救出作戦アルジェリア軍強行 人質に死者多数か
2013年01月18日01時19分
http://digital.asahi.com/articles/TKY201301170455.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201301170455
【カイロ=石合力】アルジェリア南東部イナメナスの天然ガス関連施設で起きたイスラム武装勢力による
外国人人質事件で、アルジェリア軍は17日昼ごろ、人質救出作戦を強行した。
複数の現地メディアが報道し、菅義偉官房長官も確認したと会見で明らかにした。
武装勢力、人質の双方に多数の死者が出た模様だ。日本人2人が脱出したとの情報がある。
中東の衛星放送アルジャジーラによると、救出作戦ではアルジェリア軍ヘリコプターが、
施設内を移動しようとした武装勢力と人質の車両を攻撃、司令官を含む犯行グループ側15人、
人質35人が死亡した。人数については複数の情報が錯綜(さくそう)している。
同施設には当初、プラント建設会社「日揮」の社員ら日本人3人の人質がいるとされた。
日本政府関係者は、この3人とは別に日本人10人の安否も確認できていないとしていた。
菅長官は、アルジェリア軍が人質解放のための攻撃を始めたとの情報を駐アルジェリアの英国大使から得たという。
アルジェリア治安筋は17日、ロイター通信に対し、日本人2人を含む外国人人質25人が施設から脱出したと語った。
氏名は明らかになっていない。救出作戦強行前の行動とみられる。
「犯行グループには、エジプト人、チュニジア人、アルジェリア人のほか、西欧人風で英語を話す男もいた」と話した。
一方、モーリタニアの地元通信社は17日、事件の実行犯の一人の情報として日本人1人を含む外国人7人を依然、
拘束していると報じた。英国人1人、米国人2人、ベルギー人3人が含まれている。
軍が近づけば人質全員を殺害すると警告しているが、軍がこの場所でも作戦を開始した模様だという。
武装勢力は、国際テロ組織アルカイダ関連の「覆面旅団」の傘下にある「血盟団」と名乗り、
アルジェリアの隣国マリに軍事介入したフランス軍の撤退や、アルジェリアが拘束した仲間の釈放などを要求。
外国人41人、アルジェリア人約150人を人質に取っていたとみられる。
この日、救出作戦が始まる前、アルジャジーラは、
拘束されている日本人を含む人質3人の電話インタビューを報じた。
日本人は「サトシ・キヤマ」と名乗り「アルジェリア軍の攻撃で16日、負傷した。
ミニバスに乗っていた。襲撃犯らといる。
状況は悪くない」と英語で話した。「ノルウェー人も負傷している」と話した。
日揮によると、木山聡さんとみられ、現地の建設現場の監督役だという。
日本政府関係者も17日、日本人1人が拘束時に負傷したことを確認した。
救出作戦後、木山さんの安否は確認されていない。
アルジャジーラのインタビューを受けた英国人、
アイルランド人の人質はいずれも「アルジェリア軍は施設への銃撃をやめ、撤退してほしい。
犯人たちから、いい扱いを受けている」と語った。
犯行グループの指示に従って発言した可能性もある。
実行犯の一人はアルジャジーラに「我々は軍に対し撤退を要求する。
外国人の人質は41人おり、二つの場所に分かれている」と話した。
アルジェリアのウルドカブリア内相は16日、国営テレビで「テロリストの要求には応じず、
いかなる交渉も拒否する。犯行グループの人数は約20人だ」と述べ、強硬措置を示唆していた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます