今、日本では小中学生の20人に1人が何かしらの食物アレルギーを持っているということで大問題になっている。
実際自分も昔、カニのフルコースディナーを食べてから蟹アレルギーになってしまい、蟹を食べたくても食べられなくなってしまった。
このようにアレルギーとは過剰摂取によって引き起こったり、突然起こったりするので、アレルギーにならないように対策するのは至難の業に等しい…。
ところでアレルギーはどうしてなるのか?
なぜ先進国でしか発症しておらず、アフリカなどではあまりないのか?
この疑問について今日は取り上げさせてもらおうと思う。
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人間の体にはリンパ球の一種であるT細胞という、免疫の司令塔とも言われている細胞があります。
これは病原体を排除する作用を持つのですが、実はこのT細胞には2種類存在するのです。
一つは病原体を排除する一般的なT細胞(以後α細胞)で、もう一つがアレルギーを引き起こすT細胞もの(以後β細胞)が存在するのです。
まだ詳しいメカニズムは解明されていないのですが、人間の体にはこの2つのT細胞のバランスをとるメカニズムが働いています。
つまり、先進国では医療技術やワクチンの種類が豊富で、衛生状態もいいので病気になる頻度が減少しています。そうなると人間の体ではα細胞が減少し、その代りβ細胞が急激に増加します。
逆にアフリカなどは必要最低限のワクチンすら行き届いておらず、衛生状態も悪いので病気になりやすい。そのため体内ではβ細胞の代わりにα細胞が増え、病原体から人体を守ろうとする。
そのためアレルギーが深刻化しているのは病気にかかりにくくなった先進国に集中するというわけです。
アレルギーについて初心者の自分は「だったら意図的にα細胞を増やす薬、またはβ細胞を抑制させる薬を開発すればいいのでは」と考えたのだが、多分そんなことをすれば体内バランスが崩れ、また何かしらの深刻な障害が出てくるんだろうな~(~_~;)
人類が健康に日々の生活を送れるよう発展すればするほど、アレルギーという落とし穴が深刻な問題となっていく…
どうしようもない問題なのだろうか(ーー;)
※今回の記事は2013年4月号の「Newton」から引用させていただきました。