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光が丘学校跡地利用を考える会

練馬区光が丘地域の4つの小学校の跡地利用を考える会のブログ

公述人全員が反対意見だった公聴会

2011年04月29日 | ニュース
連休目前の4月25日(月)夜19時から光が丘区民センター多目的ホールで地区計画の公聴会が開催された。
会場は300人定員の大きなホールだったが、公述人は4人、傍聴人は22人に過ぎなかった。大震災があったにもかかわらず、区が公聴会のスケジュールを優先したからだろう。
議長は練馬区都市計画審議会の委員だったが、公聴人は都市整備部長代理、都市計画課長、まちづくり推進調整課長、つまり相手方当事者の3人だった。
撮影が許されなかったので、配置を書いておく。傍聴人からみて、正面に議長席、右手に公聴人の発言席、左手に3人の公聴人席、さらにその後ろに事務局が座っていた。
公述人の持ち時間は1人15分ずつで、区の職員が厳密に時間を2人計測していた。

●Nさん(光が丘3丁目)
地区計画原案に反対する。まず区が説明する「計画の目標」(理由)に妥当性や一貫性がない。昨年2月当初、住環境の維持、小学校跡施設の有効活用、建て替え時への対応の3つを挙げたが、前二者は「『一団地の住宅施設』の都市計画の一部変更」(以下、一部変更と記す)で対応できるし、建替えは40―50年先の話だ。その後、区は、「デイサービス等の福祉施設や地域の人が集える喫茶室」などへの柔軟な施設転用、バリアフリーのための低層棟への外付けエレベータ増設、コンビニ開設などを追加した。しかし詳しい説明を求めると、いずれも一部変更の場合と結果は同じであるという結論になった。 区が地区計画に変更する理由は、4つの小学校跡施設を産業振興に使いたい、という理由以外にはない
また光が丘住民からほとんど賛同を得られていない。これは学校跡施設活用会議のときから同じだった。
最後に、昨年1月以降の都市計画見直しに関する説明で、区は不正確な説明をし続けた。「地区計画制定は国や都の方針」「小規模施設の計画変更は1年以上かかる」との説明があった。しかし住民が東京都の担当セクションに問い合わせると、区の説明が事実ではないことが判明した。区に懇談会の場での訂正を求めたが、いまだに実現していない。
また、「かわら版」や議会答弁で、区の恣意的な引用や解釈が多数みられる。たとえば説明会の参加者を議会で住民の数%と答えた。しかし根拠を質すと住民25500人中(重複出席を除くと)200人前後であり、せいぜい1%に過ぎない。都市計画審議会の委員は、意見書や公述書を読むとき区が要約したものは正確さを欠いていることが多いので、原文を読むように、ぜひお願いしたい。

●Yさん(光が丘2丁目)
区は、地区計画への変更の参考として品川区の八潮団地の事例(2009年公告)を示した。八潮の「地区計画の目標」には「地区住民のニーズに合わせる」という文言がある。しかし光が丘の場合、これに類する基本的目標が示されておらず、納得できない。
都市計画のあり方の基本を示している国土交通省作成の「都市計画の運用指針(以下「指針」)では「当該地区における地域的連帯感、地域社会の形成状況等からみた当該地区の特性に十分配慮」することを求めている。しかし今回の計画書には、都市計画を変更する目標につながる考え一つすら、まったく表現されていない。
また「指針」が依拠すべきとしている都市計画マスタープランや「練馬区福祉のまちづくり推進条例」はバリアフリーの推進を強調しているのに、この計画書には「一定水準のバリアフリーが実現している」と書かれており修正が必要だ。
さらに、現状の容積率や建ぺい率については、一部地域の一部しか発表していないが、これは全地域のすべての項目について発表すべきであり、その後住民の意見を聞く場を設けるべきである。
また、都市計画法と「指針」では、容積率と建ぺい率の制限は、地区整備計画で定めることになっているが、区の計画書では別の場所に記しており、これは違法であり、効力はないことになる。
加えて、2月16日以降6回の説明会の議事録が公表されていない。この問題は早急に解消すべきである。
今回の原案は不備や違反もあるので、区はいったん白紙撤回し、区側の考えを検討し直しし、改めて住民との協議の場を持つことが必要である。

●Sさん(光が丘3丁目)
地区計画原案は、大きな前提条件としての光が丘団地の少子化問題の解決になんらつながらない。主管のまちづくり推進調整課は少子化の真の原因を究明すべきだ。光が丘団地の少子化は一般論としての少子化と異なる。説明会で若いお母さんが切々と訴えていたが、原因はURの家賃が高すぎることにある。高家賃は団地開設時からの大きな問題だったが、当初10年は家賃補助するスライド家賃制度を導入したので、やっと子育て世代が入居できるようになった。昨今の厳しい経済情勢の下、若年層の収入が減少し入居したくても家賃が高くて入居できない団地になっていることを区は直視すべきだ。地元責任者として、子育て世代を支援する役割を果たさないURや公社、東京都の住宅政策を大きな問題にすべきだ。とりわけURについては国から住宅補助を年間1000億の予算が受けているのだから、区はURに、家賃引き下げと若年層の優先入居を直ちに実施するよう要求すべきだ。原案にある、少子化対策としての遊休施設活用はまったく的外れの方針である。
第二に、住民の大多数は最高の生活環境を守る「一団地の都市計画」のしばりをはずすことに納得していない。学校跡施設の活用なら「一部変更」で可能なことが明らかになったので、都市計画廃止の根拠は不十分である。
第三に、地区計画は、全国で3000件の実績があり住民合意手法に特徴がある。ところがまちづくり協議会も設置しない区のやり方は前代未聞だ。
この三点の理由から区の原案に反対する。

●Kさん(田柄5丁目)
わたしは岩波区長の時代に、都市計画マスタープランの全体構想や光が丘を含む第4地域の地域別指針の策定に携わった。都市計画の変更をするときには地域住民の本当の福祉向上に資するものでないといけない。また3.11大震災以降の経験をもとに計画を立て直す必要がある。そして、資源の地産地消や、他地域に負荷をかける地域からの脱却をめざさないといけないのに、光が丘地域の財産であるゴミ処理施設にこの地区計画原案は一言も触れていない。驚いた。
マスタープランのキャッチフレーズは「コミュニティを大切にする」である。住民参加と自立した地域運営という趣旨を徹底すべきだ。その点、この原案は稚拙であり、住民が反対するのはもっともなことだ。いまこそ、スクラップアンドビルドを繰り返す失業対策の産業振興計画から、歴史とコミュニティを大切にする計画への転換を図るべきである。

このように4人の公述人すべてが、反対意見を表明した。
これまでの説明会で表明された意見と同じ趣旨のものが多い。しかし説明会と異なり15分の時間があったので、それぞれの方の論理展開がよくわかった。

なおここで紹介した意見は、全文の一割以下に短縮している。Nさん、Yさんの原稿はこの会でも保有しているので、下記のリンクをクリックし全文を読んでいただけると幸いである。
  Nさんの原稿
  Yさんの原稿
  (Click here to start download from MediaFireをワンクリックし、「開く」を押すと読むことができる)
舞台は練馬区都市計画審議会の場に移る。区議会議員選挙があったので委員の入れ替えもあり、審議されるのは6月以降と予想される。

                          多面体



発言した住民全員が反対した地区計画原案説明会

2011年04月06日 | ニュース
光が丘公園の桜は3分咲きとなったものの肌寒さを感じる4月3日(日)、光が丘区民センターで「地区計画の原案および一団地の住宅施設の変更(廃止)原案」の説明会が開催された。
2月26日と3月1日に行われた素案説明会で出た意見を踏まえ、原案は2か所修正された。「建築物等の用途の制限」の住宅地区に「店舗、飲食店その他これらに類する用途に供するもの」を加えたのと、「建築物等の整備の方針」に「既存の住宅施設については、良好な住環境の維持・保全のため、引き続き、住宅の用途に供する物とする」という文言を追記した2つだけである。
説明会は3日に2回、4日に2回、計4回開催された。そのうち3日朝10時から開催された説明会の模様を報告する。出席したのは、区からまちづくり推進調整課・阪田課長、企画課・田中係長ほか2人、住民は35人だった。35人のうち発言した住民は全部で9人だったが、全員がこの地区計画原案に反対した。ちょっと珍しい説明会である。
主な意見や質問を紹介する。

公共関連地区の「土地利用の方針」には「産業振興に関連する施設」が入っており、「建築物等の用途の制限」をみると店舗や事業所は除外されていない。これでは将来アオバの経営が立ちいかなくなったとき、商業施設や事業所に転用される懸念が拭えない。また10年後、20年後のことを考えると、区の職員もすっかり変わり、路線に面しているので売却して高層マンションや商業施設が建つこともありうる。何の法的担保もない。ぜひ「産業振興に関連する施設」という文言を削除してほしい。
2小跡施設は避難拠点ではなくなった。しかし光が丘一帯が広域避難場所であることは変わっていない。アオバに変わっても人は押し寄せる。この点をアオバにどのように説明しているのか。
これに対し、区(企画課)から「アオバと1月に契約を締結した。契約条項のなかに災害時にグランドと体育館を提供することが入っている。しかし校舎内の教室を使えるかどうかや学期中はどうするかは話し合っているところだ。まとまったら地域の方とも相談する」と説明があった。
ところがこの回答に対し、避難拠点運営連絡会の方から「防災課と何度も協議しているが、そんな話は公式には一度も聞いていない。なぜ契約書をみせないのか。練馬区に抗議する」という怒りの声が上がった。

住民が高齢化し低層棟にエレベータを増設したいという要望がある。これは(区が説明する)20-30年も待てない。容積率・建ぺい率の変更がないが、なぜこの機会に変えないのか。
1月15日の地区計画(たたき台の2)の懇談会で、街区別の現状の容積率が発表された。C-3街区は消化率80%、D街区は88%だった(C,Dなどの街区はこの資料の9p下の図を参照)。これを原案の容積率に当てはめるとC-3はあと50%余裕がある。50%というと1万平方メートルに相当し、1000-1500戸のマンションが建つ。これが区の「隠しごと」ではないかと思えてしまう。C-3の容積率を200%、Dは170%に引き下げることを要求する。

住民は1年前から一貫して「一団地の住宅施設の都市計画」の一部変更を提案している。地区計画と比較し、それでなんの不都合もないことを論証した。住民は区の提案にすべて反対するわけではない。反対する根本的原因は、「地区計画」といいながら、光が丘をどんなまちにするのかという具体的な計画がないからだ。計画なき地区計画(原案)に反対する
区が、学校跡施設の土地を自由に使えるようにすることが地区計画の目的なのではないかと懸念したくなる。原案の「土地利用の方針」に「地域の活性化に資する土地利用を図る」という文言があるが「地域の住民のニーズに応える土地利用」という表現に変えてほしい。
「学校跡地利用を考える会」の区長選立候補予定者へのアンケートに志村豊志郎・現区長は、「地区計画とすることで、住民提案型の都市計画を担保し、住民の話し合いによる今後の課題解決への道筋を確保します」と回答している。それなら制度として住民協議会を設置することは欠かせない。また少子高齢化について「若年層を呼び込む等、光が丘地域の将来を支える次世代層の増加を促す取組をしていく必要がある」と答えている。この地区計画を実施して本当に若年層を呼び込めるのか。そうは思えない。若年層が入居できない根本の問題である高すぎる家賃をなんとかするべきだ。国がURに補助金を出す制度があるので、区はこれを利用する申請をすべきだ。
これだけ大きな変更の原案説明会なのに、住民はこれしか出席していない。いったい地権者の何パーセントに当たるのか。規模も小さく、告知の日程も足りない。これで区は説明責任を果たしているといえるのか。果たせていないと思う。

