夏の楽しみ

　夏を迎え、保育園では今年もプールの季節となった。夏の喜びは実にこれに尽きると言っても良い。ベランダにでんと据えられたビニールプールでたっぷりと遊び、昼寝をするのが無上の楽しみである。プールに限らず、水遊びはいつでも大歓迎である。お風呂は近頃いよいよ楽しい時間になって、お湯に入れてもらうとばちゃばちゃ湯を跳ね飛ばし、肩までつかってみたり、洗面器で湯をすくっては流してみたり、蛇口をいたずらしてみたりと、どんなに疲れていてもこの時ばかりは大いにはしゃいで過ごす。公園の水道栓であっても水たまりの水であっても、手で水をすくって跳ね飛ばすのは実に楽しい。何より私は母殿の胎内にいた頃からプールで泳いでいたのだから。

　最近言葉の数が増え、大いにおしゃべりを楽しんでいる。「みなろろでべぼばででででで・・・」と第三者にはなかなか通じにくい言葉であるが、真剣に周りの皆様に意思を通じようと試みているのである。絵本を読んでいても、気に入ったフレーズがあると自分で何度も声に出してみる。「きーろいちょーちょ！」「てんてんてん」「ど、どーん」などと、ページをめくってもらいながら盛んに声に出して、自ら読書を楽しんでいる。大の仲良しであるＲちゃんに対しても、「Ｒちゃ～ん！」と近頃ははっきりと呼びかける。ほかのお友達である「しんちゃん」「ゆうちゃん」たちに対する呼びかけと異なって、往年のアニメの主人公が「ふじこちゃ～ん」と呼ぶのを彷彿とさせるような抑揚でもって、力の限り呼ぶ。家にいても、何かの拍子にＲちゃんのことを思い出すと、時と場所を選ばす「Ｒちゃ～ん」と大声で叫ぶ。

　食べ物は好き嫌いなく何でも食べるが、最近特にはまっているのがトマトである。これも夏の味覚の雄と言える。熱など出して多少食欲が落ちていても、トマトがあれば大いに食が進む。総体的に、トマトに限らず赤い食べ物は好きである。トマトケチャップも大いによろしい。にんじんは昔から大好物であるし、この季節ならやはりスイカである。顔中果汁だらけにしながら、むしゃぶりついて食べるのが快感である。赤いものではないがピーマンも近頃お気に入りだ。また山芋かけご飯を最近食べて、大層うまいものだと感じ入って食べ、後で顔がかゆくなったりもした。夏の食膳は彩り豊かで、目にも楽しい。

　トイレについて、最近「ちっち」と排泄をお知らせすることを覚えた。うんち、おしっこを問わず何でも「ちっち」なのであるが、とりあえずお知らせをして、トイレに連れていってもらうということを始めている。今のところ出てしまった後のお知らせになることが多いのだが・・・これが第一歩である。おトイレそのものにはもともと大いに関心が高くて、近頃は父殿や母殿が入っているところに一緒に入ろうとしてドアを引っ張ったりすることしきりである。水をジャーッと流すところを見るのも好きである。自分で流してみたり、シャワートイレを操作してみたりをしてみたくてしかたがないこの頃である。