3月1日、こんなサブタイトルに目が留まった。旧知の記者に訊くと、「100年前の“日帝の監視”が今はPM2.5、というわけですよ」という。
注目が集っていた韓国の三・一独立運動記念日は、前日の第2回米朝首脳会談決裂の余波もあってか、淡々と終わったなあという印象だった。
文政権は独立運動とキャンドルデモのつながりをしきりに宣伝
1919年、日本の植民地からの独立を求めた独立運動から今年は100周年になるといわれ、文在寅政権はその独立運動の精神が1980年の軍事政権に抵抗した光州事件や87年の民主化宣言、そして、2017年に朴槿恵前大統領を弾劾に追い込んだキャンドルデモにつながったとして大々的に宣伝してきた。
中道派の韓国紙記者は言う。
「そもそも文大統領誕生を導いたとされるキャンドルデモが独立運動の精神を脈々と受け継いできた流れかといわれると、よほどの支持者ではないかぎり、首を傾げてしまいます。
また、北朝鮮と共同で行事を進めようとして、結局、『南(韓国)とは歴史認識が異なる』という理由から断られた。あきれたのは、政権が南北が歴史を共有できるはずがないことすら把握できていなかったということです」
在韓日本人に向けた注意喚起はまるで「ブラックコメディ」
1万人集ったか否かは分からないが、ただ、文大統領が演説のために立った光化門広場の先では、文大統領退陣のピケが張られていて、散漫な雰囲気。
出店では太極旗とともに米国の星条旗も売られていて、店主に訊くと、「星条旗も売れるので置いています」と言う。価格はなぜか太極旗の1.5倍で、どうしてかと訊くと、笑いながら、「他国の国旗だから著作権があるから高い」のだと教えてくれたが……。
「皮肉なのは、太極旗はもちろん大韓民国の国旗ですが、文大統領退陣を求める保守派の象徴でもあること。(太極旗を見ると)なんとも複雑な気持ちになります」(前出記者)
駐韓日本国大使館からは在韓日本人に向けて「3.1独立運動100周年に際するデモ等に関する注意」という注意喚起のメールがあって、そのことを伝えると、「デモ等はありますが、わざわざ注意を喚起するほど日本人にとって危ないことは何もありませんよね。まるでブラックコメディだ」(同前)と笑われてしまった。
韓国人の一番の関心事は……
文大統領の演説では、日本については徴用工裁判や慰安婦問題などの特別な言及はなく、「韓半島の平和のために日本との協力も強めていく」とし、「過去は変えられないが未来は変えられる」、「力を合わせて被害者の苦痛を実質的に治癒したとき韓国と日本は心からの友人になれる」と触れるのみ。演説全体での比重はかなり小さかった。
韓国国内では、前日の第2回米朝首脳会談の決裂を受けて北朝鮮関連がどう修正されるかのほうに注目が集っていた。会談の数日前に高らかに発表した「新韓半島体制」構想も修正を免れないと考えられていて、実際、開城工業団地や金剛山観光再開のため米国と協議すると触れた以外には具体的な言及はなかった。
3月1日の演説では、決裂した第2回米朝首脳会談について、「長時間の会話を交わし、相互理解や信頼を深めただけでも意味がある進展」としていた文大統領だが、3日後の4日には国家安全保障会議を招集し、
「今までなんとかここまで来たが、壊れるのは一瞬だ」(ハンギョレ新聞3月5日)
と話したと報じられ、その落胆ぶりや緊張した様子が読み取れる。
米朝会談の決裂は文政権にとって「青天の霹靂」
会談前の韓国は会談には楽観した雰囲気で、終戦宣言や連絡所設置、さらには金剛山観光も再開できるような一部制裁が解除される「スモールディール」で合意されるだろうといった見方が大勢だった。28日会談当日にも青瓦台(大統領府)のスポークスマンは、「文大統領が青瓦台室長らと共に署名式を視聴した後、立場を表明する」と語っていて、今回の決裂が韓国にとって青天の霹靂だったことが窺える。
前出記者は言う。
「私自身、会談が決裂したという一報を聞いたときには、まさか、と呆然としました。
独立記念日なんて本当に国民が祝っているのでしょうか(^_^;)
日本 同氏 多数 居るそうです
其のうち 半島 動きますよ