『釈迦に説法』というとおり、いまさら海亀さんに
教えてもらわなくても『知ってるわい!』と言いたい
でしょうが、ものには順ということもあるので、ざっと
おさらいしますと、
お釈迦様はほぼ一生を遊行してまわり、沙羅双樹の下で
入滅されたということで、その最後の様子を描いたのが
『涅槃図』です。
最古の『涅槃図』は高野山金剛峰寺のもので、今時話題の
『上皇』白河さんのころのものです。
一方、こちらの作品は天和3年、西暦1683年の作品です。
『生類憐みの令』やら『好色一代男』やらの時代です。
お釈迦様は最後を迎えて金色に光り輝いています。
天上界からはお母さんの摩耶夫人が駆けつけています。投薬は届かず木の枝に引っかかっています。
沙羅双樹は4本が枯れ、4本が青々と茂っています(四枯四栄というそうです)
十大弟子のひとりアーナンダは悲しみのあまり気絶しています。
六本牙の白い象も悲しみにくれています。
この時代になると、いままで描かれてこなかった猫も登場しています。