不定期人生作業日報(仮)

ある時は医薬品卸商(正確には物流子会社)社員、ある時は通信制大学生、そしてある時は中途半端ヲタな、筆者の備忘録です。

「劇場版図書館戦争・革命のつばさ」舞台検証第一回・大阪市編

2013年02月11日 23時01分04秒 | 「劇場版図書館戦争・革命のつばさ」関連
※この記事では著作権法32条に基づく比較研究のため、
「劇場版図書館戦争・革命のつばさ」(有川浩・角川書店/図書館戦争フィルムパートナーズ2012)から
作中の画像を引用させて頂いております。



昨年夏に放映された「劇場版図書館戦争 革命のつばさ」、鑑賞させて頂いて色々な感想で胸がいっぱいになりましたが、
最も強く感じたことは「リアルな背景描写。これは探訪のし甲斐があるな」でしたw
というわけで先月待望のBDが発売されたのを予約購入し、何度も鑑賞した上でまず取材に向かったのは、
作中のクライマックスに至る後半のアクションが繰り広げられる舞台、大阪市でした。
パンフレットでも浜名監督が
「クライマックスの大阪には実際に行き、絵コンテを描きながらロケハンをしたので、道筋や光景はそれなりに厳密に再現しています。」
とおっしゃってましたので、現地に到着するまで期待も否応なく高まりました。
ただ取材が進むにつれて『それなりに厳密に』の解釈にちょっと戸惑うことになるのですが・・・。

以下BDでいうとチャプター18~19にあたる大阪市でのエピソードに用いられた背景について、
登場場面順にご紹介します。

最初に当麻蔵人の亡命先に郁が選んだ、在大阪イギリス総領事館の入居する中央区博労町のエプソン大阪ビルです。


「最終確認をしましょう。」


「東京からの援軍、ご苦労様です。」






「ああっ!」


「おい!あの自転車を捕まえろ!」


・・・在外公館ということで警備の問題を心配したのですが、他社も入居していることもあり
そういった物々しさはなかったものの、休日ということでメンテ業者の待ち合わせがありカット合わせは不十分でしたw
ところで蔵人を下した車の位置がカーナビではエプソンビルから北に戻った、御堂筋の久太郎町3交差点付近に見えますが、
画像を見たらお分かりの通り、エプソン大阪ビルのすぐ北隣のビルに横付けしているのと、異なっています。
そんなわけで「リアルで精密な描写ではあるものの、果たして現実の位置関係に即した描写なのか?」という点で疑問符が付き始めた次第です。



メディア良化隊の追手から一人走って逃げる蔵人、先走りした良化隊員に発砲されます。


・・・付近の店舗を探し回った中でも、なぜかエプソン大阪ビルから北へ600mほど離れた「ダイコクドラッグ船場西店」さんです。
店舗は正面が北に面してますので、西に逃げる蔵人に発砲したということなのですが、



・・・こちらはダイコクドラッグと同じ通りなのですが、実は蔵人が走った方向とは正反対の東に50mほど進んだところにあたります。
しかも映画では左に入る筋が存在するのですが、実際には一直線の通りで左手のお店は異なるように見えます。



・・・先ほどのコマから200m弱南にある「HairSalon美粧館せんば心斎橋店」さんです。
美粧館隣の店のセールに紛れ込み、図らずもナニワのおばちゃんの力を借りて蔵人が追手を振り切ろうとします。



「いきなりなにすんねん!」「邪魔せんといてぇ~」「しばいたろか!」



この後間一髪のところで郁に救われ(その場所は分かりませんでした(汗))2人で引き続き逃走します。ですが良化隊の追手も続々増え、、、


・・・南本町のアカチャンホンポ別館付近のアーケードの終端付近のカットになります。
(このアングルに至る一連のカットも実際の風景と異なるのですが、またあらためて取材・補足いたします。)
車を路駐してあるところに向かって逃げる2人と追手が、船場センタービル前の交差点で格闘します。




・・・たこ焼き屋の屋台のある場所から習ったものの広角が足りないので後日撮影し直します。
奮闘あえなく良化隊に捕まりそうになるのですが、、、


「動くな!」「うあーー!」
怪我を押して出張った「喧嘩屋中年」玄田隊長はじめ小牧や手塚ら図書隊の応援が駆けつけます。




「えっ?」


「「「ウオオォーーーーっっっ」」」






「ここは俺たちが食い止める!笠原、行けっ!」



蔵人を連れて郁は直線距離で北東に250mほど走り、レンタカーをとめてあった本町にある
丸紅大阪支社ビル西の三休橋筋まで戻り、アメリカ総領事館を目指しますがまたしても追手が迫ってきます。



「アメリカ総領事館へ行きます!」「分かりました!」


・・・実は前を横切る安土町通は西向一方通行なのですが、良化隊のバンは逆走して右折してきます。






「うわっ!」








追手を振り切り本町通りを西に進んでから再度アメリカ総領事館をめざし北進します。
(推測ですが左折して堺筋、また左折して安土町通り、そして右折して三休橋筋に戻る)
ですが大阪府庁・府警本部上空でホバリングする良化隊のブラックホークヘリの真正面を走行していたので、
常に監視されながら要所要所で、阻止線を張られてしまいます。
栴檀木橋を渡って中之島に入ります。


