建築士だからわかる〇〇教えます

有機農業の本に書いてあったこと

本の抜粋で恐縮です。

前回は冒頭の部分をご紹介しました(冒頭部分を再掲します)。
冒頭部分に続き、気になった点を備忘録を兼ねてご紹介します。

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近代化の一環として化学肥料や農薬を大量に使い、農業機械を導入して食糧の増産をはかってきました。そのお陰で、食糧の需給バランスがよくなってきたことは間違いありません。しかし、その反動で自然の生態系が破壊され、いまや大地は自力更生できないほどに疲れきっています。その結果、世界的に農地の地力が衰え、食糧の増産にブレーキがかかってきたのです。

現代医療で使用されている医薬品は効果が鋭い分、副作用という危険も大きいと指摘されていますが、農薬も同じで、もはやその副作用を無視できない状態にまでなっているのです。

しかも、近代農業は大量生産の方法として、同じ農地で特定の作物だけを繰り返し栽培するようになりました。その弊害で発生する連作障害を抑えるために農薬を使いますが、それを何度か繰り返していると害虫や病原菌が農薬に対する耐性をもってきます。そうなると、もっと強い毒性をもった薬を開発せざるを得ないという各循環に陥るのです。

もちろん、こうした農薬の副作用は、農産物を食べる私たちの健康にも影響していて、とくに最近は残留農薬が問題になっています。東京都食品機動監視班が行った一九九二年の調査によると、残留農薬の検出率が最も高かったのはミツバで、次いで、セロリ、サラダ菜、カブ、サヤエンドウ、オオバ、サニーレタス、大根、レタスの順でした。

検出された農薬は、殺菌剤のTPN、有機リン系殺虫剤のEPN、サリチオン、マラチオン、有機塩素系殺虫剤のPCBNなどです。

TPNはアメリカ科学アカデミーで発がん性があると指摘されており、有機リン系農薬には神経毒性があります。また、EPNとマラチオンは複合されると毒性が倍加するという性質があります。

もちろん、猛火もそうした農薬を使いたくて使っているわけではありません。ボーダーレスで円高の時代、海外からも押し寄せてくる格安野菜にも対抗して、市場価値の高い野菜を、低いコストで生産するために、仕方なく使っているというのが実情です。

そうした中で九三年に厚生省が食品衛生法に基づいて定めた「食品・添加物等の規格・基準」では、農産物についてそれまでに決められていたものを含めて、七九種類の残留農薬基準が定められました。そのほか国内で使われている農薬については環境庁長官が残留基準を定めています。しかし、世界で使われている農薬は六〇〇〇種類もあるわけですから、これらの基準ではとても十分な数とはいえません。

-------------------------------------------------続き---------------------------------------------

われわれは、いい土を先祖から受け継いで、それを次の世代に渡すのが使命だと思っています。
環境まで含めて考えるのが、本来の農業ですよ。
土壌消毒に使う臭化メチル剤などはガス化するとオゾン層を破壊してしまいます。
いまや農村部でも地下水に溶けた化成肥料の窒素が亜硝酸になるという害が発生しています。農村といってももはや安全ではない

いいものを自分でつくって食べる。ぜいたくというのはそういうものじゃないですか。武断土ものを身に付けたりするのがぜいたくではなく、
信頼できる、しかもおいしいものを食べるのがいちばんのぜいたくです。

いままでの農業は農協の指導で、これをつくる場合には土壌消毒しなさい。一〇アールに三〇~四〇リットル必要で、何日にガス抜きをして種を撒く、
といった具合にすでに出来上がってるマニュアル通りにやっています。~中略~ 自分の畑の土壌がどうなっているのか、土壌に線虫がどれくらいいるのかに関係なく、マニュアルに従ってやらないと怖くて作物がつくれないというのが、いまの農家の現状です。

農業は土さえ作れば、危険なものを使わなくてもできます。有機をやっていると結構いろいろな情報が入ります。生活は苦しいけれども楽しい農業をやっています。最後はそこに来るのです。金さえあれば楽しいというものではないし、自分はいいことをやっているんだな、というのが大事ですね。

農薬が体に入ると、それを排出するのは非常に困難だといわれています。体に蓄積される一方で農家に職業病のようなものが出るのです。その怖さをいちばんよく知っているのは農家の人です。

日本の近代農業は、化学肥料と農薬を大量に使用することによって、増産を目指してきました。その結果、世界的にみると、一九八〇年代までの三十年間で農作物の生産量は二・六倍にまで増えたと言われます。
ところが、九〇年代に入って伸びは頭打ちになっています。化学肥料と農薬に頼りすぎた結果、大地が傷つき、地力は衰えてきました。こうした近代農業の反動が世界をおおう状況のなかで、食糧危機を回避するには、まず地力を養うところから始めなければなりません。

以上、気になるところのみの抜粋で恐縮です(;^_^A。


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