プロローグ 邪神崇拝
第1部 謎―フィクション経済学の破綻(効果がなかった財政政策―有効性を示す証拠はほとんどない
金融政策もまた無効だった―「流動性の罠」論の罠
九〇年代以前の目覚しい経済実績の謎―新古典派エコノミストの虚構を直視せよ
構造改革無効の謎―米英型経済構造に近づくほどすべての経済指標は悪化した
予想外の景気回復の謎―一時的な回復は伝統的なモデルでは予測されなかった ほか)
第2部 解決―ノンフィクション経済学構築の試み(分解信用数量説とその基本モデル
貨幣の流通速度の謎を解く
成長率の決定要因
資産価格のバブルと崩壊の原因
日本の資本移動の決定要因 ほか)
エピローグ 金融政策の目標と中央銀行が果たすべき役割
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トップレビュー
BRAVE ACTION
5つ星のうち5.0 30年におよぶデフレと不況の謎が解けた
2019年3月20日に日本でレビュー済み
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ものすごい本だ。非常に読み応えがあった。専門用語も多く経済方程式はさっぱりわからなかったが真実が書かれていた。
・日本経済は戦後復興から窓口指導によって信用創造を増やし、計画経済を秘密裏にやりそれによって世界第2位の経済大国になった・
・80年代に日銀が信用創造のノルマを強めたため、都市銀行は土地や建物を買わざるを得なくなりバブル経済が演出された。
・バブルは崩壊したが、日銀はこれまで通りやれば、日本の景気回復は容易に回復できた。
・ところが90年以降、日銀はそれをせず、景気回復よりも構造改革を優先させたために長いデフレと不況が続いた。
アベノミクスの失敗で安倍首相にばかり非が言っているが、政治の時系列と絡めてみていくと、橋本龍太郎から始まり、小泉純一郎(竹中平蔵)によってほぼ創られたことが分かる。民主党政権のせいではない。
そして、結論は
中央銀行(日本銀行)を国有化...あっこれ以上言うとまずいんだっけ。
日本銀行の株式は45%は日本政府だが、あとの55%は非公開。
Amazonでは在庫がなく、中古プレミア価格になっているが、わたしは経験上、本当にすごい本はすぐ絶版になり再販もされないことを知っている。
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7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
良
5つ星のうち5.0 中央銀行の見え得る手 - 経世済民 -
2003年7月3日に日本でレビュー済み
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著者の言うように、自由市場政策で経済大国となった国はない。
当たり前である。既に「小説」と化している世界史の教科書でさえ、
よく読んでみるとそう書いてある。第三世界はなぜいつまでも貧しい
のか?強者によって押し付けられた自由市場政策に従って貿易して
いるからである。細々と輸出するのは付加価値の低い一次産品。
湯水のように輸入するのは高価な強国の製品。対外投資という名の
莫大な借金付きで。損をし続けるのはどちらか明らかだ。引き算の
問題である。主流となっている経済学は決して「経世済民」学では
ない。強者による弱者への支配ツールだ。弱者が自国産業の発展に
よって強者となるのを防ぐには権威ある風説を流布するのが効果的
だ。世銀とIMFという拡声器はフメ?回転である。彼ら演繹屋は、現実
を自分達の理論に近づけようとしている。前提条件って何だ?完全な
情報?完全雇用?どこの星の話だろうか?読後の感想は、映画
「MATRIX」を見た後の気持ちに似ている。著者はネオのようだ。
著者への批判の多くは陳腐な個人攻撃で、揚げ足取りにすらなって
いない。本書では、真の経済学を展開しているだけではなく、中央
銀行のあるべき姿を全編に渡って説いている。それは最適な福利厚生
の実現であり、中央銀行はこれを最も効率よく実現できうる力を持った
機関である。もし『ノーベル経済学賞』と言う賞が実在したら、間違
いなく受賞である。そろそろノーベル家に、経済学賞を創設して
もらいたいものだ。著者が一貫して主張しているのは、「社会はすべて
の人に等しく厚生を提供し、すべての人を人間らしく扱う包括的な資本
主義を維持すべき。」という事。正論である。それを実現させうる
極めて有効な方法論が本書に記されている。日銀はGDP取引に使われる
信用創造量を増やし、政府は日銀にインフレ目標ではなく名目GDP目標
を課すべきだ。この世は、極一部の金持ちのためだけに在るのでは、
決して無いのである。
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NOBU
5つ星のうち4.0 面白い
