ひさらのきまぐれ。

多趣味だけどどこかぼんやりな私(ひさら)の気まぐれブログ。
趣味の話、日々の話。

テラビシアにかける橋

2008年01月26日 | 映画
「テラビシアにかける橋」の試写会行ってきました。ありがとう、Tokyo Metro。
前回の「ウォーター・ホース」と連続してファンタジー系です。→テラビシアにかける橋 - goo 映画
今回の試写会は女性限定。化粧品関係などと連動した「おしゃれ~!」という映画の場合結構多いですが、今回はファンタジーなのになぁ?と思いつつ。

たくさんの姉妹に囲まれながらどこか孤独を感じている少年ジェス。家は貧しく両親は生活に精一杯。そんな環境を頭で理解はしていてもそこはティーン、自分に向けられる無償の愛情を求めてしまう。得意のイラストを描いて空想の世界に遊ぶのが癖だった。
学校でも面白くないことばかり…と思っていたところへ、風変わりな転校生がやってくる。かけっこが早く、また作文の上手な彼女、レスリーとの出会いがジェスの毎日を一変させる。
隣の雑木林の中が彼らの秘密の遊び場。旺盛な創作力、空想力で二人は森の中に空想の王国「テラビシア」を作りあげる。
そして、思いもかけない突然の悲劇が二人を襲う――。


いやぁ、侮ってました。すみません。
ファンタジーだしねぇ、なんて軽い気持ちで見ていたらイメージしてたものとちょっと違ったアプローチで。思わず泣いてしまいました。

ファンタジーな部分というのは、ジェスとレスリー、二人の創造遊びの中だけの話で、現実世界は着々と時を刻んでいる。すごく「リアリティのある」ファンタジー。

子供の頃ってよく下らない「もしも」世界を作りますよね。
たとえば友達にいじわるされて何も仕返し出来ないまま家に帰ってきたとき。
「もし私に魔法が使えたら、あの子に言い返してやるのに!」とか。
なんだか自分には居場所がないような気がして、「あの鏡の向こうに入っていくと素敵な場所がある」と鏡をじーっと見つめてみたり。
「この人たちは本当の親じゃなくて、いつか迎えが来るかも」なんて、たぶん親に叱られた経験のあるすべての子供たちが一度は思い描いたことがあると思う。

現実逃避というとすごく言葉が厳しいようだけども、思い通りにならない現実から目をそらす、代替品として他愛もない想像の世界を誰でも一度ならず作ったことがあるはず。少なくとも私はそういう空想が大好きな子供でした。(それだけ現実が厳しかったのかどうかは、謎・笑)

ジェスとレスリーにとってそういう「現実からちょっとだけ目をそらすためのファンタジー」世界がテラビシア。そこでは彼らは誰よりも速く走れるし、怪物たち(学校のいじめっ子がモデル)とも戦える。でも実際に学校に行けば、いじめっ子にはやっぱりやられっぱなしだし、家の中でも面白くないことは続く。いわゆる「どうにもならない現実」というやつ。
それがどちらもしっかり描かれていて。
そこがとてつもなく泣けちゃう。

ネタバレになっちゃうので、ポイントは書きませんが。
二人を襲った悲劇、というのが本当に衝撃的で。
典型的なファンタジーの現実離れした世界観と、そのなかで元気はつらつと遊ぶ子供たちの姿と、ちょっと背伸びした甘い初恋テイストと。
「ああ、わかるわかる。私も子供のころそうだったわ」とちょっと懐かしささえ感じながらストーリーを楽しんでいたら、ガーン!とやられてしまいました。

現実って不条理で、本当に厳しい。
なんでこんなことが!と思う。
でもね。柔軟な子供の精神は、それをちゃんと乗り越えていってくれる。
そこに深い慰めを感じて、さらに目頭が熱くなる。
そんな作品でした。

主演はジェス役にジョシュ・ハッチャーソン。この年代のどこにでもいる普通の男の子、そのままで良かった♪
そして特筆は、レスリー役、アナソフィア・ロブ。
もうね、めっちゃくちゃかわいい!!!!
外見だけじゃなく、演技力もしっかりしているから、レスリーというキャラクターが浮き立たず、ちゃんと現実味をもって「変わった女の子」として受け入れられる。
彼女の魅力なくしては、この作品は成り立たないと思う。
これからも彼女の出演作が楽しみです。単なる子役では終わらないと思いまふ。

ひさらのおススメ度 ★★★★☆

男性はなかなか女性の前では泣けないでしょうから、デートにはちょっと考えて選びましょう。うまくいけば、「こういうストーリーで泣ける純粋な人なのね」と好感度がUPする…かも?

ただのファンタジーと思ってるとやられますよ(笑
ハンカチのご用意をお忘れなく。






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