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開放性運動連鎖(OKC)と閉鎖性運動連鎖(CKC)とは?

2023-06-28 05:30:33 | 日記

いきなり難しいこと言ってすみません。

 

運動連鎖の話はしてきましたが、もう一つ踏み込んで言うとOKC(オープンキネティックチェーン)とは開放性運動連鎖を意味し、末端が自由な状態にあり、逆にCKC(クローズドキネティックチェーン)とは閉鎖性運動連鎖を意味し末端が外部抵抗と接触している状態を言います。棒とピンジョイントの関係で言えば次図のようになります。

リハビリテーションの分野でもこれを人の骨関節の関係に応用して膝の前十字靭帯損傷のリハビリテーションにCKCの有効性が高いとのことから認知されるようになってきました。ぱっとみてCKCは自由な末端がなく、リングになって繋がっているので一つの動きが他の棒に比較的拘束的に影響します。言ってしまえばCKCの方が自由度が低いといえます。

 

例えばOKCなら

動きは連なっていますがどちらのパターンもあるようになります。

 

末端が閉じていることによって一つの骨の動きに連動しやすくなるので、より連鎖しやすいのがCKCであると言えます。上のCKCの図はかなり短い閉鎖性なので必ず連動して動かさざる負えません。

 

CKC、OKCのどちらが良いという訳でなく、KCC(キネティックチェーンコントロール)というコントロールするという考え方からするとCKCの方がコントロールしやすいという事ではないかと思っています。

 

人間の動きでいうと歩いたり走ったり自ら立って動く動きの中からの方がコントロールしやすく、動きを修正しやすいということです。

 

リハビリテーションの中では当たり前のような話かもしれませんが難しい話だと思います。人の骨格で考えると多数の繋がりがあり、一定の方向の連鎖でないと正しい連鎖でないのだとしたらそれを獲得することも難しいです。全体的にかみ合わない間違った連鎖があるとそれを正しい方向にコントロールするのは簡単な話ではありません。コントロールするということの難しさ、もしコントロールできるのであれば凄いことですよね。ですからコントロールという言葉が一つついただけでものすごく高い技術力がいると言えるのではないでしょうか?

 

難しい話を最後まで読んでいただきありがとうございました。

 


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