたい逸品です。

鯖街道とは、その昔、車も電車もない時代に若狭湾と京都を結ぶ街道の総称で、鯖だけでなく魚介類を運ぶ交流の道路でだったそうです。小浜で水揚げされた鯖をその場で塩をして丸一日掛けて京都まで運んだのがその名の由来で一塩ものの鯖は「浜塩の鯖」と言われています。

ちなみに、近年は多くの鯖をノルウェーから輸入しているので、ノルウェーと日本の空路を「現代の鯖街道」と例える人もいるそうです。


賃貸住宅コラム(ビューティフルオーナーズ)第47回

2025-02-10 17:39:37 | 賃貸住宅サービス
今後の納骨堂ビジネスをどうとらえるのか

現在、全国で納骨堂が年々増えて 厚生労働省の発表によると、2020(令和2)年度は13,038ヶ所にまで増加しているそうです。
以前のように、お墓に行き家族で草むしりをして墓石を洗って、お菓子や供花を添えて僧侶のお経を聞くという慣習は徐々に消えてきました。
納骨堂が急激にどうかした背景には宗教法人(以下、寺院)の檀家離れが一つの原因だと考えられます。
寺院の自力では、新しい檀家を獲得する営業力はありません。そこに目を付けたのが葬儀社や仏壇仏具や墓石を販売している事業者で、寺院の敷地内に納骨堂を建設してもらい完成後にその販売代行を行うというものです。
寺院の敷地内ですので、許可はおりやすく販売代行会社は建設費用を負担する必要もありませんし、敷地に対して墓地よりもたくさんの納骨スペースを確保することが出来ます。
予約された段階で入金が発生しますので、実際に納骨される前にも建設費を回収していますし、予約した方が増加すると新規の檀家のような会員が増えますので、法務を増やすことにつながります。
納骨堂を販売することで事業者にも販売手数料が入ると同時に、葬儀の獲得であったり仏壇店や墓石店であれば、見込み顧客や取りこぼし顧客の防止にもつながります。
こうして、寺院側と販売代行をする側と双方にメリットが生れ急増したのです。
また、これほどまでに納骨堂が増えた背景には、納骨堂を購入するユーザー側にもメリットが大きかったということも言えます。
様々な理由がありますが、一番大きな理由は、少子化核家族化だと言えます。
この影響によって、親せき一同が集まって行う行事が減って関係性が薄れてきています。
以前は、お盆やお盆前に親せきが集まって夏の暑い日など直射日光を浴びながら、みんなでお墓掃除のためお墓参りしていたことが出来なくなりお墓の管理そのものが難しくなってきたのです。
それに対して納骨堂は、掃除する手間もなく冷暖房管理の綺麗な施設ですので気軽にお参りできるのです。
以前のように、郊外にある霊園まで足を運びお墓掃除を行って帰ってくると、一日作業でくたくたになっていたことに対して、最近は納骨堂営業会社が寺院との提携で駅近くの交通アクセス抜群の場所に高層階建ての納骨堂を数多く建てているので、いつでもお参り出来る場としても人気となっているのです。
また、納骨堂のスペースは、30年などの期間貸しとしており期間がくると申し出と、追加の費用を支払わない限り合同墓に移されて永代供養とされる仕組みになっており、販売価格においても、墓地を購入する価格に比べると格安で購入できるので一般ユーザーには購入しやすい価格となっています。
結果、今後廃霊園が増加することが予想されます。

賃貸住宅コラム 第46回目 1144

2024-12-11 11:16:56 | 賃貸住宅サービス
バランスが崩れないように自分チェックを。

私は、会社を経営維持するためだけでなく、自分の健康維持や人間関係の維持など様々な事柄を長く良好な状態に維持することを一年中意識しています。
しかし、常に環境は変わり続けていて、何事にも相手が存在しそれぞれの考えの変化もありますし、自分の気づかないところで自分の体調や考えも変わっていくのは当然ですよね。
でも、そこを何とかしないと良好な状態を維持できず、関係が崩れて停止してしまいます。
そのために私は、「自立」という言葉を意識しています、この言葉から考えると次のような考えになります。
自立するためには、バランスが取れていないといけない。
バランスをとるためには、自分がどちらかに偏ってないかを客観的に確認しなければならない。
そして、どちらかに偏ってきたら微調整をしてバランスの良い状態にしないといけない。
そうすることによって自立が保たれるので、誰かの手を借りたり、依存したりしなくていいので、相手との適当な距離を維持することができて、関係が悪化したり疎遠になって消滅したりすることなく、維持継続しやすくなると思うのです。

つまり、皆さんがいま生きているということも、ある意味ではバランスが保たれているということです。
長い人生の間に、身体を故障してバランスを崩したことがあるはずですが、その都度、皆さんは病院に行って故障したところを修理してもらい正常に戻してきたのですよね。
あまり病気をしない健康な人は、身体が故障しないように日ごろから細かく自身のチェックをしているということになります。
だから、常に自分の状態を自分でチェックしておくということはとっても大切なことだといえますよね。

しかし、残念ながらキーパーズが遺品整理をお手伝いさせて頂いた故人様の中には、このようバランスが取れていなかった方も多いように思えます。
社会から孤立してしまい人間関係をほとんど失ってしまった生活をされていたような方の遺品整理の現場では、悲しく寂しい生きざまが残されていてるのです。
人間はある程度の頻度で誰かと会話をしておかないと、どんどん会話がおっくうになってしまいほとんど無言の日常生活となってしまいます、こうなってからでは自力でバランスの取れた良好な生活に戻すことはほぼ困難だと思います。
たとえそれに気づいて助けようと思ってくださる方がいてもご本人の相当な努力がなければ難しいのが現実なのです。

だから、そうなる前に自主的に、身体的健康(病気)、社会的健康(人間関係)、経済的健康(お金)、精神的健康(考え方)のバランスが保てるような意識をもって生活するこが大切なのです。

年に数回でも良いのでこの4つの健康を意識して自分の状態を確認されてはいかがでしょうか。