☆住民が一番怒ったのは、この説明会の日程どりだった。区は、わずか6日前に突然「説明会のお知らせ」を全戸配布した。これから2小の跡施設に福島県の被災者が避難してくるという時期である。また説明会と同じ時間に、コーシャハイムでは安否確認の訓練を実施中だった。いま区がやるべきことは地区計画の原案説明会でなく、防災や被災者対策のはずだ。
杉並区では、区の職員が乳児のいる家を全戸訪問して、ペットボトルを配布しているとのことだ。
「同じ公務員としておかしい」「
公務員失格!」「説明会開催の時期ではない。間違っている!」「判断の優先順位が違う」「恥を知れ!」と怒声が飛んだ。
☆原案の説明会への住民の参加は、このあとの日曜午後が6人、月曜午前が18人、午後が19人で、4回合計で78人にとどまる。区は、昨年2月16日の「都市計画の見直しについての懇談会」から数えてこのような懇談会・説明会を合計25回開催した。発言者は延べ200人程度だが、地区計画への賛成意見はほとんどなかった。この地区計画は、そもぞも住民が提案した案件でなく、住民にとってのメリットがなにもないからである。


                   多面体

住民の主張と区の説明は水と油だった「素案」説明会

2011年03月07日 | ニュース
3月1日(火曜)夜、光が丘区民センターで「光が丘地区地区計画(素案)」の説明会が開催された(参加40人あまり)。区から久々に黒田叔孝都市整備部長が出席した。これは1月に開催された「地区計画(たたき台の2)についての懇談会」を踏まえたものである。たたき台の2のときはブロック別も含め10回開催されたのに、素案の説明会はなぜか2月26日(土曜)午前とこの日の2回しか開かれない。

会場で15pの説明資料が配布された。内容は、1都市計画見直しの背景、2地区計画の基本的な考え方、3地区計画(素案)の内容、4これまでの経過と今後の流れ、5参考資料(用語の説明、一団地の住宅施設の概要、「一団地の住宅施設」と「地区計画」の比較)から成る。
この日住民から出た問題点は主として3つにまとめられる(ページ数は説明資料のページを示す)

1 飲食店や物販店への用途転用
4pの「都市計画の見直しのイメージ(建築物の用途制限について)」で地区計画のねらいがよくわかった。いままでは「用途地域」の規制に加え「一団地の住宅施設」の規制の二重の規制がかかっていた。地区計画に変わり「用途地域」の規制だけになると、光が丘の住宅地のほぼすべてを占める第1種中高層住居専用地域のどこにでも飲食店や物品販売店(2階以下500平方メートルまで)をつくることができるようになる。500平方メートルというと、バックスペースを考慮しても立派な居酒屋を開業できる。飲食店・物販店を用途制限に追加すべきだ。
これに対する区の回答は「用途地域としてはたしかにそのとおりだ。しかし管理組合の管理規約によるハードルがある」というものだった。
これに対し、住民から「地区計画で転用が認められたのだから、管理規約を変更しよう」と規約変更の根拠とされるおそれがある、ともっともな反論があった。

2 「産業振興」の復活
6pの「土地利用の方針」の「公共関連地区」に、たたき台の2の段階ではなかった「産業振興に関連する施設」が入っている。素案の段階になって、なぜ学校跡施設の説明会で紛糾した産業振興を復活させたのか。よこしまな動機が見え隠れする。「産業振興」という文言を削除してほしい。
区の回答は学校跡施設活用基本計画との整合を図るため「産業振興」を入れたということだった。しかし昨年から何度も行われている懇談会で「産業振興を要望する意見はあったのか」という質問には「そういう意見はなかった」との回答があった。
昨年10月11日の懇談会で、まちづくり推進調整課長は「アオバインターナショナルスクールは、2年経ったらつぶれてしまうかもしれない。一団地の住宅施設のままだと、もう一度都市計画をやりなおさなくてはならない」と、発言している。アオバの次には企業という可能性を残しておきたいのだろう。

3 地区計画の進め方
多摩市では、ニュータウン再生を目指し10-20年後の人口や世帯数、住宅需要などの将来予測を行うことを予算化した。まちづくりはここから始まるべきだ。
区は、ポンプ室、学童保育や小学校のスペース活用から地区計画を進めようとしている。これらはスポットの問題だ。区はたしかに人口動態は調べたようだが、地区計画には交通アクセス、病院、熱供給、清掃工場などすべてが総合的にからんでくる。総合的な実態調査や将来予測をしてはじめて地区計画が始まる。区がやっている手順はまるで逆だ

この説明会では10人の方が発言した。そのなかに少なくとも3人都市計画の専門家がいた。傾聴すべき意見・感想が多かった。
あまりにも短期間でつくろうとしている。小さい地区でも2年はかける。こんな広い地区で地区計画をつくるにはさらに時間を要する。
地区計画づくりの手続きとして、住民同意がいる。住民提案の地区計画は2/3の同意が必要だが、区が提案する場合(法規制はなくても)それ以上の同意が求められる。少なくともいままでの地区計画と同じ水準で同意率の調査をしてほしい。公道に面しているかどうかという問題はあるにせよ、田柄や早宮ではアンケートをしていたはずだ。
建築基準法上の用途地域制限と管理規約による制限はまったく違う。区がいうように「管理規約で規制できる」のなら、公法上の用途地域制限はなぜあるのかという話になる。考え方をきちんと整理していただきたい。「公法上認めているのに規約で認めないのは違法だ」といわれても仕方がない。
やはり急ぎすぎだ。「素案」の表現の仕方にも多くの問題が表れている。たとえば7pの「整備の方針」では街区ごとの容積率が書かれているが、11pの「地区整備計画」の容積率の最高限度には全体の容積率200%しか書いていない。これでは限度は200%ということになってしまう。わたしなら「全体では200%だが、街区別では○○と二重規制になっている」と書く。そういう点まできちんと議論してから素案を出すべきだ。
1pに「まちづくりの現状と課題」とある。しかし作成したのがまちづくり推進調整課なのに「まちづくり」の用語説明(定義)が書かれていない。まちづくりと都市計画の違いを明確にしてほしい
1pの「光が丘地区のまちの現状と当面の課題」に少子高齢化が書かれている。練馬区では高齢者数が2010年に世田谷区に並び、2025年には世田谷区20万人に対し練馬区は23万人と、どんどん増えるという予測を立てている。ところがどのように対応するのかこの地区計画には書かれていない

そして多くの人から異口同音に出たのは「なぜ一団地の住宅施設の都市計画の一部変更で対応できないのか」という当初から出ていた疑問だった。区は「将来の施設需要に柔軟な対応をするため」と説明するが、「地区計画にしないとできない具体的な使用計画が計画があるのか」と聞くと「具体的にはない」という答えしか返ってこない。
「ルールをゆるくして行政にフリーハンドを渡すことはできない。区に全権委任すれば何をされるかわからない」という警戒感は多くの住民が共通して持っている。
住民の主張と区の説明は水と油の関係であることがいっそうあらわになった説明会となった。

「地区計画」は「たたき台その2」へ 練馬区主催の懇談会開催予定

2011年01月02日 | ニュース
2011年 あけましておめでとうございます。
 


 12月末に「光が丘地区 地区計画(たたき台その2)についての懇談会開催のお知らせ」という印刷物が、光が丘団地全域にポスティングされました。
 発行は「練馬区環境まちづくり事業本部 まちづくり推進調整課」。

 昨年2~3月に「都市計画の見直しについての懇談会」が開催され、10月には地区計画の「たたき台」についての2回の全体懇談会、11月には光が丘団地4ブロックで8回の懇談会へと駒が進められました。
 しかし、住民への周知も十分なものでなく、あるブロックの懇談会では参加者が一桁であるなど、大変形式的なものでした。
 一方、たたき台では、建ぺい率・容積率についての変更などが突然説明されたまま、どの会場でもたくさんの疑問と不安が出されていました。
 本来、練馬区は昨年内には、地区計画を「たたき台」からさらに「素案」へと進めたかったようですが、年を越えて「たたき台その2」として新たに住民に提案されます。

日程は以下のとおり(会場地図などはリンクご参照ください)

【ブロック別懇談会】

光が丘3丁目 1月15日(土)午前10時~ 光が丘第三中学校(1階視聴覚室)

光が丘2丁目 1月15日(土)午後2時~ 光が丘区民ホール(5階会議室)


光が丘5~6丁目 1月15日(土)午後6時~ 光が丘四季の香小学校(1階ランチルーム)

光が丘7丁目 1月16日(日)午後3時~ 光が丘春の風小学校(2階ランチルーム)

【全体懇談会】

第1回 1月16日(日)午前10時~ 光が丘区民ホール(3階多目的ホール)

第2回 1月17日(月)午後7時~ 光が丘区民ホール(3階多目的ホール)



 日程を見れば一目瞭然ですが、1月15~17日のたった3日間に6回の懇談会が開かれます。 今回の案内は、チラシを封筒に入れて各戸集合ポストに投函してあったり、各棟1階にポスターが貼ってあったりと、かなり今までに比べて周到ですが、逆のこの6回の懇談会を終われば、次は地区計画の「素案」に進みたいという練馬区の決意を示しているかのようです。
 
 懇談会は当該ブロックの住民でなくとも参加できます。
 小学校統廃合の経験でも、「素案」になってしまえば、住民の意見を大きく取り入れることはなく、「案」→「計画」へと駒が進むのはあっという間です。
 ぜひ、懇談会に参加して疑問や意見を表明しましょう。


セブン

練馬区議会 旧光三小跡施設貸付契約を「留保条件」つきで承認

2010年12月16日 | ニュース
 12月7日の練馬区議会※企画総務委員会において、旧光三小の留保条件つきの貸付契約に関して採決が行われ、多数決で採択された。

 そもそも、なぜ旧光三小の貸付契約が、区議会でのの議決事項になったといえば、

○光が丘団地の都市計画の変更を前提とした、留保条件つきの異例の契約であること。

○アオバに対して賃貸料の減免を前提にした契約であること。

の二点が理由である。


その留保条件とは以下のとおりだ。


(留保条件)

1 この契約の締結後、甲(練馬区)および乙(アオバインターナショナルエデュケーショナルシステムズ)は、貸付けに必要な都市計画法および建築基準法に規定する手続をおこうなうものとする

2 前項の場合において、貸付開始時(平成24年4月1日)までに乙の使用用地による使用ができないときは、貸付け期間に係る契約を変更し、または本契約を解除する。

3 前項の規定による契約の変更または解除により損害を受けた場合においても、甲、乙は相手方に対してこの補償を請求しないものとする。


 
つまり、都市計画の変更手続きの過程で問題が生ずることが予想されるなら、区議会として承認してしまっていいのかどうか、
また、アオバに区立小学校跡施設を貸与するにあたって減免に値する事業者なのかどうか、などが議決にあたっての論点だった。

 この日の委員会でも、採決の前にかなり厳しいやりとりがあった。

 正確を期すために、各委員および理事者(区側担当者)の詳細な発言は正式な議事録を待って改めて紹介することにしたいが、契約の議案に反対の意見は、学校教育法上の学校ではないアオバが、建築基準法で定められた用途制限での「学校」であるかどうかは、東京都の最終的な判断が出されるまではグレーゾーンであるという現段階で、区議会が契約にお墨付きを与えてしまってよいのか、また区内の小中学生が通学することを推奨できないと区自らが説明している事業者は、賃貸料の減免に値するのか、というような意見だった。
 一方、賛成意見の中にも、区民にとって小学校跡施設はもっと別の活用方法があったのではないか、という「苦渋」の選択の結果の意見もあった。
 もちろん、「都市計画の変更がダメならその時はその時」「他の事業者が借りるようになったときも、一団地のままではダメ」「いつまでもがらんどうのままでいいのか」というような賛成意見もあった。

