何遠亭

未だ之を思わざるなり、
夫れ何の遠きことか之有らん
          孔子の論語より

中島みゆき 夜会VOL.14 24時着00時発 20060203(FRI)

2006年02月07日 14時07分50秒 | 音楽
年々チケットが取り難くなる『夜会』。FC優先で何とか1公演のみ観る事が出来ました。
会場はこれまでやっていた文化村シアターコクーンから、青山劇場へ。
川辺あかりはデザイナー志望だったが、狭い部屋で縫製の仕事をしている。
会社勤めの夫は、疲れて彼女と会話を交わそうともしない。
あかりもまた疲れ果てていた。仕事をやり終えた彼女は、その場に倒れてしまう。

『24時着0時発』の再演で、『0時発』も1公演だけ観たのですが、すっかり忘れてて、
「そうそう、そうだった~」と思い出しながら、観ていました。
新聞やTVでは「前公演より解り易くなった」と言っていましたが、やっぱり難しい
理解力が無いだけか・・・ 

線路のレールのように、今生きている人生とは別の人生が同時進行している。
同じ登場人物で何通りもの物語を演じるように。
この一生はHappyEndでも、もう一つの一生はDeadEndかもしれない。
一つの一生が終わってしまっても、新しい一生に繋がっている。
全ては永遠に終わる事がない・・・そして、きっといつか願いが叶う時が巡って来る筈。
そんな一人の一生が、何色もの糸となり、時には反転しながらも、それらが布を織るように、一人の人生を織り上げていく。

夜会を観ると、言葉に出来ない様な不安と苦しさ、その一方で確かな希望を感じます。
終りだけれど、終りじゃないという思いを感じるからでしょうか。
主人公が、いつも何処かノー天気なのが、みゆきさんらしいです。
それが楽しくもあり、悲しくもあったりします。
転轍機を探す主人公の本当の願いを思うと・・・切ないですけどね。

夜会のメインテーマとして作られた『二雙の舟』。
最初に聴いた時は、結ばれないけれど思いは通じ合っていて欲しいという、
男女の願いを歌っていると思っていました。
でも、回を重ねる毎に、二雙の舟とは男女であったり、親子であったり、
姉妹であったり、違う一生を生きるもう一人の自分であったり・・・
どんどんイメージは拡がっていくのです。
今回も、とても劇的なシーンでこの歌が歌われて、
それだけで、もう泣きそうでした。

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1 コメント

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主人公の本当の願いとは。 (ロビン)
2006-02-08 00:19:25
夜会、2004年は『0時』で今年は『00時』なんですね。今知りました、ありがとう。

なかなか難解な『24時着00時発』ですね。解釈が色々出来そうな気もします。

感想を読んで、なるほどと思います。

私は主人公の本当の願いは、なんだったのだろうと考えてしまいました。やはり夫が助かる事なのかな。

私の方もやっと書いたので、明日アップします。2/7深夜

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