(造血幹細胞の移植後フォローアップにて、抗がん剤の影響で両足首の
しびれ、両手小指の関節変形は完治しないことが確定した。)
2018.1.1
この日は元旦早々に病院へ向かう。
ほぼ毎日の様に通っていた時とは違い、回数が少なくなってきていた。
その頃の父親はもう会話が出来なかった。
いつも天井を見て何かを目で追っていた。
問いかけの返事もままならずただ口を動かしていた。
年末のぎりぎりまで通っていた病院もあとどれくらい見舞えるの
だろうか。
母親に安堵の表情はない。
主治医の説明は、やはり家族に選択を促す内容だった。
延命処置をしない選択をした。
この年齢、この状態で手術を行えば、一度がんで胃の3分の1を摘出
している体には、この先の手術に恐らく持ちこたえられないだろうと。
それから何度と通い主治医との話し合いをし、いまの状態でベストの
治療法を模索していただき様子をみた。
次の見舞いの時には、鼻からチューブを入れられ、天井を見据え、
いつもと違う呼吸をしている父がいた。