 議案についての各会派の立場は以下の通りであった。

自民党(練馬区議会自由民主党) 可決

公明党(練馬区議会公明党)
福祉施設の誘致などやり方があったのではなど述べた上で、可決

民主クラブ(民主党練馬クラブ)  反対

区民クラブ(練馬区議会民主区民クラブ) 可決

共産党(日本共産党練馬区議団 ) 反対

社・市・ふ(社民党・市民の声・ふくしフォーラム)  反対


 最終的に各委員の挙手採決となり、留保条件付きの契約議案は可決された

(敬称略)
【賛成】6

岩崎典子(公明党・副委員長)

山田哲丸(公明党)

原ふみこ(公明党)

田中ひでかつ(自民党)

小泉純二(自民党)

野沢彰(区民クラブ)

【反対】3

土屋ひとし(民主クラブ)

とや英津子(共産党)

池尻成二(社・市・ふ)


(委員長は採決に加わっていない)
小林みつぐ(自民党)

 貸付け契約議案が委員会可決されたのち、この契約に関する私たち「光が丘学校跡地利用を考える会」が出していた区議会あての陳情の審査に入った。
 私たちの陳情要旨は以下のとおり。

光が丘第三小学校跡施設の活用計画について、以下のように対応されたい。

1,同施設を株式会社アオバインターナショナルエデュケーショナルシステムズに貸し付ける契約を認めないでください。

2,光が丘の「居住者の利便の増進」につながり、練馬区民全体の福祉の向上にかなう活用策について、関係住民の参画のもとあらためて検討してください。
 

この陳情をめぐる議論についても、正式の議事録を待って引用することにしたいが、みなし不採択(採決することなく議案の結果に応じて不採択とみなして処理するとりあつかい)・採決して不採択・継続審査とやはり意見が分かれた。

最終的に、陳情要旨の1を継続審査とするかどうかの挙手採決が行われ、継続審査に賛成3(上記の反対3委員と同じ)で、賛成少数で採決することとなった。

 会派ごとの陳情の対する立場表明は以下のとおりで私たちの陳情要旨1は<不採択>となった。

【不採択】

自民、公明、区民クラブ、民主クラブ

【採択】

共産、社・市・ふ



 契約そのものについては、今後、都市計画変更が問題なくすすむのかどうかということに密接に関わり、区議会としても議論が必要とされる可能性があるため、陳情要旨の2は<継続審査>となった。
 議案そのものは正式には12月15日の本会議で議決された
 注:民主クラブは本会議での採決で、契約議案については反対、陳情については採択。勇気ある決断に感謝したい。(詳しくはこちら

 東京都との都市計画の変更がクリヤーできるかどうか不透明な段階での【契約】。
 練馬区企画課長は、契約をすることでアオバの地位がきちんとしたものになり、貸付け・移転の準備に入ることができる、とアオバの立場だけを擁護しているが、光が丘の住民の立場ではどうなのだという観点での発言は一切ない。
「練馬区議会でも契約が承認されたから」というのは都市計画変更について、都に対するプレッシャーにもなっていくだろう。
 本来なら、都市計画変更のレールが見えてきた段階で契約は承認されるべきだろう。
 光が丘住民として何より残念なのは、光が丘の長期的な未来像が区議会できちんと議論されないまま、光が丘の将来を決定づけかねない重要な契約案件が承認されたことだ。
 ただし、この契約は留保条件のついたきわめて異例でいびつなものでもある。アオバでなければこういう事態にならなかったことだけは確かだ。



文責 セブン

区議会全会派によびかけて実現した「まちづくり」シンポジウム第4弾

2010年11月28日 | ニュース
 11月15日、「光が丘のまちづくりを考えるシンポジウム」の第四弾として、練馬区議会の全ての会派に発言をよびかけてのシンポジウムを開催した。
 光が丘団地の都市計画変更や、小学校跡施設利用など、様々な立場を前提に、光が丘のこれからのまちづくりをどう考えていくのか、という基本的な考え方を光が丘の住民に提起してもらおう、という趣旨のもと、準備された。
 時間的な制約もあり、各会派を代表する形で7名の区議会議員の方に発言していただいた。
 出席してくださった会派は、区議会9会派のうちの7会派。また、前に出ての発言ではなかったものの、会場で発言してくださった区議の方もいた。
 来年4月の区長選と区議選もあり、光が丘の周囲にもポスターがあふれてきて選挙ムードも盛り上がって来ている中で、はじめての参加者も多く、80名の会場はほぼ満席となった。
 お忙しい中駆けつけてくださった区議会議員の皆様に改めて感謝したい。。会場の参加者との熱心なやりとりもあったが、まず、パネラーを務めてくださった区議の方々の発言を簡単に紹介する。


酒井妙子さん(練馬区議会公明党 ) 

光が丘に住んで4年になるが、とても環境がよく暮らしやすい街。ずっと住み続けたい。家賃の心配をずいぶん聞いている。URの賃貸住宅の家賃については公明党もがんばって来年4月に予定されていた値上げは凍結できた。女性と子どもにやさしい街づくり、高齢者と障害者にやさしい街づくり、生活者にやさしい街づくり、環境にやさしい街づくりの4つを柱にしてきたので、これからも行政にきちんと情報を提供してもらい、住民の皆さんとともにより安心して生活できるまちづくりを目指していきたい。

とや英津子さん(日本共産党練馬区議団 ) 

光が丘は区民あげてのグランドハイツ返還運動でできたまち。平和で住みやすい練馬という、当時の練馬区基本構想とセットのまちづくり。この基本構想を変えてしまった。光が丘のまちづくりの構想は緑多く環境の良い、各年齢層が住める団地だった。どうして若い世代が離れてしまったのか。子育て世代が住み続けられるよう家賃補助など区政の考え方が必要ではないか。35人学級が確実に進み統廃合された小学校の教室は不足する事態が来るだろう。学校跡施設で必要なのは教室を残すこと。地区計画は住民合意が得られていない。行政主導で強引に進めるべきでない。

すがた誠さん(民主党練馬クラブ)  

この会の主催者に感謝したい。都市計画の問題、まちづくりの問題について分譲と賃貸では感触が違う。20年後の建て替えの時どうするか、財産権にかかわる問題だ。小学校の跡地利用で都市計画どうのこうのは街づくりを考えるいい機会だが、住棟も商業施設の部分も含めてまちの将来を一緒に考えよう。これから拡大、維持、縮小でいくのか?そういう基本の議論をすべき。賃借部分増えるのはそれだけの需要がこれからあるのか心配もある。行政が将来を考えるのはいいが慎重にすべき。主役は住民、10年20年後60年後、みんなが関心をもって考えていくことだ。

池尻成二さん(社民党・市民の声・ふくしフォーラム) 

光が丘の将来ということで一番大切なのは建て替えが入る時期だ。それを1~2年でデザインするのは難しい。熱供給の都市計画変更の説明会に参加した。100人近い参加者があって改めて光が丘のシンボルのひとつだと思ったが、熱供給のあり方には多くの批判と不安がある。清掃工場や大規模なインフラに依拠したまちづくりを続けるのは疑問だ。基本は誰のためのまちづくりか、この地は区民・区役所・区議会あげて勝ちとったまちだ。区民全体の問題。一方、学校建設の住民負担金など住民自身の作ってきたまちでもある。区は都市計画の変更をもっと軽く考えていた。いくらか懇談会の回数を重ねて努力しているが、区にボタンの掛け違いを直す気があるのか。住んでいる人の気持ちと利害をはずしてはありえない。

橋本牧さん(生活者ネットワーク) 

光が丘に10年すんでいる。練馬区内に生まれたが、この地は特徴がある。歩いてみると高齢化が進み世帯が変わっているのがよくわかる。駅近くの賃貸住宅は入れ替わりがはげしい。自治会の役員なども入れ替わりが激しくてなり手がいない。団地全体の将来像を長いスパンでどう考えるか、という継続した議論に進展していかない状況がある。ここにきて考えていくことになったが、建て替えの時期を待つまでもなく、今後、清掃工場の建て替え、日大病院が後10年の契約であることなど、否応なく光が丘のあり方は大きく変わらざるを得ない。利害関係の対立があっても住民自身が議論を続けていくことだ。

片野令子さん(緑と自治) 

将来構想はいかに自治を作り上げるかだ。今回のような大きな問題に区はアンケートとるなど一人ひとりの意見を聞く努力したのか。まちづくり推進調整課長は学校統廃合の担当からまちづくりへと異動した。区民と一緒にする態度が区政にはない。自治基本条例区政推進基本条例にかえてしまった。財政が厳しいというので小さな政府と言われているが、住民自治が確立しなければ進めてはいけない。世田谷区では住民が「もめごとのタネはまちづくりのタネ」といって「もめタネ研」というのをやっている。地区計画を強行するなら住民投票すべきだ。

土屋としひろさん(オンブズマン練馬) 41年練馬区に住んでいる。練馬区は行政分野が遅れている。行政が住民を引っ張っている。不正も続いてきた。私は岩波区長を訴えたら名誉毀損で500万円払えといわれ一人で最高裁まで闘い勝訴した。光が丘の問題でも担当の課長は的外れた答弁を平気でする。大泉関越高架下問題も一方的に説明しただけで住民の声を受け付けない。区役所建て替えの時も行政がやることだ住民が口出すことでないといった。ビックリした。練馬区にとって光が丘の存在は大きい。今回も行政に問題あり。みなさん闘ってください。


◆◆小学校の統廃合から始まった光が丘の都市計画変更の動きは、来年4月の区議会議員選挙と区長選挙をまたいでいくことになる。
 そうした意味で、次の選挙は有権者として光が丘の未来をどうするかの選択にもなる。
 現在の区政にどう向き合うかという立場の違いはあれ、区議会は本来は区民の立場から区政をチェックするための機関だし、区議会議員は住民の側にいつもいてほしいということを改めて実感した有意義なシンポジウムだったと思うし、ニュートラルな立場から光が丘住民の声を区議会に届けたいという私たちの立場を改めて確認した機会でもあったと思う。
 会場とのやりとり、参加者のアンケートなどでも貴重なものがあり、今後追ってきちんと紹介していきたい。

<文責>セブン

光が丘3丁目で開催された地区計画・ブロック別懇談会

2010年11月20日 | ニュース
11月14日(日)朝10時から光が丘三中の視聴覚室で、「光が丘地区・地区計画(たたき台)のブロック別懇談会」が開催された。10月31日の全体懇談会に続き、区は光が丘を4ブロックに分けて懇談会を合計8回開催しつつある。11月6日と10日には7丁目の懇談会を行い、3回目の懇談会が3丁目で開催された。
区から、まちづくり推進調整課の阪田課長、佐野係長、企画課の田中係長など5人が出席、住民は12人参加した。
今回対象の光が丘3丁目は、どの選挙でも区最高の投票率を誇り、いわゆる政治意識が非常に高い地域である。この日は、光が丘公園でマラソン大会とフリーマーケットが開催されたせいもあるかもしれないが、あまりにも参加者が少ないので、その問題についていくつかの意見が出た。
たとえば、「区は周知徹底をどのように考えているのか、このまま地区計画が通ると不安だ」「区の広報ビラだけみても、いったい何が問題で区が何を提案しようとしているのかわからない」「区の都市計画の専門家が出席していない。これでは床屋談義の繰り返しなので、参加しようとする意欲がなくなり、うんざりしてくる」「初めて参加したが、区はノルマをこなすために説明会の回数を重ねているだけではないか。せっかく発言しても意見が反映されないので、住民は出席しても仕方がないと感じているのではないか」。まことにもっともな感想である。
10月31日の全体会の報告と重ならない質問を中心に紹介する。



