葛西臨海公園に遊びに出かけた。駅を降りると、いきなり恐ろしく大きな観覧車がすぐそばにそびえているので仰天した。乗りたい!と言ったが、それは後で、と海に向かって歩いた。クリスタルビューというガラスの建物をくぐり抜けると、なだらかな芝生の広がる向こうに海が静かにたゆたっていた。一目でその景色が気に入って、
「今まで遊びにきた中で、ここ一番好き!」
と言ったら、父殿が
「ここはパパが、東京で一番好きな場所なんだよ。」
と言った。
昔父殿が市川市に住んでいて、池袋の居酒屋に勤めていたころ、通勤路にあたっていたここでしばしば降りて時を過ごしたのだそうである。結婚前に、母殿と訪れたこともあったらしい。橋を渡って、中洲の島に渡った。海は静かで、心地よい風が吹きわたっていた。ひらべったい石を拾って、水切りをして遊んだが、なかなかうまくいかない。やはり親子三人連れで釣りにきている、私と同じくらいの背格好の子供がいて、やけに水切りがうまいので感心して眺めていた。私の見ている前で、その子はハゼらしい魚を釣り上げてもいた。今度は釣り道具を持ってこよう、と母殿と言い合った。
中洲へ渡る橋は5時には閉鎖されるとのことで、日が傾いてきた頃広い公園の敷地に戻った。やっぱり観覧車に乗ってみたかったので、尻込みする母殿には待っていていただいて、父殿と二人で載ることになった。近くに寄って見上げると、日本一というだけあって、いよいよ高く見える。最上部が地上117メートルということだが、感覚では300メートルくらいあるように思われる大きさである。電飾がともりはじめていて、まわりの風景と合わさって何とも優美な眺めだ。切符を買って乗り込むと、ゆっくり回っているようで、たちまちのうちに地上から遠ざかっていく。下にいる人たちがゴマ粒のようになり、見分けがつかなくなる。そして段々と高さを増して、てっぺんへ・・・。夕暮れる海が素晴らしくきれいで、なるほど、第一等の眺めであった。
帰路の途中、東京駅のラーメンストリートの1軒でラーメンを食べて帰った。並んでいる人も多くいたが、これは残念ながら、さほどおいしいとは言えなかった。
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