今朝、会社周りの掃き掃除をしていると「カーカー」という誰もが聞いた事のある嫌われた鳴き声が響いていました。ふと上を見上げるとそこには……
ご存知カラス!
現在は封鎖中の分庁舎付近にある場所で、たくさんのカラスが集まっていました。付近に生ゴミ等があるわけでもなく、「彼らはどうしてこんなにも集まっているんだ?」と先輩に聞かれたのでブログでまとめてみようと思った次第です。元農学部の頭がフル回転しております!
そもそも、私達が普段見ているカラスは正式にはなんというのか? そこから説明します。
近年、私達がゴミを荒らされたりして困っているのは『ハシブトガラス』という種です。
可愛いですね! ……え? 可愛くない? そうですか……。
コホン、実はこのハシブトガラス元々は森林に住んでいたのです。
では何故、都市部や住宅街に現れるようになったのでしょうか? それは単純で、ハシブトカラスは雑食ではありますが脂質の多いものを好んで食べます。食べ残した肉や魚はもちろん、なんと石鹸や蝋燭なども食べてしまいます。
ハシブトカラスはそのするどい嘴でつつくだけでなく、咬む力や肉などの硬いものを抉る力も非常に強い為、人間の捨てたゴミから食料を得るのが簡単というわけです。
森林に住んでいた頃は、限られた虫や動物の死骸や木の実などを食べていました。更に森林には自分達の天敵となる猛禽類(タカやワシなど)も住んでいた為、食料確保は難しいものだったのだと思われます。
しかし、現在は都市部や住宅地には止まり木となる電信柱や建物があり、天敵となる猛禽類は生息せず、更にはその強い嘴でハンガーや針金などを切り巣の材料にも出来るのです。ハシブトカラスにとって天国となる都市部は森林から出るのに充分な要素だったのです。
では今は森林にカラスはいないのか? という疑問が生まれますが、実はちゃんと生息しています。その中にはハシブトカラスではなく、ハシボソカラスという種もいます。更にこのハシボソガラスというのも都市部に出てきたりします。ですがこの話はまたいずれしたいと思います。
話を戻しましょう。この分庁舎の近くにも生ゴミ等の収集はありますが、既に回収した後だったりしっかりとブロックがされているため彼らの食料はありません。にもかかわらず、目視できるレベルで20数羽はいました。
考えられる点はいくつかあります。
一つ目は「分庁舎近くにある木に生えている木の実を取りに来た」
二つ目は「集会」
三つ目は「縄張り争い」
木の実は元々、何でも食べる事もありますがカラスは4~7月は繁殖期に入ります。そのための食料の貯蔵や雄が「僕はキミのためにここまで食料が取れるよ」というアピールも兼ねているのかもしれません。
集会というのも、カラスは非常に知性のある鳥です。トラップやかかしを見抜いたり、おおよそどのくらいの時間に食料が現れるのかもそれぞれが認識したりしています。もしかしたら、カラスにも曜日感覚があるのかもしれませんね。
最後は繁殖期となり、営巣が始まります。そこでこの分庁舎にある大きな木々はカラス達にとっては天国のような所なわけです。更にこの位置は、ゴミの収集エリアがいくつか点在しており食料も比較的得やすいというわけですね。
このようにゴミを荒らしたり、繁殖期は気性が荒く襲ってきたりと嫌われるカラスですが、実はこのカラスをペットにしている方々もいたりします。
先程も言いましたが、カラスは非常に知性のある鳥なので幼鳥の頃から人の手で育てられるとビックリするくらいなつきます。肩に乗ってきたり、人のそばで寝たり、更にはカラス同士がやる毛づくろいを飼い主にやってくれることもあります。
その分飼育には色々難があったりします。野生で逞しく生きるカラス達を人の手で育てるというのは、なかなか難しいということです。
皆さんも今後カラスを見かけたら少し観察してみるのも面白いかもしれません。
もちろんゴミを漁っていたりしたら、追い返したいですがなかなか怖くて出来ない人もいると思います。その場合は、手ごろな小石を投げたり何か大きな音を立てるとカラスは結構簡単に逃げます。
最も良いのは、空砲などの大きな音ですね。おもちゃ屋さんとかに売っている、火薬をつめて撃つおもちゃの鉄砲とかでも充分カラスはビックリして逃げます。しかもそれが何度か続くとカラスは「あの食料場は危ない」という風に覚え、仲間にも伝えるため被害が少なくなっていきます。そうなる前に、しっかりネット等でブロックするのが大事です。
では、また動物植物関連でネタが出来たら事務員Oのお話をしたいと思います。