心に残っている本。
『秘密の花園』 バーネット 光文社古典新訳文庫
大好きな梨木香歩さんの『『秘密の花園』ノート』を読んで、
これを読みました。
児童文学だと思っていたけれど、結構奥が深い。
自然が人を癒す力と、子供に愛情を注いで育てることの
大切さを実感しました。
『遠い太鼓』 村上春樹 講談社文庫
新聞の紙上読書会で、毎月のお題に対して欠かさず投稿して
いた98才のおばあちゃん。
若い人に勧めるとしたら?の問いに、
村上春樹は読むべき、特に『遠い太鼓』が良い、と答えていた
ので読んでみました。
結構厚い文庫本だったけれど、ユーモアがあって笑えました。
言ってみればただの旅行記・・・どこがおばあちゃんの勧める
ポイントなんだろう?と思っていたら、最終章でそれが分かる
気がしました。
もっと若い時に読んでいたら、ひょっとしたら違う人生を歩んで
いたかも?と思わせる本でした。
『祖国とは国語』 藤原正彦 新潮文庫
『国家の品格』のひと。そっちは読んでいません。
国語が何故大切なのか、よく分かりました。
あと、「愛国心」が英語ではナショナリズムと、パトリオティズム
とに区別されていることを知りました。
日本語でも区別されるべきだと思います。
『流れる星は生きている』 藤原てい 中公文庫
藤原正彦さんのお母さんの、3人の子供を連れた満州からの
引き揚げの様子を描いた本。
壮絶というのは、こういうことを言うのだろうと思います。
そして、ていさんの激しい性格が頼もしく思われます。
もし自分だったら・・と考えると、とても自信がありません。
『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ ハヤカワepi文庫
なんとも切ない。
最後は救いがあるのかと思いきや・・・・・・
今年は映画が公開されるようなので、観に行きたいです。
『肩甲骨は翼のなごり』 デイヴィット・アーモンド 創元推理文庫
児童書だけれど、大人が読んでも読みごたえ十分。
この本に出会えて良かった。
いつか娘に読んで欲しい。
『サクリファイス』 近藤史恵 新潮文庫
数年前からの自転車ブームに我が家も少し乗っかってますが、
自転車のロードレースのルールなんてものは、全く知りませんでした。
他のスポーツにはないものがあります。
そして、これはミステリーのようでミステリーでなく・・「サクリファイス」
の意味が最後に分かります。
これを読んでから、ツールドフランスを観ると、面白い!
他にもあった気がするけど、こんな所かな。
今年はもっと本を読みたい!
といっても沢山読んでるわけではないですが。
そんな中で、今年読んで心に残っているものベスト5。
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』 米原万理 角川書店
今年一番の衝撃。なぜもっと早く読まなかったのか!
『ジェイン・オースティンの読書会』 カレン・ジョイ・ファウラー 白水社
これがきっかけでオースティン全6作品読破しました。
『夜は短し歩けよ乙女』 森登美彦
珠玉の言葉がたくさん(笑)。ツボにハマった。
『楢山節考』 深沢七郎 新潮文庫
旦那と読んで語り合った。緒形拳の映画も見たい。
『モンテ・クリスト伯』 全7巻 アレクサンドル・デュマ 岩波文庫
復讐するだけなのかと思ったら、意外に宗教色が強い作品なのね。
5巻あたりからノンストップでした。
読みながら、映像化するなら主人公は誰が良いかなと考えました。
私のイメージではクリスチャン・ベールあたりが良いのではないかと。
でも、ジェラール・ドパルデューでドラマ化されてるらしく・・かなり
意外だけれど、ぜひ観てみたい。
新刊では大好きな梨木香歩の『f植物園の巣穴』が良かったです。
![]() |
空中ブランコ (文春文庫 お 38-2) 奥田 英朗 文藝春秋 このアイテムの詳細を見る |
今頃ですが、一作目の『イン・ザ・プール』と併せて読みました。
奇妙な病気にかかった人たちが神経科を訪れるのですが、
そこの精神科医がこれまたとんでもなく変な医者で・・といった話です。
『イン・ザ・プール』は、まずまず面白かったです。
まあこんなものかなあと思い、『空中ブランコ』に突入してみると・・
キレが違いました。
伊良部(精神科医)のおかしさが突き抜けてる。
久々に活字を読みながら声を出して笑ってしまいました。
とくに「義父のヅラ」が最高


