黒猫チャペルのつぶやき

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お宮参りと年越し

2005年01月06日 | みのりのつぶやき-成長の足跡
 年の暮れからお正月にかけ、あわただしく過ごした。12月21日には1ヶ月検診ということで久しぶりに都立墨東病院を訪れ、順調な発育状況とお墨付きを受けた。体重も標準通り、この1ヶ月で丁度1キロほどの増加。

 26日、お宮参りというものに出かける。レンタル会社から取り寄せた、宝船などの絵のついた何やらものものしい和服をまとい、父殿、母殿に母方の祖父母殿もご一緒に仰々しくお出かけである。病院以外のところに出かけるのは何しろこれが初めてであり、しかも病院の時は行きも帰りもタクシーだからろくに外の風景など眺めたことがなかったので、こうして抱かれて歩いて出かけるというのは目に入るもの全てが珍しい。年の暮れ、銭湯や商店の軒先が並ぶ静かな下町を、ゆっくりと歩く。幸い見事なくらいの晴天で、日が眩しいくらいで、ちっとも寒さも感じなかった。

 さほど家から遠くもない、白髭神社というところに参詣。結構このあたりでは名の知れたらしい、由緒めかした社である。先客で2組ほどやはりお宮参りの人々がいて、賑やかに写真など取り交わしていた。彼らの終わるのを待って、神殿にあがり、祖母に抱かれて眼鏡に顎鬚を生やした(もっとも白髭ではない)神主の祝詞を受ける。さすがに何を言っているのやらさっぱりわからぬながら、荘重な物言いが有り難くもなくない。狛犬、箸、砂糖などの入ったお土産とお守りを授けられ、お礼は志で結構というのだから実に良心的である。

 一旦家に帰り、授乳など済んでから今度は記念写真を取りに出かける。このあたりは昔の花街で、今も名残の大層な料亭だか待合だかが並んでいるが、その一角の古風な写真館で、かなり高齢の主人夫婦に迎えられる。何でも本来はもうお休みに入っていて店は閉じていたところを、お宮参りだというと快く撮影を引き受けてくれたとのことで、いかにも下町らしい人情である。
 住居の2階がスタジオになっており、ここで老主人の指揮のもと、至極のんびりと撮影が繰り広げられた。私が泣いたりすると、主人と奥方と二人して、鈴やらカタカタ鳴る木の玩具などを「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ」と拍子を取りながら振り鳴らして、うまい具合に私の表情を作ってはパチリとやる。私一人例の大層な衣装をつけて座った姿から、母殿に抱かれたところ、父殿が寄り添って立ったところ、祖父母殿を交えた構図まで、その都度老主人の指示に導かれ、様々に角度を変えて写された。さすがに終わる頃には私も結構疲れた。

 この日以降、母殿がどこかに出かける時は私もどんどん連れ出されることになった。おぶい紐というのか、実に頑丈にこしらえられた器具があり、これでもって母殿、あるいは父殿の胸に結わえ付けられると、ぴったりと体がくっつく形になり温かい上に安心感もあって、普通に寝ているよりもよほど心地よい。出かけると私としては色々見聞したいのだが、この心地よさから大半の時間眠ってしまうのが常である。
 近所の買い物はもとより、電車にのって年末の買い物客で賑わうデパートなどにも出かけた。ごった返す人浪、その喧騒、熱気・・・当初は目を回しそうな感だったが慣れてみるとこれも悪くないものだ。様々な正月用の食材を買ったり、内祝いの品物を選んだり、広い食堂で父殿と母殿がタコ焼きをつつくのに付き合ったりした。また大晦日は首都圏には稀な大雪が降ったが、この日も雪をかき分けるようにして出かけ、実によく歩いた。見慣れた町の風景が白一色に塗り代わり、汚れたところは隠され、美しい眺めであった。しっかりと母殿の胸に抱かれ、幾重にも温かい布でくるまれているのでちっとも寒くはなく、むしろぽかぽかするくらいの温かさだった。いい経験ができたものだと思う。

 新年は自宅にて、父殿母殿と3人で迎えた。私は普通の時間に寝てしまっていたので除夜の鐘などは聞けなかったが、目覚めると前日の雪が嘘のような快晴で、穏やかな年明けとなった。午後近所の神社で初詣、ゆっくりと新年の町を散歩などして過ごす。

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