●なぜ容積率の規定を従来と変えるのか
Q1 現在は、全体の容積率200%のほかに、6つのブロックごとに60%から250%の容積率の規制がある。なぜこれを変えるのか、このまま残すことはできないのか。
A 一団地の住宅施設は1975年ごろ流行した特殊な都市計画だ。一高専の用途地域では300%に指定されているのに、それに上乗せし200%に規制している。ひとつの敷地の容積率は、ふつうはひとつしかない。
Q2 ブロック別をやめるということは、のべて容積率を決めるということだ。しかし、光が丘の都市計画は中心部は容積率を高くし周辺は低くするという考えになっており、この考え方は尊重すべきだ。また、一律にのべてしまうと配置方針とも矛盾する。
A 2つの容積率を書くことは、地区計画の記載方法として国が認めていない。
Q3 それならブロック別だけ残せばよい。このブロック別を維持すれば、全体では自然に200%以下に収まるはずだ。
A 持ち帰って検討する。すべて区の提案どおりになるとは考えていない

●都市計画の「一部変更」では対応できないのか
Q4 4つの小学校跡施設を別の用途に使うための都市計画の変更方法として、「一団地の住宅施設」の都市計画の一部変更と地区計画の2つがあると区から聞いた。住民は「一部変更」がよいと当初から主張してきた。区は、都や国が地区計画を推奨しているというが、住民が調査したところ地区計画にしなければならないというわけではなかった。また学童保育や機械室のアキスペースを他の用途にすることにも使えるというが、そんなことは具体的な要望や計画が出て来たときに住民が考えるべき課題であり、区がこういう場でいうのは僭越だ。それに学童保育の空きスペースなら、すでに病児保育や子育てひろばとして活用している。一部変更で対応できない理由は、何かあるのか。
A 3小の跡施設も含めて、一部変更で対応できる。病児保育や子育てひろばは、同じ目的の範囲内という解釈である。ただ今後、4つの小学校以外の用途変更が出てきたとき「一部変更」での対応を選択した場合、都市計画の決定権者である東京都が1回ずつ応じてくれるか疑問だ。また応じてくれても手続きに1年以上かかるので、考えられない。

●若年ファミリーを取り戻す秘策「家賃補助」
Q5 学校をつぶさなければいけないほど光が丘だけが少子化したのは、光が丘から30代が一気に3000世帯も流出した95,96年ごろに区が政策を講じなかったからだ。今からでも遅くない。URは、国から補助金を受け家賃減額措置を実施している。だから、区はその制度を積極的に活用すべきだ。13-15万の家賃で入居できる若いファミリーは少ない。この高額家賃は自助努力の域を超えている。また品川区ではフラット家賃方式で所得に応じて家賃の一部を15年間補助し、家賃13万7300円のところを10万8900円で入居できるようにしている。
A まちづくり推進調整課の所管外だが、貴重な意見なので関係部署に伝える。
Q6 光が丘公園で子ども連れの姿を多くみかける。しかしその人たちに聞いてみると、白子、板橋、田柄など周辺の人ばかりだ。理由はURの家賃が高いからだ。子育て世代はクルマを使う家庭が多いので、駐車場代まで入れると15―20万の負担になる。
若いファミリーは多くがネットを活用する。練馬区の制度がよいことを知っているので、家賃が安い都住宅供給公社の物件が出ると即日契約済みになる。しかし家賃が高いURはいつでも空室がある。
一方、光が丘の家賃を支払えるような若い高所得層は、通勤に便利な都心に行ってしまう。またそれだけの家賃を払うなら4000―5000万で周辺の戸建てを購入しようということにもなる。結局、どんなに光が丘が魅力的でも若いファミリーは光が丘に住むことはしない。何か対策を打ってほしい。
また子どもを保育園に入れて働きたいが、競争率は10倍だ。なんとかしてほしい。
A 家賃補助については担当部署に伝える。保育園は、全区的視点でみると、光が丘地区はすでに充足している。周辺地域からも園児を受け入れているほどだ。

●光が丘の再開発
Q7 配布資料に「団地建替え時には、建蔽率、容積率、用途地域等について関係権利者および関係機関と検討を重ね、『地区計画を見直す』」と書かれている。関係権利者は、地権者である住民だけではない。公団や東京都住宅局、練馬区も入る。最も土地を多く所有しているのはじつは練馬区だ。言葉をそらし、住民をだまくらかしている。これはひどい。駅前に高層ビルが乱立し、六本木ヒルズならぬ光が丘ヒルズとなってしまう。しかも、いま区は練馬駅北口再開発で事業者募集を進めているが、練馬駅の次は光が丘駅前でやろうとしているのではないか。
A 練馬駅北口は区有地だ。光が丘とは状況が違う。

●小人数学級への対応策は増築?
Q8 民主党政権は、8年後に30人学級にする方針を打ち出している。四季の香り小学校はスペースがパンクすることが明らかだ。光連協の役員が教育委員会にこの問題を質問すると「増築で対応する」との答えだった。しかしそれは税金のムダ遣いそのものだ。小学校はいつでも小学校として使えるように残してほしい。そして当面は、老人や子どものための施設や不足している地区区民館の補完施設として使えばよい。
A 教育委員会の回答については聞いていない。

●宗教施設の制限
Q9 建築物の用途制限(案)に「神社、寺院、教会等」とある。宗教施設を排除するのは何か理由があるのか。
A オウム真理教のように、地域問題を起こした例がある。いま宗教施設はないので、今後も制限をかけたほうがよいというのが区の提案だ。

☆ブロック別懇談会も残すところ11月21日(日)午前10時から光が丘2丁目住民向けに開催される1回と迫り、その後練馬区はたたき台を「素案」に進めようとしている。しかし、なぜ「一団地の住宅施設」の都市計画をそっくり廃止し、地区計画に変更しなければいけないのかという根本的な問題は、利害関係者である住民にとっていまも謎である。
そもそも98ha、1万2000世帯、2万9000人、IMA周辺の商業地域もあれば大部分は住居地域という広大な「地域対象」に1つの地区計画で対応しようということに、ムリがあるのではないだろうか。


       多面体

「たたき台」へコマを進めた地区計画全体懇談会

2010年11月06日 | ニュース
時ならぬ台風は通り過ぎたもののどんより曇った10月31日(日)午前10時、光が丘区民センター多目的ホールで「光が丘地区・地区計画(たたき台)についての全体懇談会」が開催された。練馬区から、黒田都市整備部長、阪田まちづくり推進調整課長、田中企画課係長など6人が出席、参加した住民は40人足らずだった。
3月の段階では「都市計画の見直しについての懇談会」だったが、区は「たたき台」へと一歩進め、次は「素案」にし2011年秋に都市計画決定へ進めたいという。
区から9pの懇談会資料に基づき、たたき台の説明会があり、その後の質疑応答では12人の住民が質問や意見表明を行った。

●容積率
Q1 建築基準法上の「一団地認定」は変更しないとあるが、建替え時の増築もできないという意味なのか。また容積率200%となっているが、せめて250-300%にしてほしい。容積率が上がれば建て替え時の原資を捻出できるだけでなく、更地にした場合でも地価が上がる
A 「一団地認定」は変更しないので、建替え時にも大がかりな手続きが必要となる。
Q2 「一団地の住宅施設」の都市計画の場合、「全体」で200%以下のほかに地区別の規制もあった。たたき台資料6pによれば、今回の「地区計画」では全体で「200%」のみになっている。大通り南団地では賃貸は139%、分譲は251%、全体で217%になっている。建築確認が取れたのはAB両地区合わせて168%だったからだと住宅供給公社から聞いている。将来建替えをするときに、賃貸はまだ余裕があるが分譲は現状と同じかそれ以下にしなければならない。今回、建築基準法の「一団地」はそのままにして都市計画の「一団地」のみ廃止するということだが、いまでも矛盾があるのだから将来ビジョンを考えつつ2つ合わせて包括的に検討すべきである。そうしないと、たとえば賃貸部分には建替え以前の時期にいろんなものを建てることが可能になる
A 賃貸部分にはたしかに61%余裕があるが、勝手に変更することはできない。全体の了解が必要になる。
Q3 建蔽率や容積率については、光が丘の歴史を考える必要がある。超高層ビルが団地全域に建つと、高松や旭町など周辺地域にも乱開発の影響が及ぶ。そこで超高層は団地中心部のみにし、ピラミッドのように周囲が低くなるように計画した。「建替え時に、建蔽率・容積率を見直す」とあるが、このような歴史的経緯も考慮すべきだ。
A 建物のありようについては十分熟慮し、全体を検討すべきである。
Q4 今年3月29日の懇談会の配布資料7pで「地区別建蔽率、容積率」については検討中とあったが、それ以外にも「建築物等の用途の制限」「その他の建築制限」も検討中となっていた。「建築物等の用途の制限」については「地区別に建築できる建築物又は、建築できない建築物を限定(検討中)」とあった。ここでいう地区別というのはA-Dの地区のことか、用途地域のことか、どちらを指すのか。
A 今回すでに答えたものもある。また配布資料の表は、一団地の都市計画と地区計画を比較したものである。

●三小跡施設借受候補事業者 アオバ・インターナショナル
Q5 アオバ・インターナショナルは学校教育法上の学校ではない。学校と名乗っているが学習塾などと同じ類のものである。そうすると「500平方メートル以上の事務所」に該当するので1種中高専の用途地域には建てられないはずだ。地区計画に区が変える動機は民間に貸し付けるためなのではないか。他の3校と同じように公益的な使い方をすれば、都市計画は書き換えだけですみ、変更の必要はない。
A 建築基準法48条3にある別表の「大学、高等専門学校、専修学校その他これらに類するもの」の「これらに類するもの」と解釈している。
三小跡以外の3つの跡施設も学校としての役割は終えたので、それぞれの内容にしたがって使うために都市計画変更が必要だ。
Q6 例示の「大学、高等専門学校、専修学校」はすべて学校教育法上の学校で、さらに入学資格が義務教育修了者の学校だ。インターナショナルスクールが「これらに類する」とは読めない。アオバは国民の義務を自ら放棄した人が行く施設だ。なぜそんな施設を光が丘に導入するのか。
A 解釈は多様だ。区は使われ方・機能に注目した。最終的には建築確認をする部署が判断する。また跡施設の事業者候補選定については、区にとって望ましい提案かどうか、地域との調和・協調という点でどうかとの視点からアオバを選定した。
Q7 都や国に確認したのか。
A 最終的に都の建築確認申請のセクションからそのときに正式な見解を示される。都の正式な見解はまだないが、区としてはこのように法律を解釈しているということだ。

●住民参加
Q8 住民は当初から一貫して「一団地の住宅施設」の一部変更で学校跡施設に対応することを要望している。住民の意思に反し、区が「地区計画」を強行するというなら、地区計画の立法精神にのっとり「住民協議会」を設置して検討すべきだ。
A 地区計画には、役所が提案し住民の意見を聞いて策定する方法もある。今回は学校統合が端緒となった地区計画である。協議会は専門的内容を深く詰めるときの方法で、話が協議会内でしか行われず全体化しないという問題がある。今回は、懇談会を何度も開く方法を選んだ。
Q9 今日の話ではもやもやしたものが残る。協議会でなくてよいので委員会をつくってほしい。
A 懇談会開催が適切である。
Q10 住民との合意が得られるまで懇談会を積み重ねることを約束してほしい。
A 約束する

