上野動物園

　お正月は家でのんびり過ごした。元日にバイクで親子三人でツーリングに出かけたほか遠出もせず、お節を食べテレビを見て近所の公園に出かけるくらいだった。年末に風邪を軽く済ませたので、新年は体調も問題なく実にのどかだった。家でもお雑煮、お汁粉などでたくさんおもちを食べたが、保育園でもおもちつきがあり、また人一倍食べた。

　鏡開きの１１日、母殿が学校関係のご用で朝からお出かけになられたので、私は父殿に上野動物園に連れていっていただいた。確か１歳か２歳くらいのときにも一度連れて行っていただきそのときはパンダも見たはずであるが、実はよく覚えていない。今回は、残念ながらパンダはいなかった。入場して早速、父殿の手を振りほどいて象の檻に駆け、柵にへばりついて長いこと観察した。
「象さんおはよう！」
と盛んに声をかけたが、なかなかこっちを見てはくれなかった。

　引き続き、マレー熊、ツキノワグマ、ヒグマの飼育舎を次々に訪れ、さらにホッキョクグマ、ペンギンにもご挨拶し、鶴の前を駆け抜け、ライオンを目の前で眺める。虎は遠くの方にいてよくは見れなかったが、ボタンを押すと吼える声が聞ける機械があって何度も押して遊んだ。次いでゴリラを見、色々な種類のお猿を見、プレーリードッグの可愛い仕種などを見物したらいい加減くたびれた。

　父殿に肩車してもらって西園の方に移り、こども動物園ではラマや、ヤギや、羊たちに触って過ごす。象に次いで楽しみにしていたキリンは園舎の奥からわずかに首だけのぞかせていた。あとはサイ、カバ、カンガルー、など・・・一通り見て回るとおなかも減って、池の縁に座ってアイスクリームを食べてようやく人心地ついた。園を出て正門前のメリーゴーラウンドにも乗せていただき、その後は広場でジャグリングのパフォーマンスを演じていたお兄さんを長いこと見物する。

　お仕事を終えた母殿と合流してファミリーレストランでお食事。さんざん迷った末やっぱりお子様ランチに決めて、盛大な食欲を発揮して一人できれいに食べた。おうちに帰ってさらに鏡餅を切って焼いて、お汁粉に入れていただく。これもおかわりして食べ、しばらくご機嫌で遊んでいたが、充実し過ぎたほどの一日の疲れでいつかこたつでまどろみ、夕ご飯に起こされても起きられず、歯だけ磨いてもらってそのまま朝まで眠った。