労務にビタミン!

労務に関する情報を発信します!

原発作業員から違法天引き 健診費、厚労省が実態調査へ

2012-09-21 | 労務情報
東京電力福島第一原発の下請け会社が、全額負担すべき作業員の健康診断費を給料から
天引きしていたことがわかり、厚生労働省は19日、労働安全衛生法に違反するとして
返金するよう指導しました。

この会社の関係者は「この辺りの業者はみんなやっている」と証言。
厚労省は違法な天引きが横行している可能性があるとみて、実態調査に乗り出します。

 関係者によると、この作業員は6月、福島県いわき市の下請け会社に日給1万3千円で
雇われました。
法律で義務づけられている健康診断を受けましたが、会社が全額負担すべき健診費約1万1千円を
給料から天引きされました。
さらに一人ひとりの被曝(ひばく)線量を記録する放射線管理手帳の作成費用として約6千円も
引かれたということです。

 作業員は天引きに加えて違法派遣で働かされたなどとして、18日に厚労省福島労働局に指導を
求めました。
厚労省は悪質な事例とみて下請け会社から事情を聴き、翌日に指導するという異例の早さで対応
しています。
同省の担当者は「事故後、このような天引きが発覚したのは初めて」としています。
                                (朝日新聞)


会社で行う健康診断費用は、会社負担となります。
恒常的に労働者負担としている事業所(給与から天引きするか、別途支払わせるかは別として)は、
たぶん、会社負担であることを知らないのでしょう・・・ね。

御社はどうですか?

健康保険証をもらうには、基礎年金番号が必要になる?

2012-09-20 | 労務情報
オウム真理教の元幹部、平田信容疑者(46)と平田をかくまった斎藤明美容疑者(49)が
「吉川祥子」の偽名で勤めはじめ、整骨院の院長が手続きをして吉川祥子名義の
健康保険証が取得できました。

偽名健康保険証について、整骨院の院長は「法人として普通の申請手続きをし、
問題はなかった」といっています。

日本年金機構でも「事業主が本人確認を行ったうえで申請しているので、
改めて身分証の提示は求めない」そうです。

ここでの問題は、整骨院の院長が、斉藤容疑者の採用時に身分証明書を求めて
いないということです。(一般的には、運転免許証、住民票記載事項証明書など)

今までは、身分証明書がなくても、会社が手続きをすれば、健康保険証がもらえたのです。
(というより、氏名・年齢・住所を身分証明書なしで、採用し、資格取得するというのは、
会社としてかなりの労務管理リスクを負うと思うのですが・・・)


はい、おかげで、平成24年8月3日に「被保険者の氏名等の確認の徹底等について」の
通達が厚生労働省より通知されました。

この秋から、資格取得届等の提出にあたり、事業主は運転免許証や住民票等による本人確認を
きちんとしなければならなくなります。


概略です。

○資格取得届について、年金事務所は、事業主に対し運転免許証や住民表記載事項証明書等
による本人確認を求め、その内容に誤りが生じないようにすることを、事業主に対して改めて周知する。

○資格取得届(20歳以上)に基礎年金番号が未記入の場合は、一旦返却し、事業主は本人確認を行う。

○資格取得届(20歳以上)に基礎年金番号の記載がない場合は、事業主による本人確認が行われた
ものに限り、資格取得の処理を行う。
(本人確認が行われるまでの間は、資格取得の処理は行わない。その間、健康保険証は発行されない)


 社員入社時には、当然ですがきちんと身元を確認し、保険加入手続きにあたっては、
スムーズな手続処理の為にも、基礎年金番号・雇用保険被保険者番号の確認を怠らないようにしましょうね。


ニセ1級建築士…新たに9人発覚  建築士だけ?

2012-09-05 | 労務情報
1級建築士の詐称が相次いでいる問題で、国土交通省は4日、新たに9人が免許を偽造して
1級建築士を詐称していたと発表しました。


 うち2人は大手住宅メーカー「積水ハウス」(大阪市北区)などに勤務し、計約910件の住宅の
設計を担当していたそうです。同省は各自治体に対し、関連物件の安全性の確認を指示
。一方、同社などは今後、2人を建築士法違反の疑いなどで刑事告発する方針です。


 9人は北海道、栃木、群馬、埼玉、東京、神奈川、愛知、長崎の各都道県の建設会社や
設計事務所などに勤めていた44~70歳で、これまで発覚した6人と合わせ詐称は
計15人になりました。


 発表などによると、神奈川県厚木市の「積水ハウス神奈川シャーメゾン支店」勤務の男性(52)は
1989年に、偽造した免許のコピーを提示し、1級建築士として入社。
96年8月から2002年7月まで、設計責任者である「管理建築士」として県内を中心に、
低層アパートや一戸建て住宅762件の設計を担当しました。


 昨年11月、男性が建築士法で義務付けられている定期講習を受講した際、免許の登録機関で
登録番号が確認できないことから発覚。8月9日付で懲戒解雇となりました。

                                    (読売新聞)


この詐称の問題は、中途入社の場合には起こりえます。

そもそも、資格が必要な中途採用の場合は、入社時提出書類に免許証等の写しを提出するように
なっている企業がほとんどです。


しかし、人事担当が免許証の原本を確認せず、写しの提出だけで済ませたのでこういう結果に
なっているのだと思います。(まさか、免許証原本の偽造問題ではないでしょう?)


これは、建築士だけの問題ではありません。
1級建築士?うちは建設業ではないから・・・と思っていませんか?
免許の必要な職種の場合は、必ず、免許証の原本を確認しましょう。

 例:運転手募集 → 運転免許証      看護師募集 → 看護師免許

そういえば、自動車のCMに出演している芸能人が、運転免許証の更新を忘れ、
無免許状態でCMに出演していたこともありましたね。


人事担当としては、有効期限のある資格の場合は、更新後の確認も必ず行いましょうね。