●光が丘の高齢化問題
Q11 なぜ光が丘だけが小学校を4校も統廃合しなければいけないほどまちが急激に高齢化したのか考えるべきだ。1986年ごろ団地がオープンしたときには傾斜家賃制度があり10年間家賃が据え置かれた。子育て世代には魅力だった。10年後の97年に30代の人たちが家賃が高いという理由でいっせいに出ていった。16-20%空き家が出た。そのときに区が家賃補助で子育て世代を支援すべきだった。
A 少子高齢化は光が丘だけでなく、練馬区あるいは日本全体の問題だ。対策については区全体で取り組んでいる。
Q12 2003年に制定した都市計画マスタープランの「地域別指針・第4地域」で、光が丘は「今後居住者の年齢が上がっていくため、バリアフリーや、施設の利用転換を検討する必要があります」と書かれている。学校跡施設の検討委員会にこのマスタープランを示さなかったのではないか。
A 決して無視しているわけではない。(懇談会での)説明が足りなかっただけである。

●その他
Q13 本日のテーマの「地区計画」は長期的なものではなく「当面のまちのあり方を定めるものにすぎない」という区の説明を聞き驚いた。ではいったいいつどのようにして長期計画をつくるのか。
A 10-20年を視野に入れた計画は長期といえると考える。それより先の時期の団地建替えについては、そのときにあらためてまちの将来像を考えるという意味だ。
Q14 地区計画に変更する理由として「団地内の空き室や不要となった機械室を改装して、デイサービス等の福祉施設や地域の人が集える喫茶室などに転用できるようになる」と書かれている。光連協が来年設置する予定の喫茶室は、地区計画ができていないのにどのような手続きで認可されるのか。また空いている学童クラブの活用という話があったが、具体的にどの学童の話なのか。
A 光連協の喫茶室のことは把握していない。空いている学童クラブがあることは承知しているが活用方法については具体化していない。

☆今回の都市計画変更は、区が学校跡地、すなわち自分の土地施設をなんとかしたいというのが始まりだ。「それなのになぜ団地全体の見直しが必要なのか」という住民の根本的疑問は、区が何回説明しても一向に解消されない。
今回、住民の質問への回答は95%阪田まちづくり推進調整課長が行った。会場で聞いているときはそれほどとは思わなかったが、文章化してみると住民の真剣な質問に対しポイントをずらした回答であることが浮かび上がる。たとえばQ4、Q10、Q11への回答はその典型である。住民の質問に答えにくい場合、公務員が正対した回答をしないことはままあるが、阪田課長の回答はそのレベルをはるかに超えている。ほとんど人をおちょくっているといって過言でない回答が多い。問答の形式にどうしてもならないのでカットした質疑応答もあるほどだ。
しかしそれでも「懇談会」を積み重ねたという「実績」は残り、「地区計画案」は区のペースで進展していく。


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アオバ・インターナショナルスクール第2回説明会の報告

2010年10月10日 | ニュース
 9月26日(日)、第二回目の、「光が丘三小跡施設借受候補事業者説明会」が開催された。
 前日の台風により、旧光三小学区域をかかえる光が丘春の風小学校(旧・光三小と旧・光四小の統廃合によりこの春開校)のはじめての運動会がこの日に延期されたこともあって、参加者は約30人とたいへん少なかった。
 再度の説明会を求める声もあったが、練馬区とアオバ・インターナショナルスクールから回答はなかった。
 質疑応答、意見の中から、第一回説明会と重ならないものを中心に報告する。

写真は9月23日の第1回のときに撮影
●学校法人化
Q 光が丘校で学校法人を取得する考えはあるのか。また、不動産を取得していく考えはあるのか。
A 株式会社が学校を運営していくのは、いい形ではないので、学校法人をめざしていく。杉並の校舎を購入したのは法人化のためだ。法人化には、20年の賃貸借の契約がないとできないから、現状では難しい。(注:光三小跡は10年間の賃貸)一般財団でやっていきたい。

●生徒の現状・卒業後の進路
Q 日本人の割合は、現在の4割からどうなると予想しているのか。また、現在の国別の生徒数は。
A リーマンショックの影響で、外国人が帰国したため、杉並校の日本人の割合は4割弱。光が丘校は3割に抑えたい。現在は韓国人が約3割、アメリカ人が16%、その他。

Q 卒業後の進路は。練馬区民でインターナショナルスクールに通っている生徒数は。
A 渋谷から杉並に校舎が移った時、杉並に住んでいた生徒はいなかったが、都心から杉並に転居した家族がいたりして、杉並区に住む生徒が25%になった。光が丘校になれば、練馬区民は現状は1人だが、増えていくと思う。光が丘は都心からの通学に便利なので、青山や麻布から通学する生徒が増えると思う。進学先は、都内のインターナショナルスクールや海外、アメリカ、カナダ、イギリス、スイス、タイ、オーストラリア、インドネシアのインターナショナルスクールに行っている。進路担当者がいて、生徒にあった進路を決めていく。日本の高校に進む生徒は大変少ない。

●交流・施設開放
Q 年に1回だけでなく、月に1回とかのペースにしないと交流できない学校からのクレームもあるだろう。事業者選定理由の提案コンセプトに、近隣小中学校との交流とあるが、もっと具体的に説明を。
A 杉並の年に1回の春のカーニバルは、近隣の方々が楽しみにしている。スポーツに関しては、練習ができないため、杉並区立の中学校とは相手にならない。

Q 杉並校の一般開放はできないか
A 一般開放はやる。日程は知らせる。4月のカーニバルにはどうぞ。だいたい最終の日曜日。
(授業参観や学校公開、日常的な光が丘地域の幼稚園・小中学校との交流についての質問・要望が複数の参加者からあるが、アオバの回答は年に数回の行事やスポーツ交流についてでかみ合っていない。)

Q 開放事業として学校を利用する場合、中学生以下の団体であれば、利用料は免除・半額になるが、アオバはどうなるのか。体育館とグランドの開放について、区はどの部署で担当管理するのか。
A アオバ グランドや体育館は開放する予定。利用料は想定していなかったので検討する。利用料の免除は区と相談。
 練馬区 利用料はアオバが主体で考えることになる。管理についても借り受けたアオバ。練馬区の担当部署はあるが、直接はタッチしない。光2小、光5小跡施設のグランドや体育館も有料になる。それらも勘案しながら料金を判断してほしいと、アオバに提案していく。

Q 現在、区立の施設は、(学校開放運営委員会が主体となって)学校応援団の組織を営んで開放事業をしているが、アオバの場合は、学校応援団を設置するのか。
A アオバ 学校応援団については、私は知らない。
 練馬区 学校応援団については、これから。すぐに同様にはならない。

●借受事業者選定に関して
Q 審査の基準として、安定した経営を行うのが第一となっているはず。そのことと、事業の採算性について聞きたい。会社法人だと倒産の可能性があるが、区の責任はあるのか
A 練馬区(略)現在は厳しい状況があるが、経営方針もしっかりしていて、過大な採算性の見積もりをしていないと判断。原則を言えば、家を貸すのだから、倒産した場合は区が責任を負うことにはならない。区の施設を、別の業者に委託をするという指定管理者については、区民へのサービスなので、充分な注意が必要。今回とは若干違う。

Q 法人安定性でDとなっている。 最近、練馬区内のプールの民間委託を受けた会社や、他の市では保育園を委託した業者がつぶれた。そういうリスクを考える項目の「法人安定性」が、なぜ100満点のうちわずか5点分なのか。またなぜ具体性に欠けている「提案のコンセプト」が20点、「区の課題解決15点、町の活性化」が10点という高配点なのか。
選定の配点が5~20点となっているが、配点が入れ代わると順位が変わる。
A 区にとって望ましいのか、地域にとって望ましいのかという部分の配点を高くして選定をした。

Q (審査項目に)なぜ「住民の意向」がないのか。
 都市計画の変更と一体として進めるという説明があった。都市計画変更は、約1万世帯、3万人の光が丘団地に影響がある。1万世帯はどう考えているのか、問われたことはない、アンケートを取られたこともない。だから、(旧三小跡施設借受事業者の)選定委員に住民意向が示せなかった。また、選定委員会の前に検討委員会があったが、委員会でも、住民の意向は示されていない。
A 今年1月の「活用基本計画」を策定するにあたって、説明会等々を開催したり、検討会議からいただいたものがある。例えば街の活性化とか、地域との協調という評価項目があった。「活用基本計画」を作るにあたり、光が丘第3小学校の関係では、近隣の住宅街に大きく住環境が変わる施設が入ることは充分に注意してほしい、体育館やグランドも、地域に使わせてほしいという意見を多くいただいた。そういう地域の協調などを踏まえてアオバは積極的に対応していきたいということで、高い評価を受けて選定された。

●経営改善の見通し
Q 単年度で3000万円の赤字、また、杉並校の定期借地権の取得と校舎建築で負債が10億円と聞いている。
 光が丘の定員は400人とのことだが、常に確保は難しいと思う。何人なら経営が安定すると考えているのか。
A アオバ 杉並校は財政上大変困っている。3年前校舎を建築した際の負債がある。教職員を4割近く削減し、健全な財政を目指している。杉並校では最大で478人の生徒がいた。素晴らしい環境、体育館とグランドのある光が丘に来れば、400人の定員は大丈夫ではないか。練馬区民に対しての授業料については検討したい。

Q 経営の安定性は大切だ。教員を4割削減するとの説明があったが、これでよい教育ができるのか。生徒数が増えるという見通しが楽観的にやっていると、倒産するのではないか。その時、区はどのような責任をとるのか。
A(具体的な回答はなし)

●避難拠点
Q 旧3小は避難所になると聞いた。これから30年間に7割の確率で地震が起きると言われているが、これから公立学校の統廃合が増えると避難拠点はどうなるのか。

A 練馬区は、区立の小中学校を避難拠点としており、それぞれ避難拠点運営連絡会を組織して、準備をしている。光3小と光4小にそれぞれ避難拠点運営連絡会があり活動していたが、統廃合に際に再編したため、従来の光3小の避難拠点はなくなった。
ただ、アオバから防災拠点としての機能、特に外国人の避難拠点としての提案があった。区内に14000人の外国人が住んでいる。神戸の大地震の際には、日本語に不慣れな外国人は苦労したと聞いている。練馬区は、外国人の対応が不十分である。
光3小の避難拠点運営連絡会は熱心にしてきたので、アオバが防災訓練で使うのなら、マニュアルとか知恵を借りながらやれればと思う。

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 経営状態について疑問視する質問・意見が前回に引き続き出されたことと、地域や光が丘の幼稚園・小学校の交流などについて、意欲だけが選定委員会で高得点で評価され、具体的にはほとんど考えられていないことが、参加者の質問に対するすれ違いや抽象的な回答から明らかになってきた。
 また、学校教育法に定められた学校ではないため、練馬区教育委員会がどこまで関与できるのか、責任をもつのかも明らかになっていない。
 施設開放も、避難拠点も、区からは責任部署についての明確な回答がなく、事故があった場合の責任の所在も今のところ明らかでない。第一回説明会で出された、児童委員や、青少年育成委員会が学校とアオバの生徒たちにどう関われるのかも未知数だ。 
 学校側の説明で明らかになったことは、開校時にはほとんど区外からの通学であること。現在の杉並校の230人あまりの生徒数から考えても、5~60人はマイカー通学だということだ。
 隣接する区立わかば幼稚園の登下園も考えれば、かなりの環境激変になることは想像できる。 
 アオバとの契約については練馬区議会の議決事項となる。
本当に住民にとって望ましい跡施設利用とはどういうことなのか。
 まだまだ光が丘住民の声は小さいと思うし、練馬区にも区議会にも届いていないと思う。

