何遠亭

未だ之を思わざるなり、
夫れ何の遠きことか之有らん
          孔子の論語より

『ハゲタカ』

2009年06月15日 22時35分29秒 | 映画
2007年、NHKでオンエアされた6話のドラマの映画化。
経済に全く疎い自分が、何気に観て何処まで理解出来ているかも解らないまま、心惹きつけられた。
今回の映画化は、余りの情勢の変化に頓挫しかけたり、何度もシナリオが練り直されたと新聞で読んだ。
映画が公開されて観たいと思う半面、理解出来なかったら・・・なんて、不安もあった。

でも、そんな不安はいつの間にか消えて、
人間達の熱い情熱、切ない物語に、再び惹きつけられていた。

日本に愛想をつかしたファンドマネジャー:鷲津の下に、元上司の柴野が訪ねて来る。
役員を務めている日本屈指の大企業:アカマ自動車が、中国系の投資会社に買収されようとしているのを助けて欲しいと。
投資会社の代表は劉一華。残留日本人孤児三世。
好意的な条件で買収を仕掛けて来る一方で、派遣工に近づく劉。
調査を続けていくうちに、莫大な投資会社の資金源が中国政府らしいと解る。
そして、劉一華の身元についても意外な事実が明らかになる・・・。

日本の甘さを突きつけられる。
その一方で、希望や情熱を失わないで欲しいと願う。
会社は生き物。人がいてこそ成り立つのが会社なのに、
いつの間にか人は部品のようになり、何が会社を動かしているのか解らなくなった。

劉はかつて自分が観た光景を「あれは夢だったのかな」と呟いていた。
だから、それに向かってがむしゃらに生きていた彼の姿が余計悲しかった。
出来る事なら、鷲津や芝野と共に生きる彼を観たかった。

この映画は劉一華の物語だと思いました。
チラシを見た時、劉一華・・・アンディ君と一文字違いだ(ちなみにアンディ・ラウ=劉徳華)位にしか思ってなかったんですが
存在感・・・凄かったです。
そしてせつない演技も。
玉山鉄二さん、素敵~と、しばし物語を忘れて見惚れてしまいましたです
劉を観たくて、また映画館に行ってしまいそうです
(結局はそこかい


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