うーん、ショッキングなメールから今朝はスタートした
長年、当社のホリデーサーフボード、そしてチアーズサーフボードを支えてくれていた、ジェフ ホーナーからの1通のメールが届いていた
「シロー、実はそろそろシェーパー業を引退に向けて動こうと思っているんだ…」
えっ?となり、「なぜ?」と、メールを打ち返した
「このコロナ禍で人&人との繋がりが変わりつつあり、インターネットなどで人々がボードを買うようになりつつある…
サイズ表示や画面上のボードデザインを見て、更には値段で判断され、買われていく…
俺がやりたいのは、シュンと同じだ。レベル関係なく自分の手掛けたサーフボードに乗ってもらい、サーフボードに対してフィードバックを貰いながら、その人と一緒に、その人にとっての究極サーフボードを長年かけて目指していく…。
画面上などで、たくさんあるボードから選ばれるのではなく、頭の中にある数百のアイデアやボードデザイン中から選んで欲しいんだ。
昔は良かったよな、シロー。
サーフボードのことで、カスタマーと話合い、時にはお客さんのアイデアを元にサーフボードを作り、喜びを分かち合っていた。
お客様にサーフボードをオーダーしてもらうことで、我々シェーパーやサーフショップなどは生業になり、支えられている。そして我々も、もっと良い品を提供し、時にはサーファーとしての知識などを伝え、のちにサーファー仲間としての深い繋がりになっていく。
日本で、“粋”って言葉があるだろ?
そのようなものが、世の中失くなってきているんだ…
俺は古い考えの人間かな。って思った時には、引退という言葉も出てきたのさ…」
うーむ、返事に困ってしまい、そこから先はまだメールを返せずにいると、また1通のメール…
「DYな感じで、ガレージシェーパーは増えてきているけど、オーストラリアでも本物の職人は減ってきている…。
今のボードは作れても、昔のボードデザインは作れないシェーパーも多くいる。
それを危惧した業界が、リバイバルとして市場にツインなどを流行らしているという噂もあるくらいさ。
シローは人と人との繋がりもよく知る、数少ないニュージェネレーションだ。
コロナが終わり、オーストラリアに来たときには、全てのデーターを伝授するから、楽しみに待っているよ」
サーフィン市場の拡張や、インターネット普及に伴い、サーファー人口が増えてはいるが、世界的にもプロショップは苦戦しているみたいだ。
お客さんに商品を紹介しても、普通にどこかのネットで買い物されてしまう昨今…。
だからといって、うちのショップをム○サ○スポーツ化は出来ないし、したくない…。
伝統を継ぐ難しさ。を噛みしめている。
ジェフの話にも出ていたように、親父が最後にシェープしたツインも、
良き昔を振り返れ。という、メッセージだったのか…
突然の引退発表にビックリしてしまった。このサーフィン市場の動きに
彼なりの一石を投じているのかもしれない
昔の良きものを、そして伝統を引き継ぎ、新しい世界を切り開けるのか…。自問自答の毎日。
本物のサーファーしか知らない、バレルの中で、シロー。俺は待ってるぜ!だって…。
文の終わらせ方も、さすがジェフさん。外人らしい。
でも好きだな