           セブン

数々の問題が指摘された借受候補事業者説明会

2010年09月26日 | ニュース
前日までの32度の猛暑が一気に下がった9月23日(祝日)朝10時から光が丘区民センターで、「光が丘三小跡施設借受候補事業者説明会」が開催された。昨年から大きな話題になり近隣住民にとって関心の高い問題なので秋雨にもかかわらず約90人が参加し、これまでの説明会では最大の参加者数となった。
説明に当たったのは、借受候補の?アオバインターナショナルエデュケーショナルシステムズの土井行男アダム社長、取締役、学校開発事業部部長補佐、アオバ・インターナショナルスクールのニール・ディルク学園長の4人、練馬区から企画課・宮下課長、田中係長、まちづくり推進調整課・坂田課長の3人だった。

説明に当たった区役所のメンバー(その左側にアオバのスタッフ4人が座っていたが、撮影は区役所から許可を得られなかった)
まず、区から「選定結果について」、アオバから「利用概要の説明」があった。質疑応答で判明したことも含めて報告する。
今年6月30日から応募を開始し書類を受け付けた団体は7団体だった。提案された事業ジャンルは、フリースクール、通信学校のスクーリングなど学校関係4(アオバを含む)、デイサービスを中心とする福祉事業1、スポーツを主体とする事業1、アニメを含む複合事業1だった。
そのなかでアオバを選んだのは、設立以来34年の実績があり、体育館の開放や防災活動への協力など地元への貢献に意欲を示しているからである(詳細は区のHP参照)。アオバ以外の団体は、地域との協調、資金計画、事業の実現性などに難があった。
今後、11月区議会に貸付契約議案を提案して2011年度に改修工事を実施し、12年9月の開校を目指す。
アオバは杉並区宮前で幼稚園(4歳児)から9年生(中学3年生)の232人(定員は330人)、目黒区青葉台で保育・幼稚園の園児53人(定員は70人)を運営している。
インターナショナルスクールには、サンタマリアスクールなど宗教系、アメリカンスクールなどナショナル系があるが、アオバは横浜インターナショナルスクールなどと同じく「その他のスクール」に分類される。特定の国や宗教に基づく教育は行わない。特色は、英語を母語としない外国人の子どもも入学できることで、英語を集中的に訓練するコースがある。
光が丘では幼稚園から中学までの10学年、各2クラス、最大400人の規模の教育施設とする。杉並校は校庭が狭く体育館がない。施設の拡大が光が丘を選んだ理由である。なお光が丘移設後も、建物を購入し土地は定期借地権で入手した杉並はそのままにして、学校法人化して高校を開校することを目指す。目黒校は閉鎖する。
初年度納入金は願書代も含め61.5万円、授業料は年間200-220万、その他施設維持費10万円、小学生以上はIT設備費が8万円かかり、希望者のみのサマースクールは4週間で19.5万円、土曜クラスは20.5万円である(詳細はHPにある)。
始業は8時45分、終業は15時35分、土曜には他校との対抗試合や年間15日土曜クラスがある。日曜は行事がなければ休みである。長い休みは、夏が6月中旬―8月中旬(ただしサマースクールあり)、冬が12月中旬―1月初旬、春が3月下旬である。
通学手段は、既設校の場合、半数がスクールバス、1/4が親の送迎、1/4が自分で通学している。
授業は英語、教科書も英語だが、アメリカだけでなくイギリスやオーストラリアのものも使っている。帰国した時に困らないようにフランス語や韓国語の母国語のプログラムもある。
日本人は帰国子女や近く海外赴任する予定の人などが現在4割、杉並の場合区内在住は3割なので、練馬でも3割になると予想している。進路は、幼稚園では日本の小学校、中学はインターナショナルスクールの高校、アメリカやスイスの私立高校、たまに日本の私立高校に進学する卒業生がいる。
地域への貢献として、体育館やグランドの開放、継続して防災活動への協力(とくに区内に14000人在住する外国人用防災拠点)、スプリングカーニバルやスポーツ交流など近隣住民や近隣小中学校との交流を行う。夢は、練馬から世界への人材輩出である。

質疑応答では14人の住民から質問や要望があった。代表的なものを紹介する。
●財務面の問題
Q 現在、定員割れしており収支が赤字だが大丈夫なのか、また光が丘で400人も集まるのか。
A リーマンショックにより外国人駐在員が大量に帰国し生徒数が減っている。また定期借地権を取得したためいまは負債が大きい。しかしコスト削減などの方策をとり2年後には健全な体質にできる。いまはたしかに300人だが、かつては400―500人在籍した。杉並で300人なら、施設環境のよい光が丘なら400人は可能と考える。
18年前にも大きなリセッションがあり生徒数が減ったが、当校は英語ができない外国人子弟を受け入れられるという特色を生かし、もっとも早く回復したインターナショナルスクールである。

●区民割引など区民への還元
Q インターナショナルスクールの開校には賛成する。ただ土地や貸与施設は区の施設なので区民の財産ということになる。それなら区民への還元策を取り入れてほしい。具体的には学費が高額なので区民割引をしてほしい。
A (練馬区)小中学生には就学義務がある。アオバは学校法人ではないこともあり、区内の小中学生の通学は推奨できない
 (アオバ)割引は考えていない。しかし、思いつきだが、夏休みにサマースクールを開校できるかもしれない。今後検討したい。
Q せっかく区の施設を使うのだから、スタッフを活用し、地元の小中高や高齢者向けのプログラムをつくるなど多角的な展開を図り、区民の教育機会の選択肢を増やすことに協力してほしい。
A よいビジネスアイディアを提案していただいた。前向きに検討したい。
Q 5小跡地に「多文化共生支援施設」が計画されている。連携できないものか。
A (練馬区)アオバと協議して連携できる部分は多々ありそうだ。今後検討する。

●防災拠点
Q 突然、区内外国人向け防災拠点といわれても戸惑う。従来の防災拠点との関連はどうなるのか。
A(練馬区)アオバは「準備がある」という意欲を示してくださったわけだ。どうするかは、区が今後連携する方法を考える。ただ従来指定されていた通常の避難拠点にはしない。

●隣接住民への問題
Q 旧光3小に隣接した団地に住んでいる。朝ピアノを練習している音や、声の大きい先生の声は筒抜けだ。屋上で運動会の練習をしていると見られている感じがする。日曜の父兄参観のときは廊下から見上げる視線を感じる。いままでは近所のお子さんや父兄なので安心感があった。住民は静かな環境を求めて住んでいる。区がいう「活性化」とはいったい何なのか。
A(練馬区)一定のにぎわいのある住宅地を想定している。通学する生徒は外国人に変わるが、基本的には「学校」なので住宅地にふさわしいと考える。
 (アオバ)杉並校でも、近隣との音や視線の問題はある。今後はいっそう気をつけたい。
Q 団地管理組合理事の立場で発言する。光が丘駅から通学する生徒が団地内を通行するのは困る。隣の前田ビルとは、社員は団地内を通行しないという協定を結んだ。子どもが団地を通行しないという保障のため、区とアオバと管理組合の三者協定を結びたい。
A(練馬区)今後、個別に管理組合と話し合いたい。
 (アオバ)今後通学路を定めて周知させたい。
Q 勤務先の近くにインターナショナルスクールがあるが登下校時間の送迎車の列がすごい。またスクールバスには誘導員が付くのか。
A 学校は安全な通学方法を基本にしている。生徒に規則を守るよう指導する。杉並でも誘導員を出しているし、下校時には先生方も協力している。
Q 校庭や体育館を開放するとのことだが、いままでスポーツ少年団や団地管理組合総会の利用は無料だった。今後はどうなのか。
A 料金については未定だ。今後検討する。

●都市計画の変更
Q アオバ進出に当たり、「一団地の住宅施設」の都市計画の廃止は前提なのか。
A 三小だけでなく、廃校になった4校すべてで都市計画の変更が必要になる。その場合、「一団地の住宅施設」の変更か、あるいは廃止して地区計画にするかの2つの方法がある。今年度内に案を示す方針だが、区としては「一団地の住宅施設」を廃止し地区計画にすることを基本に考えている。
Q 住民と連携をとりながら十分納得したうえで進めるようにしていただきたい。
A 今後も十分話し合いをしてから提案する。
 
●区の姿勢
Q 義務教育の公立学校を廃校にし、跡地に区が義務教育を受けない生徒の「学校」を誘致するのはいかがなものか。杉並では学籍だけ区立小中に置き、実際にはアオバに通学する生徒が多いと聞く。練馬もそうなるのかなあと思う。
A(練馬区)統廃合は児童数の面から実施した。その跡地を有効活用する観点で選ばれたのがアオバである。区内の小中学生がアオバに通学することは区としては推奨できない。しかし外国人の通う学校として十分機能するし、区内の小中学生や住民と交流できることは喜ばしい。子どもにもよいし区のイメージアップにもつながる。

ほとんどの練馬の小中学生が通えない教育施設が、区役所の誘致により、光が丘の小学校跡地にできるとはなんともパラドキシカルな展開である。
また毎日8時半と16時に、公道とはいえ光が丘の
外周道路に90台もの車(生徒数を360人としてその1/4の台数。兄弟やグループの送迎もあるのでもう少し減るかもしれない)が縦列駐車する「壮観」を想像してほしい。通学路や避難拠点の問題など具体的な問題については、近隣住民と詰めるべき問題が山積している。
さらに光が丘地区全体にかかわる問題として、地区全体の「都市計画」の変更または廃止の問題が立ちはだかる。候補事業者が選定されたとはいえ、この問題はまだまだ先まで続く。


              多面体

学習会「光が丘清掃工場の水銀汚染ゴミを考える」を共催

2010年09月25日 | ニュース
 すでに数多く報道されているとおり、今年6月中旬から足立・板橋・光が丘・千歳と4か所の清掃工場が、水銀混入ゴミのせいで高濃度の水銀を排出し、相次いで運転を一時ストップした。さらに9月16日には、2億8000万円もの修理費をかけて3日に運転を再開したばかりの足立工場2号炉が、再開から半月もたたず再びストップした。
 清掃工場を管理する「東京二十三区清掃一部事務組合」によると、停止したのは2号炉で、16日午前1時半ごろ、排ガスの水銀濃度が上がり、自己規制値を超える恐れが出たという。同組合は原因について、ゴミに残留していた水銀を焼却炉に取り込んだ可能性があるとしている。
 光が丘の団地住民はもちろん、周辺地の住民にとっても、その中心部にある清掃工場の高さ150mの煙突から放出されさまざまな有毒物を含む煙は、まさに健康と生活の不安に直結する切実な問題である。
 9月21日(火)夜、光が丘区民センターにおいて、「光が丘年金者組合」「光が丘生活環境を守る会」「光が丘学校跡地利用を考える会」の共催で、「有害化学物質から健康を守る会」代表の藤原寿和さんを招いて勉強会が開催された(参加 約40人)。共催した3つの団体は、これまで小学校跡施設の利用や都市計画の変更などに関して活動してきた。