「目標は中之島に侵入」「了解」






・・・中央公会堂前に阻止線を張られてしまい(車道は右折のみ)、郁はとっさの判断で
中之島公園内の歩道を西に進みます。現実には自転車を除く車両が入れないよう石柱が並んでますので、
レンタカーにぶつかった衝撃が加わるはずですが…。
また作中レンタカー(ヴィッツ?)の運転席のスピードメーターをよく見ると、60㎞を指してるんですがw
郁の火事場の何とかがこんなところでも発揮?
すぐ御堂筋に出てしまいますが交通規制に従ってたら遠回りになりますので、
歩道を抜けて淀屋橋北詰交差点を右折、市役所正面を逆走してすぐさま大江橋南詰交差点を右折します。




ですが水晶橋南詰にも良化隊の阻止線が!そして郁は大胆なハンドルさばきを見せ、
歩道橋である水晶橋を渡ってしまいます。


「以後の戦闘では、火器の使用を許可する、繰り返す…」


「先生捕まってーー!!」




・・・阪神高速の下に立って構えるべきでした、後日撮影し直したいです。


「うあぁぁぁーーー」



この高さをジャンプして何とか阻止線を突破、アメリカ総領事館のある北区西天満に入ります。
場所は、堂島関電ビルと裁判所合同庁舎の間の通り、目的地まであと北西に200mほどです。




そうしていよいよクライマックスのアメリカ総領事館突入の場面に入るのですが、
取材にお邪魔した際裏口に至るまで警杖を持ったフル装備の警官が立ち、「この建物はアメリカ合衆国の領土~」とか書かれた掲示、
正面に回ると機動隊らしき車両と数名の警官、御堂筋を挟んだ向かい側にも立派な警官詰所など、とても物々しい警備がなされてましたので、
思い切って玄関にいる警官に撮影の可否について問い合わせてみました。
するとこの時間帯を受け持つ「小隊長」さんを呼んで下さり、こちらがお邪魔したわけを聞いて下さったのですが、

実は劇中の作画では描かれてませんでしたが、正面玄関にも大きく注意書きが掲示されてあり、
『カメラに×』のイラストが大きく載っていました。
小隊長さん曰く「こちらからは撮影されてる方を取り締まるなり検挙することはできず、表の掲示を守って頂くようお願いして回ることしかできない。」
「仮に平日総領事館が開いていたらスタッフの方にお願いしてみてもいいでしょうが、たぶん断られるのではないのか。」(取材したのは土曜日でした)
とのことですので、今後探訪に来られる皆さんには、
総領事館の建物(アメリカンビルディング)に向けてカメラを構える行為を、ご遠慮していただきますよう、
ご自身の後にお邪魔されるかもしれないファンのためにも、ご協力のほどお願いいたします。


ですが、総領事館以外の方向を狙った撮影は普段通りで構わないといういうわけで、
可能な範囲のカットを交通量に注意しながら、慌ただしくとってきました。






・・・堂島ビルヂングのガラスが反射して、カミツレの襟章も光って加護を戴きつつ立ち向かう、
みたいなイメージを感じたシーンですが、実際には北向きのガラスですので、こうやって日の光で反射するかのような描写は
現実には難しいかと思います。(ですから余計に何か神がかった力、例えば東京で負傷してる堂上の思いも乗り移ったとか、
そういった意味合いが、ありえない角度からの反射と光が2人を包む描写に込められてるのではないでしょうか?)


取り急ぎ現地取材の結果をまとめてみましたが、
始めの方で浜名監督がおっしゃっていたコメントと、脚本の古怒田さんのコメントと併せて推測すると、
今作を「泣いて笑えるエンタテイメント」に徹して描ききるため、実際の風景をただ忠実に表現するのではなく、
映画作品として映えるストーリー展開・表現を第一に、適宜加工・脚色してリアルとエンタテイメント両立を狙った
コンテを作成された結果、このような描写になった、と考えてみました。
拙い考察でしたが、一度お邪魔したきりでまだまだ未発見のカットも多くあります。
再度訪れまして、記事の充実を図りたいと思います。










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3 コメント

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Unknown (通りすがり)
2013-06-18 00:46:43
この写真の中に実家のビルのすぐ横が出てきます。映画をたまたま見てすぐ景色がわかったので驚いて調べたらこのブログへ。何となく嬉しくなったのでコメントを。詳細なレポートお疲れ様です。わからない場所も正直、僕ならわかるかもしれません…。
返信する
コメントありがとうございます。 (ひろいな)
2013-06-19 08:29:10
通りすがりさん、はじめまして。

BDが発売されてから2月に二回、
大阪随一の繁華街でしょうからということで、
往来の少ない休日朝からお邪魔したのですが、
ご実家の近くを図らずも、写してしまったのでしたら
失礼しました。
映画を何回かご覧になりましたら、
余所者の自分ですらこれだけ舞台を見つけられましたので、
きっとまだご紹介できてないところもお分かりになるだろうと思います。
その過程で図書館戦争という作品をもっと知って、
好きになって頂ければ幸いです。
返信する
ご丁寧にどうもです (通りすがり)
2013-06-23 23:19:08
いえいえ。
むしろその近辺を今離れて久しいので写真を見られて懐かしく思います。
といっても毎年のように戻ってはおりますが。

子供の頃遊んでいた風景がアニメの中に出てくるのは不思議ではありますが、何か嬉しくなるものですね。そういえば、別のアニメでは行きつけの書店が出てきてそれも嬉しかったですが。

また実家に帰って折りにでも、このブログで不明とされていた地点にいくことができたらご連絡差し上げますね。

図書館戦争、折角ですのでBDを購入して色々調べてみたいと思います。
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