2015年10月24日に日本でレビュー済み
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一般の資格試験や教育では教えてくれてない金融の仕組みを明らかにしてくれてます、
この本を読んでスッキリしました。
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meirookuya
5つ星のうち5.0 虚構の終焉
2003年4月3日に日本でレビュー済み
著者本人も信用創造のコンセプトが新しいものではないことは述べており、問題はこのコンセプトとその意味が1945年以の英米の経済学において無視されてきたことだと言っています。また日本やドイツのエコノミストが、このアングロサクソン系の経済学の問題についてほほ100年も前に知っていたと言っています。著者の本、特に経済学の知識の持ち主にお勧めの「虚構の終焉」は主にアメリカからの戦後経済学に対する批判書として良い本です。それでも著者の理論には新しいものがあります。自分の知る限り分解信用創造という概念は完全に新しいし、信用創造と割り当て市場の関係もいままで説明されなかったし、資本移動との関係も初めて指摘されて、そうして信用創造と成長の関係が明らかになり、まさにSchumpeterが1912年に始めた研究がやっと、完成されたという印象です。これらについて、「虚構の終焉」ほど明快な経験的分析を行ったものはないと思います。さらに日本にとって重要なことですが、財政政策の無効性や本当に必要な経済浮揚政策に関する分析はいまだに他に見当たりません。著者の論理はこのような点で独自で画期的であり、経済に興味のある人は一見の価値のあるものです。こういった新しい経済学が日本に登場しようとしていることは画期的ではないでしょうか。
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トム
5つ星のうち5.0 ケインズに匹敵するマクロ経済学理論
2003年6月2日に日本でレビュー済み
”虚構の終焉”というタイトルのまずさに、今一ぱっとしなさそうだが、読めば、革命的な理論を経済学界に突きつけたと言って良いだろう。決して誇張ではなく、社会科学である経済学に、真に科学的な方法論を提示したと言っても過言ではない。この著者の理論に比べれば、近年ノーベル経済学賞をとっている理論など霞んでしまうものだろう。
著者は決して新しい理論ではないと言っているが、これをもとに、社会科学に帰納的方法論が根付けばと思う。
一部では、ノーベル経済学賞を取るのではと言われているみたいだが、著者がいうように、ノーベル経済学賞は、本来ノーベル賞と全く関係がない、スウェーデン中央銀行が授けるものだから、中央銀行の危険性を暴いたこの著者が取ることは無いでしょう。
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meirookuya
5つ星のうち5.0 虚構の終焉―マクロ経済新パラダイムの幕開け
2003年4月1日に日本でレビュー済み
円の支配者に続きこの本でも、良くここまで調べたなと関心しました。日本人でもここまで調べあげた人あまりいないのではないでしょうか。またどちらの本も翻訳がうまいなと思いました。
某銀行で90年代の始めに融資業務を担当していたので、本に書かれていることは身をもって実感できます。
経済を勉強した人には特に面白い本でしょう。また、経済関係が苦手でとっつきにくいと感じていればもう一冊の「謎解き!平成大不況―誰も語らなかった危機の本質」がお勧めです。こちらにはこの本の内容が誰にもわかりやすくしかも面白く書かれています。
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pxm00364
5つ星のうち5.0 平成デフレに対して経済学は何が出来るか?
2003年3月27日に日本でレビュー済み
福井日銀新総裁の就任に伴って金融政策に大きな変化はないというのが大方の見方である。その根拠は、流動性の罠に陥っている現在、金融政策にはもう政策余地はほとんどないからということであろう。しかし経済学はこうした混迷の時代にこそ、時代を切り拓く力を与えて、新たな政策イノベーションを促さなければならないのではなかろうか。筆者は、従来の経済学が前提にしているロジックを一つ一つ懇切丁寧に洗い流し、現在の日本が陥っている不況の根本原因およびそこからの脱却策を金融政策に見出す。そのスリリングな展開には手に汗握る推理小説を読んでいる観すらある。平成デフレの脱却を模索するすべての人に読んで欲しい刺激的な本である。
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ううむ、欲しい!! …けれど、お高いf^^;
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