 まず、年金者組合の小山謙一さんから「住んでいるところのすぐ近くに清掃工場があり、最初のころは煙が自宅の方向に流れているのをみると不安だった。だんだん怖さが薄れてきていたところにこの事故が起こった。光が丘25年の歴史のなかでも公害問題で住民が集まるのは今日が初めてだと思う」と開会の挨拶があった。 
 続いて「光が丘学校跡地利用を考える会」の横山耕治さんから以下のような経過説明があった。
足立工場は、運転再開から半月もたず再び運転を停止した。工場内に溜っていた水銀混入ゴミを取り除いて運転を再開したのではなかったので、停止した時に残っていたゴミを燃やしたことが原因だと考えられると報道されている。
光が丘工場でも、他の清掃工場に迷惑をかけているとの理由で8月13日に1号炉の運転を再開した。これは東京二十三区清掃一部事務組合(以下「一組」という)の決定だという。そして、停止した際に工場内に残っていたゴミもすでに燃やしてしまった。だから今も水銀は環境中に放出され続けているし、足立工場と同じように再度運転停止する可能性も十分ある。
蛍光灯22万本相当(足立工場)とたとえられる大量の水銀混入ゴミを誰が持ち込んだのか、いったいどういうゴミが原因だったのかわからないまま、たまっているゴミを燃やす運転を再開した。これは「物的証拠」を燃やしてなくすことである。つまり原因者を真剣に探す気がない証明でもある。再発防止策の確立が何より大切なのに、原因者の特定にすら真剣に取組んでいない。
一組は「原因者は特定できなかった」との調査結果を最終報告として発表した。しかし調査方法は関係者に聞きまわったにすぎず、会いにいくことで「私がやりました」と自白する場合以外は、とても期待できないものでしかなかった。 
光が丘工場では、三年前に煙突にアスベストが使用されていることがわかり、除去せずに封じ込める形で工事が行われた。(注・三菱重工への随意契約8億7570万円)その時も住民の不安に向きあう姿勢は不十分だった。一組の隠蔽体質と責任感の欠如が、今回の水銀ゴミの問題と共通している。

 続いて、藤原寿和さんのお話しがあった。
 まず、今回の運転停止に至った水銀の数値は、法的にはなんら規制値がなく、一組の自主規制値でしかないことが説明された。9月3日の足立工場の再稼働は、本来なら安全性を確認したうえでの運転再開だったはずなのに、再度停止したということは、そもそも安全性の確認がとてもいい加減であると、話された。
 2007年に、中央防波堤埋立て処分場にある、都内清掃工場から集まった灰の溶融施設の排ガスから、今回の自主規制値50ナノグラムの9倍に達する450ナノグラムもの水銀が検出され1号炉4号炉とも停止する事故があり、当時の一部事務組合の幹部が処分されたことも紹介された。
 この時にきちんとした原因究明を行っていないままゴミを燃やし続けたことが、今回の事態に至っているわけだ。
 水俣病の原因物質である有機水銀に対して、無機水銀は無毒といわれているが、水銀蒸気を吸入すると呼吸困難や内臓不全、接触性皮膚炎、小児のピンク病(先端疼痛症)などの症状が出、川崎病の原因になるともいわれている。
 有機水銀は中枢神経に障害をもたらすばかりか、心臓毒性、胎児毒性などももたらす。水俣病は、排水中の無機水銀が食物連鎖の中で有機水銀となり人体に取り込まれたことが原因だが、大気に放出された無機水銀も雨などで土壌にしみ込み、バクテリアや植物の根から吸収され有機水銀化するという。また、無機・有機を問わず微量で内分泌かく乱の作用も疑われている。
 大気中に放出される水銀濃度については、大気汚染防止法による規制がない。ただし、自主規制値については廃棄物処理法で遵守が義務づけられている。
 問題は、この自主規制値の数字が安全な数値かどうかだが、これは労働作業環境中の水銀気中濃度(労働安全衛生法に基づく管理基準)を根拠にしている。
 藤原さんは「8時間労働でさまざまな対策を前提とする規制値と、子どもも含めて24時間生活しているなかでの規制値が同じ考え方であっていいはずがない」と指摘した。
 また、規制に関しても、健康被害が起きてからでは遅く、スウェーデンなどでは、人体に対する被害ばかりでなく、自然界の環境被害予防の観点から規制が考えられていることなどが紹介された。
 今回のたび重なる運転停止は、「事故ではなく事件」であり、そもそも「監視をしていなかった」から工場が止まるまでゴミを燃やし続けてしまったのであり、原因はまったくわかっていないことが強調された。

 お話しのあと参加者から質疑応答があった。「有害物質を取り除く仕組みが清掃工場にないことが問題ではないのか」という質問に対し「取り除くシステムがまったくないわけではない。しかし焼却灰をさらに再加熱したあとにできる灰スラグの中にすら水銀や重金属は含まれている。いったんゴミとして混ぜられたものから特定のものを取り除くのが困難なのだから、分別・収集の段階に戻ることしかないだろう」との答えが印象的だった
 藤原さんは、煙突から出る水銀濃度の測定だけでなく、清掃工場の建屋・敷地での測定を要求し、公表させていくことも重要であると指摘した。
 また、参加者から、光が丘はじつは子どものぜんそく罹患率が高いことも紹介された。「住宅地のまん中の清掃工場ももちろんだが、笹目通りや関越・外環道の影響もあるのではないか、外環道の延伸などさらに悪影響があるのでは」という。
 区議会清掃リサイクル特別委員会所属の区議会議員の方も何人か参加し発言した。
「住民にきちんとむきあっていない」「根本的な再発防止策がとられていない」「一組という組織が隠れ蓑になっていて、結果に対する危機感が練馬区にない」「廃プラ焼却への転換が間違っていた」「ゴミを減らす、ゴミにしない、資源化重視などゴミ行政の転換が必要」など、共通する声が出されていた。
 最後に参加者全員で、清掃工場に関する集まりも今後継続的にもっていくことを確認した。

            セブン

光三小跡施設・借受候補事業者 アオバ・インターナショナルスクールに

2010年09月18日 | ニュース
 8月31日(火)の練馬区議会企画総務委員会において、光三小跡施設の借受候補事業者の選定結果が発表され、質疑が行われた。(詳細は別途報告)
 6月30日から事業者募集が開始され、当初8団体が応募(その後1団体辞退)した。第一次審査で5団体に絞りそのなかからアオバ・インターナショナルスクールの運営母体である(株)アオバインターナショナルエデュケーショナルシステムズが選定された。
 応募団体は、学校法人が2、NPO法人が2、アオバインターナショナルエデュケーショナルシステムズも含め株式会社が3である。アオバ・インターナショナルスクールは学校法人格はなく、資本金1000万円の株式会社である。
 提案された事業形態の内訳は、フリースクールが2、アニメ関係が1、スポーツ関係が2、デイサービスが1、インターナショナルスクール1。

  アオバ・インターナショナルのHPより。航空写真のオリジナルはGoogleマップ
 アオバ・インターナショナルスクールは、現在、目黒区青葉台の保育幼稚園(定員70人/実児童53人)と杉並区宮前の幼稚園・小学校・中学校(定員330人/8月時点の実児童数232人)の二つのキャンパスがあるが、目黒を杉並に、杉並を光が丘に移すという。杉並キャンパスの定期借地権や校舎建設費で負債があり、リーマンショックによる駐在員の帰国などで生徒が減り、赤字経営である。
 生徒の4割は日本人で、学費は年230~260万円(入学時に約60万円、給食費約13万円)。
 学校教育法上は無認可の私塾の一種であり、アメリカの中卒資格は取れるが、日本の中卒資格は取れない。 

 この選定報告を受け、9月10日(金)からの練馬区議会第三回定例会の初日、志村区長が所信表明でこの件についてふれた。

◎光が丘地区内の小学校の再編統合に伴う跡施設の活用
 次に、光が丘地区内の小学校の再編統合に伴う跡施設の活用について申しあげます。
区では、本年1月に策定した「活用基本計画」に基づき、現在、活用の具体化や必要な都市計画の見直しを進めているところであります。
 このうち、民間事業者による活用を図ることといたしました光が丘第三小学校跡施設につきましては、本年3月から借受けを希望する事業者の募集を行い、学校法人、NPO法人、株式会社あわせて7事業者から応募がありました。今般、学識経験者を含む選定委員会における審査を経て、借受候補事業者を決定したところであります。決定に際しましては、利用提案のコンセプトのほか、まちの活性化への貢献、地域との協調といった面から多角的な審査を行い、総合的な視点から、株式会社 アオバ インターナショナル エデュケイショナル システムズを借受候補事業者といたしました。
 9月下旬に、この借受候補事業者による周辺地域の皆様に対する説明会を開催し、そこで頂いたご意見等を踏まえ、区として必要な調整を図ってまいります。また、跡施設の貸付契約につきましては、本年第四回定例会に議案として提案した上で手続きを進める予定であります。
 一方で、公共的施設を整備する光が丘第二小学校と光が丘第五小学校の跡施設につきましては、都市計画の見直しの進捗等を踏まえ、改修工事に関する設計を進めてまいります。また、光が丘第七小学校跡施設につきましては、今秋を目途に、暫定活用する施設用途について定めた上で所要の手続きを行いたいと考えております。
 今後とも、活用基本計画の具体化を進めるとともに、必要となる都市計画の見直しにつきましても、地域の皆様に、丁寧な説明、情報提供を行い、ご理解をいただくとともに、区議会からのご意見をいただきながら、区民の貴重な財産である跡施設の有効活用を図ってまいります。

   (ここまで引用)

 インターナショナルスクールとはいっても、企業立の教育施設であり、公立小学校を廃校にして誘致するような練馬区の姿勢はいかがなものか、という議論もあるだろうし、インターナショナルスクールが、光が丘の住民の生活にとって必要不可欠なもの、つまり、学校とはいっても都市計画上での「公益施設」に当たるのかどうか、という議論もある
 光五小跡に予定されている多文化共生施設との整合性についての議論もあるだろう。
 そうした意味では、練馬区にとっては当初の「産業振興」=企業誘致=「全区的課題」と、選定結果は変わらないのではないか。
 何より、区長の所信表明で改めて都市計画の見直しを強調していることに表れている。
 インターナショナルスクールが地域に受け入れられ愛されるかどうかは、学校側の姿勢いかんだろうが、学校を選んだのだから、「一団地の住宅施設」の廃止は必要ないはず、という意見はとても説得力がある。
 インターナショナルスクールを都市計画変更の理由にするなら、練馬区自らインターナショナルスクールは「公益施設ではない」ことを認めるようなものである。

            セブン

なお下記のように光が丘第三小学校跡施設の活用について、住民向けの事業者説明会が開催される。

<第1回> 
日時 923日(祝日)  午前10から
場所 光が丘区民ホール(光が丘2丁目9番6号 光が丘区民ホール3階)
<第2回> 
日時 926日(日曜日) 午前10から 
場所 光が丘区民ホール(光が丘2丁目9番6号 光が丘区民ホール3階)
    ☆当日会場受付なので事前申込は不要

●2010年9月25日一部修正(2ヵ所)

第7回会議報告

2010年05月15日 | ニュース
連休明けの5月9日(日)午後、光が丘地区区民館で第7回会議を開催した(参加14人)。4月の第6回会議以降、この会は練馬区企画課へ「住民の提言」を提出し、東京都土地利用計画課へヒアリングに行った。

●都市計画の研究者のお話
現在の民営化は巧妙になり、単なる民間委託から官民協調(PPP)になりつつある。その手法はさまざまあるが、光が丘学校跡施設と練馬駅北口区有地では、区が資産所有し民間が施設整備と運営を行うので、コンセッション(管理運営委託)方式あるいはPFI(民間資金活用)方式を利用しようとしていると考えられる。この2つは、民間の権限が高いがリスクが高いという特徴がある。営業ベースに乗らない可能性があるからだ。PFI方式は自治体病院で実例が多いが、経営難で病院がたくさんつぶれ、全国で契約解除が多発している。失敗したときいったいだれが責任をとるのか
区民は税金を納めまともな行政をやってもらえることを期待しているのに、運営を民間に丸投げするのは行政責任の放棄だ。また学校跡施設は公有財産であり、結局は区民の共有財産ということだ。それなのに営利目的の民間事業者に、区の金もうけのため公有財産を貸すのは不当利用なのではないか。
また光が丘では、区が「一団地の住宅施設」の都市計画を区が地区計画に変えようとする問題もある。「一団地の住宅施設」なら簡単に用途変更できないが、「地区計画」ならあとで用途地域をどうにでも変更できる。これがこわい。民間企業が入居しやすい用途地域に変更することが将来的にありうる。たとえばハチンコ屋を開業させることも可能だ。
こうした問題に取り組む際、区の方針に反対するだけではダメだ。地域は住民がつくるもの、まちづくりの担い手は住民なのである。行政は、住民が一部の任務を負託しているのに過ぎない。住民によるまちづくりに創意工夫をこらし、さらに読書会、勉強会などを行い住民の輪を広げて行くことが重要だ。