とんでもない医者の活躍?に胸がスッとします。
******
今日は、久々におっと殿に弁当を作って差し上げました。
思った以上に疲れたらしく、送り出したあとにもう一度寝床へ

二度寝は気持ち良いな・・。
妊婦は人よりも沢山睡眠をとらないといけませんからね

![]() |
かもめ食堂 群 ようこ 幻冬舎 このアイテムの詳細を見る |
映画がすごく良かったので原作を読んでみました。
サチエ、ミドリ、マサコの3人がどういういきさつでフィンランドに
来たかよく分かりました。
映画とはストーリーが少し違うのですが、雰囲気は同じでした。
やっぱりマサコさんが良いです。
どうしても、役を演じたもたいまさこを思い浮かべるんですが。
もっと長編だと良かったのに、あっという間に読んでしまって・・
また読む本がなくなってしまった。
いや、読む本は沢山ある。
読みたい本がないだけで・・。
積読(読まずに積んどく)もいい加減にしないとなァ

![]() |
光の指で触れよ 池澤 夏樹 中央公論新社 このアイテムの詳細を見る |
毎日せっせと本を読んでいます。
『光の指で触れよ』は、『すばらしい新世界』の続編です。
前作も素晴らしかった。
これも純粋に面白かったです。
前作で幸せそうに見えた一家が、夫の恋愛がきっかけでばらばらになるのですが・・
もちろん恋愛小説ではありません。
ばらばらになった彼らが行き着いた先は、なかなか良いなあと思いました。
パーマカルチャーという農業があることを初めて知りました。
興味深いです。
日本の教育についても考えさせられました。
最近シュタイナー教育関連の本を読んだのでなおさら。
男性、女性、どちらが読んでも面白いと思うのですが、どちらかと言ったら女性に読んで欲しいと思いました。
![]() |
新潮クレスト・ブックス彼方なる歌に耳を澄ませよ (新潮クレスト・ブックス) アリステア・マクラウド,中野 恵津子 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
久しぶりに本の話題を。
夏は暑すぎて本を読む気になれず(マンガは別)、ちょっと涼しくなってからやっと
読み終えたこの本。
期待以上に素晴らしかった。
また繰り返し読みたいです。
『彼方なる歌に耳を澄ませよ』
この題名を考えた人はすごいなぁ~・・
(原題は『No Great Mischief』)
新潮クレストブックスのシリーズは、装丁も感じが良いし、なかなか面白い作品ばかりで好きです。
このごろ○ートホープ社の信じられない実態が毎日のように報道されていますが・・
従業員が可哀相だな~と思ってテレビをみています。
サラリーマンである限り、上の言うことには従わないといけませんからね。
でも、従わなかった人がいます。
それは、『沈まぬ太陽』の恩地元。
この春は夫婦2人でハマりました。
ストーリーは、
国民航空の労働組合の委員長だった恩地元は、団交で激しく会社側と衝突し、
そのせいでアカのレッテルを貼られ、懲罰人事でパキスタン、イラン、さらには
ケニアへと10年もの間左遷されてしまう。(アフリカ編)
そんな中、国民航空の旅客機が次々と事故を起こし、ついにあの御巣鷹山の
墜落事故が起きる。(御巣鷹山編)
会社の建て直しを図るために会長に就任した関西紡績会長の国見に、
海外左遷のあと閑職に追いやられていた恩地は会長室部長に抜擢される。
(会長室編)
と、さっくりこんな感じ。
一番面白いと感じたのはアフリカ編です。
各国に旅行した気分になります。
特にイランは革命が起こる前なので、今では全く違った様子なのだろうなと思います。
御巣鷹山編では、何度涙を流したことか・・。
いつものように「いってきます」と言って出かけて行った人が、無残な姿になって帰ってくる。
そんなことが自分や家族に起こったら、と想像しただけで苦しい気持ちになりました。
会長室編では、水戸黄門に出てくるような悪代官がゾロゾロと出てきます。
「おぬしも悪よのう」と言いながら菓子折りに入った小判を受取る、みたいな・・。
「うまそうな饅頭じゃ」とは言ってませんでしたが。
人は善と悪、そんなにハッキリ分かれるものだろうかと思うこともしばしば。
国見があまりにも清廉潔白すぎないか?と思ったり。
恩地も、真っ直ぐすぎたのではないかと。
団交の場面では、「やりすぎじゃないの?」とヒヤヒヤしてしまいました。
でもそんな真っ直ぐで不器用な恩地だからこそ、沢山の人の心を打つのかもしれません。
あそこまで節を曲げない生き方は誰にでも出来るものではありません。
全5巻。
恩地と一緒に、泣いたり絶望したり怒ったりしました。
場面がすぐに切り替わるので、中だるみすることなく夢中で読みました。
おっと曰く、何かに出てた「新入社員に読ませたい本」のベスト3に入っていたそうです。
ぜひ社会に出たてのフレッシュな人たちに読んでもらいたいと思います。
先日会社の方に『のだめカンタービレ』を借りました。
のだめカンタービレ(1)
滅法面白い!!!
のだめ効果でクラシックの人気が高まっているようです。
私もすぐに影響される性格なので、この頃はクラシックばかり聴いてます。
お気に入りはこれ↓
別れの曲~ショパン名曲集
アシュケナージの演奏がとても素敵です

ショパンの中では「英雄」が一番好きです。
このCDは「華麗なる大円舞曲」で始まるのですが、中学の頃給食の時間に流れていたので、「手を洗いに行かねば」とついつい思ってしまいます。
「革命」を聴くと、小学生の頃やっていたドラマ「少女に何が起こったか」を思い出します。
相方に、
「昔キョンキョンが紙の鍵盤で弾いてたよね~」
と話したら
「え~知らない。」
と言われ、ちとショック・・。
思いがけずはまってしまった『とりぱん』。
ついに2巻が出ました。
あいかわらず擬音がおかしいですが、今回はちょっと切なくなるお話がありました。
「かまさん」
かまきりのことです。
愛魚(?)を亡くしたばかりだったので、読んでいて切ない気持ちになりました。
いやあ~、生きてるって素晴らしい。
しつこく金魚ネタ続行中・・・
ただいま金魚の飼い方について猛勉強しております
↓↓↓↓↓↓
カラー版 金魚のたのしい飼い方
先月から週1回、母校の公開講座へ通っていました。
全部で6回のコース。
テーマは、「ファンタジー 大人が読む児童文学」です。
(この講座に通おうと思ったきっかけは、ここに書きました)
毎回違う先生が、『銀河鉄道の夜』、『指輪物語』、『ナルニア国物語』、『海底2万マイル』、『はてしない物語』そして『ゲド戦記』を取上げ読み解いていきました。
それぞれの作品には、作者の原体験や思想などが色濃く投影されているということを知りました。
学生の頃は文学を楽しむ余裕が無かったのですが、今は自分の純粋な興味で講座を受けたので本当に楽しかったです。
自分が学生の頃に比べて、ほんのちょっとだけ人生経験を積んだからそう思えるのかなあという気もします。
今日から公開されているスタジオジブリの「ゲド戦記」。
(『ゲド戦記』の講師は恩師であるM先生でした)
作者のアーシュラ・K・ル=グウィンはアメリカ人ですが、作品のベースにあるのはキリスト教ではなく、道教なのだそうです。
私はどちらかというと、キリスト教的なものよりも、陰と陽が一体となって「whole」なのだという道教の考え方に共感します。
私は「ファンタジー」というと子供のものだと思っていましたが、あんまりジャンル分けしないほうがいいとM先生もおっしゃっていました。
とくに『ゲド戦記』は、児童文学というよりは、ヤングアダルト向けなのだそうです。
ナルニアの映画化にあたっては、キリスト教原理主義の人たちが子供に対する教育のために映画にした・・とかということも言われていますが、理屈抜きで楽しめるものだと思います。
でも、それは私が日本人で、キリスト教について馴染みがないせい(キリスト教の大学だったのに・・)かも知れません。
映画も良いとは思うのですが、やはり子供には本も読んでもらいたいと思ってしまいます。
映像化してしまうと、自分で想像する力が無くなってしまうのではないかと思うからです。
・・というわけで、
なかなか時間がとれなくて止まってしまっている『ナルニア~』を読破したあとは、『ゲド戦記』を大人買いする予定です
ああ、大人って素晴らしい