比較日本研究会 月例研究会2005年2月
報告:メイフラワー
取り上げる本『メディアが市民の敵になる』山口 正紀著 現代人文社
参考文献:『ニュースの虚構、メディアの真実』同著。
『無責任なマスメディア』山口正紀、浅野健一編著
○本書を取り上げた狙いと討議概要:
権力、とくに犯罪を管轄する警察、検察自体の組織ぐるみの犯罪が明らかになった。にもかかわらず警察はばれてもそれを否定し、ごまかし、知らん顔を決め込む。やがて検察も組織ぐるみで公金を詐欺・横領したと内部告発がされるが、その直前に内部告発者を別件逮捕拘禁して逆襲して、いまもって事実を認めない。法務省もそれをバックアップする。そして裁判所がさらに追認する。この国に正義などもう望めない。
権力が自分の犯罪を隠蔽する一方で、権力に批判的な言辞に対しては別件逮捕、過剰逮捕、あらゆる不法権力行使もいとわず、それを既成事実化する強権が次々に繰り出され、訴訟に持ち込んでも上級審になればほとんどが権力側主張を追認するだけの儀式になろうとしていないか。
法治国家はその基盤が既に腐食しきっているかの様相である。
さらに、その陰では権力を監視する立場にあるはずの報道機関が実は権力と一体化して機能放棄を自ら昂進させている現実もある。
本書は読売新聞記者である著者が『週刊金曜日』に連載し、報道について時々刻々、その権力犯罪とそれに荷担する報道の実像を告発してきたもの。そのなかから、例会では以下に課題を絞って報告、討議したい。
①権力犯罪の検証とそれにかかわる報道について、
②拉致問題報道と北朝鮮報道の〈一色化〉と〈タブー化〉について、
③読売新聞が著者を「記者職」からはずし、報道機関の変節を進めた問題について、
④現在進行形の、自民党・極右グループによるNHKへの政治介入とその事実を隠蔽することに汲々とするNHKの言論自主統制について、
⑤北海道警裏金疑惑、愛媛県警裏金疑惑について、告発報道を続けて事実解明に取り組んでいる地方紙の報道キャンペーンの意味について、
報告を終えて:残念ながらこの日、参加者の多くは課題書を読んでこなかった印象が強い。選定書が不適当であったのかもしれず、また、報告内容に不満を持たれたのかもしれない。いずれにしても、碌に課題書と報告についてつっこんだ質疑も議論も得られなかった。
報告:メイフラワー
取り上げる本『メディアが市民の敵になる』山口 正紀著 現代人文社
参考文献:『ニュースの虚構、メディアの真実』同著。
『無責任なマスメディア』山口正紀、浅野健一編著
○本書を取り上げた狙いと討議概要:
権力、とくに犯罪を管轄する警察、検察自体の組織ぐるみの犯罪が明らかになった。にもかかわらず警察はばれてもそれを否定し、ごまかし、知らん顔を決め込む。やがて検察も組織ぐるみで公金を詐欺・横領したと内部告発がされるが、その直前に内部告発者を別件逮捕拘禁して逆襲して、いまもって事実を認めない。法務省もそれをバックアップする。そして裁判所がさらに追認する。この国に正義などもう望めない。
権力が自分の犯罪を隠蔽する一方で、権力に批判的な言辞に対しては別件逮捕、過剰逮捕、あらゆる不法権力行使もいとわず、それを既成事実化する強権が次々に繰り出され、訴訟に持ち込んでも上級審になればほとんどが権力側主張を追認するだけの儀式になろうとしていないか。
法治国家はその基盤が既に腐食しきっているかの様相である。
さらに、その陰では権力を監視する立場にあるはずの報道機関が実は権力と一体化して機能放棄を自ら昂進させている現実もある。
本書は読売新聞記者である著者が『週刊金曜日』に連載し、報道について時々刻々、その権力犯罪とそれに荷担する報道の実像を告発してきたもの。そのなかから、例会では以下に課題を絞って報告、討議したい。
①権力犯罪の検証とそれにかかわる報道について、
②拉致問題報道と北朝鮮報道の〈一色化〉と〈タブー化〉について、
③読売新聞が著者を「記者職」からはずし、報道機関の変節を進めた問題について、
④現在進行形の、自民党・極右グループによるNHKへの政治介入とその事実を隠蔽することに汲々とするNHKの言論自主統制について、
⑤北海道警裏金疑惑、愛媛県警裏金疑惑について、告発報道を続けて事実解明に取り組んでいる地方紙の報道キャンペーンの意味について、
報告を終えて:残念ながらこの日、参加者の多くは課題書を読んでこなかった印象が強い。選定書が不適当であったのかもしれず、また、報告内容に不満を持たれたのかもしれない。いずれにしても、碌に課題書と報告についてつっこんだ質疑も議論も得られなかった。