●学習会の開催
今後、3小・7小跡施設問題および都市計画変更問題の2つに、この会がどのように取り組むかを活発に議論した。
そして6月下旬に、「住民による住民のためのまちづくり」を考える学習会を開催することになった。詳細は、今後ビラやこのブログで広報する。多くの住民・区民の参加をお待ちする。

          多面体

第6回会議報告

2010年04月09日 | ニュース
光が丘公園の桜が満開となった4月4日(日)午後、光が丘地区区民館で第6回会議を開催した(参加14人)。

1 第3回懇談会と今後の行動
この日はまず、3月29日(月)に光が丘区民センターで開催された区主催の「第3回光が丘地区 都市計画の見直しについての懇談会」への感想を聞くことから始まった。
・区は住民の質問を聞き説明はするが、住民の意見を取り入れる考えはゼロだ、
・区はどうして民間企業導入を性急に進めようとするのか
・区はしきりに「都市計画は難しい」と説明するがこれは住民の質問を封じ込めようとするものだ、
・検討会議の報告書を読むと、光が丘地域の住民の意見や要望が出てこない。無理やり、産業振興(企業誘致)を言っている。
・平成22年度中となっていた都市計画変更が、「事業者募集要領」では、なぜか、23年秋か年末に「都市計画の見直し以降保証金の支払い、土地・建物の引渡し」と1年延びている。
といった感想が述べられた。
この会では、学校跡施設活用基本計画について「住民の提言」をまとめ、企画部長に提出することにした。提言の根拠は、小学校の教室数不足、地域交流センターの不足、防災カレッジ開催のときの使い勝手、避難拠点などである。このほかいくつかの行動について討議した。

2 光が丘整備に尽力したOBの思い
光が丘地区の整備に尽力したOBの方の話を聞いた。
光が丘はもともと農地だったが、1943年地主500人が板橋区役所に呼び出され、8月末までに立ち退くよう申し渡された。成増飛行場、グラント・ハイツを経て73年に基地は全面返還された。区民18万人署名の成果だった。
団地建設に当たり公団・公社・都住宅局は人口8万人、建設戸数2万3000戸を提示、都は区に15000―16000戸を提案したが、区民や関係者は住環境を維持するため人口4万2000人、12000戸を要請し、結局12000戸で合意に至った。また緑被率も51.3%と50%を上回る。当時、旧公団の担当者も行政も議会も燃えていた誇るべき都市計画であり、いまの水準を下げたくない。ところが区の提案は小学校跡施設をきっかけに光が丘を「虫食い」状態にしようとするものだ。光が丘建設に携わった区役所OB(企画部出身者を含む)や議員OBは強い危機感をもっている。
住民には反対運動を起こしてほしい。光が丘建設は全区で行った。また学校は意識的に周辺部に配置した。光が丘は練馬のハートのような位置づけなので、全区的問題として、区民全体に広げていただきたい。あれから30年、当時の関係者は埼玉・千葉などバラバラになったが、これは、わたしたち光が丘団地を整備したものの遺言だ。

3 その他の情報(まちを活性化する方策)
区は、光が丘に若年層を呼び込みまちを活性化するため民間企業を誘致すると主張する。隣の高島平団地では、近隣の大東文化大学と連携し「みらいネット高島平」(旧名称・高島平再生プロジェクト)というプロジェクトを3年前に立ち上げた。留学生を含む学生への家賃補助、コミュニティづくり・仲間づくりの場であるコミュニティカフェの運営、ミニFM局の開局などを行っている。これは純粋民間プロジェクトだが、練馬区の案よりずっと気が利いている。

「強行突破」姿勢が見え隠れした区主催の第3回懇談会

2010年04月02日 | ニュース
2月に戻ったかのように手がかじかむような寒さの3月29日(月)の夜、光が丘区民センター多目的室で「第3回光が丘地区 都市計画の見直しについての懇談会」が開催された。区は2月16日と21日の2回懇談会を開いたが広報不足で参加者が少なく、また手を上げている質問者が大勢いるのに時間切れで強引に打ち切った。会場は「なぜ打ち切りなんだ?」「もう1回懇談会をやると言え!」「ダメだよう」と怒号に包まれ、区役所の職員席に詰め寄る住民もいた。そこで「光が丘学校跡地利用を考える会」(以下考える会)が区に要請して開催したものである。考える会は光が丘の全世帯10700戸に懇談会のビラを配布し、この日は約40人の住民が参加した。また数人の区議の顔もみえた。主催および司会は練馬区で、まちづくり推進調整課長、企画課長ら5人が説明に当たった。
4つの小学校が4月から小学校ではなくなるのだから都市計画変更が必要なことは確かだが、1ヘクタールの学校用地のために100ヘクタールの土地すべての都市計画を廃止し、新たに「地区計画」をつくる本末転倒な区の進め方に対し、さまざまな観点から住民が追及した。また区は見切り発車で、3月23日から民間企業の募集をスタートした。

●地区計画への疑問
Q1 「一団地の住宅施設」を地区計画へ移行して住環境はもっとよくなるのか。地区計画の移行を、住民が要望したのか。スタートはなんだったのか。
A 地区計画移行のメリットは2つある。かなり先のことだが団地の建替えの時期がくる。それまで学校跡施設を活用しなくてよいのか。有効活用するには現状の「一団地の住宅施設」というガチガチの都市計画のなかでは対応が難しい。見直しが必要だ。また建替えの時期になったとき、「一団地の住宅施設」は戸数まで決まっており、事業費を生み出すこともできない。あらかじめハードルを低くしておくことは住民のメリットになる。
スタートは学校跡施設の活用であり、住民の要望ではない
Q2 地区計画は、その地区に住む人が環境を守り、あるいはよくしていこうという趣旨で制定されたと理解している。区の説明を聞くと「区がこうやりたい」ということが先行している。住む人が「こうしたい」というのを手助けし条例をつくるのが区の役割ではないのか。
A 地区計画には、住民が区に働きかける方法と区が住民に働きかける方法の2つがある。今回はハードの変更はない。したがって現在の住環境を引き継ぎながら学校跡施設を有効活用する解決手法として地区計画を考えている。
Q3 本来学校跡施設をどうするかという問題だったはずなのに、区はことの手順をまったく混乱している
将来の建替えにそなえて、地区計画に変更しハードルを低くするという説明があったが、住民からそんな希望が出ているわけではない。いまの段階で区はそんなことをいうべきではない。
A 新たな施設利用をするとき、「計画通知」(民間でいう建築確認)を取るが、その際「都市計画に適合しているかどうか」を問われる。現状のままでは「適合していない」ことになるので都市計画の見直しが必要だ。ハードルについては隘路をなくすという意味でお答えした。
Q4 区は3月23日から民間企業の募集を始めている。今後も都市計画見直しの説明を管理組合や自治会に行うとソフトなことをいう。住民の声を聞くそぶりは見せるが一方では計画を進めている。これはフライングではないか。
A 民間施設が何になるか定まらないと、地区計画の素案を作成できない。
Q5 現状の「一団地の住宅施設」の小学校は「配置の方針」のなかの「公益的施設」に該当する。小学校を他の公益的施設に変更するのなら地区計画にしなくても、「一団地の住宅施設」の一部変更でできるはずだ。
A たしかにそのとおりだ。しかし大規模団地で「一団地の住宅施設」を見直す場合は、国や都が「地区計画にすることが望ましい」としているのでそちらに従う。
Q6 赤塚新町のゆりの木通り団地で、板橋区立中学の建設予定地に介護老人保健施設「赤塚園」が建っている。この変更は地区計画でなく「一部変更」を使った。前回の懇談会で「団地規模が2000戸以下なので可能だった」と区が説明したが、ぜひ「一部変更」を検討してほしい
また地区計画に変える理由として、団地建替えの話があった。しかし多摩ニュータウンの建替え決議のニュースをみると、築39年、建替え委員会を設置してからでも19年かけて実現させた。光が丘は、まちをどうするかという話が始まったばかりだ。これから15年かけてまちづくりを考えるのが筋ではないか
A 都の「望ましい」という方針に従いたい。光が丘は、まちのあり方の話が始まったばかりとのことだが、わたくしはまだ始まっていないと考える。
Q7 住民側は一貫して「一部変更」を望むといっている。地区計画に変えたいのは区のほうだ。どうしても地区計画に変更したいというのなら、都市計画法改正の、立法の精神を尊重して住民参加を促し、光が丘を5つか6つに分け協議会をつくって検討すべきだ。
A 建替えなどハードが変わるときは当然協議会を立ち上げる。しかし、今回はハードは変わらないので協議会は作らない。管理組合や自治会から要請があったとき、説明会に出向いて住民の理解を深めるようにする。

●民間企業の誘致ほか
Q8 光が丘の住環境はいまでも十分よい水準だ。民間企業が入るとさらによくなるのか
A 最低限でも、民間企業が入ることで住環境が悪くならないようにする。また広い意味で、光が丘は高齢化が進んでいるが、新しく集う人が増えるという意味でまちが活性化し、住環境がよくなる。
Q9 民間企業を入れれば光が丘に若い人が来るという安易な考え方には納得できない。若い人が住むのならわかるが、それには渋谷区がやっている家賃補助のような制度的な支援が必要だ。
A 企業にはいろんな世代が働いているので若者だけ来るわけではない。しかし若い世代が街を来訪すれば活気が生まれる。
Q10 運送会社の応募はどう考えるのか。
A 配送センターやトラックターミナルとして応募すれば、明らかに住環境に悪影響を及ぼすので、候補者には選定されないだろう。
Q11 なんでも早く進めればよいというものではない。小学校の適正配置により、4月から四季の香小学校(光が丘1小と2小の統合新校)の普通児の学級は19クラス、特別支援学級は5クラスに増える。当初の計画はそれぞれ18クラスと4クラスだったが、教室のアキはゼロになった。すでに初年度から人口推計が狂っている。検討段階で区は少人数学級には絶対ならないと主張していたのに、4月には39人学級、来年度は38人、再来年は37人になる。いまでも子どもが遊ぶと目いっぱいの校庭に4月から220人増えるといったいどうなるのか心配だ。一人ひとりをもっとていねいに育てないといけない時代になったのだから、区はもう一度考えてほしい。
A 所管の教育委員会に伝える。
Q12 10年後20年後の児童数の推計はないし、35人学級になった場合のクラス数の推計もない。なぜ将来的にも教室が足りるといえるのか。
A 所管から正式の回答は届いていないが、口頭レベルでは区のトレンド推計で大幅に増えることはないとのことだった。

☆住民側は、はじめから民間企業を誘致するなら都市計画変更という難問があると言ってきた。ここに来てやっと区も難しさがわかってきたようだ。しかも住民主導であるべき地区計画制度をむりやり当てはめ利用しようとしている。
手順も自己矛盾し、スケジュールにもムリを来たしている。この日の答弁から推測すると、区はいつも区議会を相手にやっているのと同じ手法を使い
強行突破するしかないと考えているかのようだ。この日も投げやりで意味のない答弁が目立った。
たとえば企画課長は「若い世代が街を来訪すれば活気が生まれる」などと答えたが、そんな解決法ですむのなら、すでに
IMAの前の道路ではいつも若い世代の活気があふれていることになる。

●4月15日追記 四季の香小学校の学級は、4月6日開校時に、普通学級18学級 (4年生が予定の4→3学級となる)であることが判明しました。