健康住宅や自然住宅は『定義』がありません。
上記写真は『自然素材』を売りにしたとある工務店の現場写真です。
しかし1階床、2階床には合板が使用されておりますし、梁には集成材が使用されております。
もちろんこれらはF☆☆☆☆(えふのフォースター)と呼ばれる建築基準のシックハウス対策上は一番安全と言われている素材です。
F☆☆☆☆とはホルムアルデヒドの発散量を示ており1時間当たり1㎡あたり5μg以下の素材のことを指します。
つまりホルムアルデヒドの発散量が5μg以下であれば、建築基準法上では一番安全な素材ということとなります。
では朝から晩まで家を閉め切って出かけたお家に帰ってきたときのお家の中の空気はどういう状態になっているでしょう?
またお家に使われている人工的な化学物質はホルムアルデヒドだけでしょうか?
家を建てたいと思う方は『自然素材』を前面に出した広告を信じ、設計事務所や工務店の【専門家】の言うことを信じて家を建てていることと思います。
この写真のお家の建て主も完成したのち、友人・知人には『自然素材』で建てた家として説明することでしょう。
自然素材の家、自然素材でつくる家に定義はございません。
ですのでこのお家も、このお家を設計した設計事務所や工務店が『自然素材の家』と言ってしまえば自然素材の家なのです。
しかし私は長年健康住宅を学んできた建築士として何とお伝えしたらよいのでしょうか、疑問が残ります。
お客様が自然素材の家を求めて依頼したのであれば、そのお客様の想いに対して誠意をもって、設計事務所や工務店の誇りもって、この家は『自然素材の家』です、と心から言えるお家が広がるとよいと思っております。
ひと・すまい・くらし一級建築士事務所